FC2 トラックバックテーマ:「春を感じる瞬間は?」今、会社の孤独死ともいうべき事態が、相次いでいます。
この日、大手信用調査会社に、気になる情報が寄せられました。
取引先の会社と、連絡が取れなくなっている。 調査員が訪ねてみると…。
“あ、あそこですね… 入り口が閉まっていますね…”
平日にもかかわらず、会社に人けはありません。
“電気メーターが外されてますね…”
“行方不明ともいうのですかね… そういった状況ですね…”
“僕らが言うには、まぁ、廃業状態ですね…”
また1つ、会社が、人知れず最後を迎えていました。
廃業とは、後継者がいなかったり経営が苦しくなったりする等して、自主的に
会社を終わりにすること。 いわば、会社の自然な死です。
しかし、中には、廃業の判断が下せないまま借金が膨らみ、取り返しがつかな
くなるケースもあります。 そのツケは、金融機関や取引先に回って来ます。
地域全体に、深刻な影響を及ぼす事もあるのです。
中小企業の廃業件数は、2018年の1年間で、4万6000件。
10年間で倍増しています。
更に、大手信用調査会社がビッグデータを使って解析した所、今後1年間で
廃業する可能性がある企業は、31万社にも上る事が分かって来ました。
日本は、大廃業時代に突入しているのです。
大手信用調査会社は、言う。
“人口減少とか、社会の傾向に応じて、リスクが高い傾向が続いてしまうと、
大きなダメージを受けてしまう”
会社の存続にこだわって、手遅れになる前に、積極的に廃業する。
そんな動きも広がっています。
“どんな凄い社長さんでも、終わりが必ず来ます”
会社の最後に寄り添う、経営コンサルタント “おくりびと” と呼ばれ人まで、
現れているのです。
“いい終わり方をして頂きたい。 いい終わりを迎えて頂きたい”
おくりびとは、廃業による周辺への打撃を最小限に食い止め、会社を、いわば
円満な死へと導くのが仕事です。
印刷会社の元社長は、言う。 “本当に、心強かったです”
おくりびとは、言う。 “関わる人みんなの利益を、1番、向上させられる”
“そういう終わり方ができているかなと思ってます…”
人口だけでなく、会社の数も減少して行く、これからの時代。
日本全体が沈まないために、何が必要なのか?
経営コンサルタントは、言う。
“やっぱり廃業して行く会社、退出する会社、競争に負けて事業を譲る会社が
出てくるから、そのプロセスは苦しいけどこれから逃げたら地方は再生しない”
“そろそろ、頭を転換した方がいい”
持続可能な未来へのカギを、探ります。
廃業の判断が遅れ、厳しい結果を招いてしまった、元経営者がいます。
“ここが、店舗の入り口でした…”
徳島県で、スーパーマーケット8店舗を経営していた、元経営者です。
ピーク時には、年間75億円の売り上げがありました。
しかし、地域経済の低迷に伴って、業績が悪化。
駄目押しは、全国資本のショッピングモールの進出でした。
“大手の利益度外視で、やっぱりディスカウントをやられると地元密着以上に
価格に負けてしまった”
大手に対抗するのは難しいと考えた、元経営者。
円満に会社を終わらせたいと、廃業を検討し始めました。
当時、元経営者のスーパーは、8店舗の内3店舗が黒字を維持していました。
この営業権を、同業他社に売却して、4億5000万円の資金を確保。
金融機関や、取引先への借金の返済に充てました。
しかし、全てを返済するには、足りませんでした。
残った借金額の大きさから、金融機関に、自主的な廃業を認めてもらえず、
法的整理を伴う倒産となりました。
スーパーマーケット8店舗を経営していた元経営者は、言う。
“得意先、金融機関の方に、地域に対しても、非常に迷惑をかけたというのが
本当に、申し訳ない思いです…”
会社を失った元経営者は、その後、自己破産。 妻とも離婚しました。
まさか、倒産という終わりを迎えるとは、思いも寄らなかったといいます。
“いや、もう、本当に、会社を潰すというのは全く考えていなくて、もうも継続
しか考えていなかったのですが、やはり人間に寿命があるように、会社にも
寿命があるのだというのを、会社を閉めた後に、すごく感じました…”
しかし、倒産の影響は、それだけではありませんでした。
経営コンサルタント内の会議より。
“そこ(取引先)自身も廃業して行くところは、結構、出てきそう?”
‘まぁ、廃業を選択するケースもありますね…’