FC2 トラックバックテーマ:「お花見でドキッとした話」そんな韓国のパン屋さんで、もう1つ、日本のパンロボットが、存在感を見せて
いました。
ソウルから、車で、およそ2時間半。 テジョンという、地方都市。
ここに、韓国パンの聖地と呼ばれる、パン屋があるという。
中に入ると… 人で溢れ返っている! 実に、パンの種類が多い!
常時、200種類のパンが並ぶので、いつ来ても、新しい味に出会う事ができる
という。 多い日は、なんと、1万人が訪れ、800万円も売り上げる!
“混んでるから大変だけど、楽しいわ!”
この店の大黒柱で、500人ものスタッフを束ねる、アンさん。
実は、彼も、日本の製菓学校で学び、日本のパン屋で修業した。
“技術的に日本の有名な先生を招待し、講習会を行なったりして、日本からの
影響を受けています”
日本の影響を、結構、受けているという、お店の1番人気が、1日に7万個も
売れるという、これ! 中に、あんこが入っている、そぼろパン。
日本の揚げパンに似た味だそう…。
どうですか?と、お客に聞くと、 “とても香ばしくて、美味しいです!”
そして、2番人気が、こちら! ニラと卵炒めが入った、ニラパン!
これは、日本の惣菜パンを参考にしたものだ!
パンで大成功を収めたパン屋が、4年前にスイーツ専門店をオープン!
これからは、スイーツにも力を注いで行くというが、そこにも日本のあるものが
欠かせないという。
“今、ちょうど、クルミのパウンドケーキを焼いています”
厨房の奥にあったのが、それ! ケーキを焼く、オーブンだ!
よく見ると、日本語が書かれている。
“最初、1台、入れたけど、余りにも良くて、また2台、入れました!”
日本の企業が作る、こちらのオーブン。
他のオーブンに比べ、密閉性が高く、ふっくら、なめらかに焼き上がるのだと
いう。
“韓国で、真面目に頑張っているシェフたちは、このオーブンに注目している”
“少し値段が高いので、迷っているところもあるが、これから、どんどん増えて
行くと思います”
このオーブンを入れて、売り上げが、数倍にもなったという。
そこで、この会社の最新型オーブンの導入を決めたのだが、それが、とんでも
ないものらしい!
その、ウワサのオーブンが、東京の展示会で見られるというので行ってみた。
年に1度、最先端の食品機械が、一堂に集まる、このイベント!
日本の高度なモノづくりの技術と、おもしろいアイデアを生かした、さまざまな
食品機械が、披露されていた。 (東京ビッグサイト)
韓国の人気スイーツ店が導入しようとしているオーブンは、どんなものなのか?
全長、8メートル。 トンネル・オーブンという、真っ赤な、この機械は、カステラ
からプリンまで、大量生産できる優れもの! (トンネルオーブン/リムジン)
実は、全長8メートルは、まだまだ小さく、大きいものは、全長30メートルにも
なるそうだ…。
この会社のオーブンの特徴である、密閉性を保ちながら、途中で扉を開けて、
焼け具合を確認できるようにもなっている。
この会社の社長に話しを聞いた。
“日本のお菓子は、本当に、すごくレベルが高いのです”
“海外では、日本のお菓子を目指しています”
“日本に修行に行くと、全部、うちの機械が使われています”
“そうすると、自分の国に帰ったら、それを使いたいという人が増えて来た…”
日本の美味しいお菓子は、このオーブンで出来ていると…。
この会社のオーブンは、日本の有名パティシエたちも愛用しているという。
今では、国内シェア3割で、業界トップだ!
実は、この会社、その成り立ちが変わっていた。
Q:こちらの会社は、昔からオーブンを作っていたのですか?
“いいえ、私の父は、煎餅屋でした…”
Q:え? 煎餅の機械を作る会社ではなく、煎餅屋だったのですか?
“はい、福岡の煎餅屋でした…”
煎餅屋からの華麗な転身! なぜ?
福岡県に本社と工場がある、オーブンを作っている会社。
従業員130人で、1年間で作るオーブンは、約300台。
人気となっても、丁寧なモノづくりは、変わらぬモットー!
そんな会社の前身は、1950年に、社長の父親が始めた、商店。
その頃の本業は、なんと、煎餅屋! ところが、業績が低迷。
そこで、心機一転!食べるものではなく、焼く機械の製造に乗り出したのだ!
会社を2度、倒産させながらも挑み続け、ついに、オーブンの1号機が完成!
その後、何度も改良を重ね、今のバッケン・オーブンが出来たのだ!
そんな会社が、今では… 海外からも、引く手あまた!
この日は、中国から、スイーツ関連の企業が視察に…。
それも、1社だけではなく、12社も! 皆、目が真剣だ!
“このオーブンを使うと、カステラの焼き方はプログラムがあるから、職人の
経験が必要なくなります”
この日は、カステラの試し焼き…。 焼き上がりに、視察団から歓声が上がる。
見た目も大事だが、肝心なのは、味!
中国からの視察団は、言う。 “柔らかくて、美味しいです!”
“中国にもカステラはありますが、こんなに柔らかいのは初めて食べました!”
“ビックリしましたよ!”
技術がこれほど凄いと、焼きの修行が必要なくなるのではないのか?
実は匠の技術で美味しいお菓子やパンが出来ていると思いきや、ポイントは
オーブンにあるという… 何だか複雑な気分だ。
韓国人にとって、大成功したパン屋は、聖地のようなところ。
そこが日本のオーブンを使っているという事が知られたら、韓国中のパン屋が
真似したがるに違いない!
この日本のオーブン、世界各国から引き合いが来ており、年商の内2割が
海外だといわれている。
日本は、このオーブンのように、先進的な国なのか?
もともとは、パンを作る文化のある欧米が先で、そこからというところはあった
ものの、アジアの中では、やはり、いち早く機械化を進めている。
実は、ホームベーカリーは、日本が世界で初めて作ったものなのだ!
欧米では、パンは手でこねてオーブンで焼くというスタイルが定着していた為
材料を入れてボタンを押すだけで出来るという発想がなかったようだ。
日本のパンやお菓子が世界でも人気が高いが、その美味しさを、日本の食品
ロボットが陰で支えている。
このような機械ができたのは、やはり、人口が減少する中で、人手不足になり
どうしても省力化が必要になって来た為、それに対応せざるをえなくなった。
そんな厳しい状況の中で生まれて来たロボット食品技術というのが、実は今
世界の食を支えているのである。