FC2 トラックバックテーマ:「おうち時間が増えてから変わったこと」アメリカは、自国の自由が偉大だと思っています。
この国の在り方に危機感を抱く男、ニューヨークマガジンの元編集長が、語り
始める。
“アメリカの国内の人々、諸外国に半ば強引に、アメリカが理想とする自由を
押しつけている。 1番とは限らないのに、矛盾を起こしている”
おっしゃる通り、逆説的ですよね。爆撃で自由をもたらそうなんて、実際、効果
てき面で、この種の話しは成功モデルになりました。
ヨーロッパでは確かにうまく行きました。私はドイツ出身ですが皆、幸せです。
しかし、現在のヨーロッパで起きている事は、注目に値します。
特にドイツでは、アメリカは終わったという認識です。 もう自由がありません。
ドイツ人にアメリカで起きている事を尋ねると、1920年代後半~30年代前半の
ドイツのようだと言うでしょう。 “本当ですか!” そのようなイメージです。
“すでに自由は達成したかも?” いや…まだですね。道のりは遠いですよ。
言わねばと思いました。トランプを当選させて…さすがニューヨーカーですね。
“分かりますよ。この十数年で、この国のヴァーチャルとリアルの把握が、なぜ
不安定になり、制御不能になったのか? 私は気付いたのです”
“問題は、もっと以前に遡ると、この国のヨーロッパ人開拓者は、極端なプロテ
スタントでした。 私が真実だと感じたものは、全てが真実だ”
“なぜなら、私が真実だと感じるから、真実なのだ”
“聖書にある事は、神父様に教えてもらわなくても、自ら理解できるという、
超主観性です。 それが、この国で極限まで進みました”
“1835年、フランスから来たトクヴィルは、こう言いました”
(トクヴィル/1805-1859/フランスの政治思想家)
“これほど熱狂的な信者を見た事がない、と”
“それも、極端なプロテスタントが、ショービジネスと融合しました”
1度、日本のテレビで言いました。 資本主義はショーだと。
‘そもそも、生産する ( produce ) とは、何か?’
‘語源は、前に ( pro ) 持って来る ( duce ) だ’
‘つまり、商品の生産とは、いわば、見せるためのショーなのだ’
‘今では資本主義は、全てがショー化している経済システムだ’
あなた方は、理解する必要がある。 資本主義のショーとしての特徴を。
“ええ、事実だと思います。 常にショーでした”
“18世紀から20世紀にかけ、アメリカの宗教の最もユニークな部分はショー的
な気質です。 牧師が演技をして、ショーを繰り広げるのです”
“この50年間でショービジネスは、全てを飲み込んでいます”
“ディズニーランドやテーマパーク化したレストランなどは、最も分かりやすい
例えですが、これに限った事ではありません”
“全てがショービジネスという時代でした” まさにこの国の特徴です。
ニューヨークがきらびやかだと思うのは、誰もがフィクションと幻想が織り成す
現実に触れているからです。 それはアメリカの美しさでもあります。
この街は、とても美しい。 理由の1つは、幻想が織り込まれているからです。
その例として、ウディ・アレン層、サインフェルド層、ブロードウェイ・文学…。
この街では、文化が可視化されています。
同時に哲学者として矛盾を感じるのが、ドイツではガイスト(精神)と呼ばれる
全体の次元… 英語に翻訳すると、文化が真っ当ですね。
それは、哲学理論の対象でありながら、哲学を無化させます。
なので、アメリカとアメリカ哲学の標準的な観点として、精神、いわば文化へ
結び付く行為が幻想なのです。
アメリカ人にとって、人間とは脳の情報処理プロセスにおける電流のON・OFF
と、文字通り同じなのです。
“科学的唯物論として” その通りです。 それが言いたいのです。
アメリカの主なイデオロギーに、科学的唯物論があります。
(科学的唯物論→自然科学的な知のみで体系化された哲学)
同時に、精神の層、いわば、ハイレベルな大衆文化があります。
興味深い矛盾です。 “この国は、常に二極化していました”
“科学的唯物論に対して、キリスト教への信仰があるのです”
“ただの二極化ではなく、実用的で産業と結び付いた科学技術の進歩と、
空想的で非現実的なものとが、常に共存しています”
“最近では、さまざまな面で、その境界が見えづらくなっています”
時々、科学と宗教の相反する解釈が出て来ます。
人間は、どこから来たのか? 片方は神様で、もう片方は進化…両極端です。
“この国で、面白いフィクションといえば、SF小説です”
“シリコンバレーの住人と、話してみると良いでしょう”
“紛れもなく彼らの半数以上が、スター・トレックかスターウォーズを、子供の
頃に見ていたと言うでしょう”
“SF的世界観が、彼らを、今の世界に導いたのでしょう”
“SF小説には、空想を現実に変える力があるのです”
“全てのファンタジーには、良い側面と、悪い側面があります”
“コントロールされている内は良かったのですが、50年前から、制御不能に
なり始め、インターネットの加速によって悪化しました”
“極端なケースでは、ショッピングセンターや学校で、銃を撃ちまくる…”
“この国で起こる現実の半分が、テレビの中の世界です”
“自由について議題を戻すなら、自由が多くなり過ぎているのが問題です”
“そこに、全ての社会の問題がある”
“統治とは、自由を与え過ぎるのではなく、自由を与え過ぎないよう、うまく
やる事だと思います” ええ、まさしく。
Q: スイーツの広告、私には普通に見えます。あなたは悪夢でも見ていますか?
それは、あなたが刷り込まれているからです。
本当です。 文化的に作られたものですよ。
仮に、古代ギリシャの先人たちをタイムマシンで連れて来たら、脂肪と糖質の
塊だ!と、言うでしょう。 食べる必要も、魅力も感じません。
でもプラトンなら、強い好奇心が生まれて、注文してみようと思うかもね!
欲望を満たす事は出来るが、欲望を欲する事は出来ない。 ショーペンハウアー
自由の仮面をかぶった悪は、絶えず、私たちを誘惑する。
私たちの精神を飼いならす。だが、その時、立ち止まって考える事は出来る。
哲学が理性の力を呼び覚ます、可能性にかけて…。