FC2トラックバックテーマ 第2112回「見慣れない出来事」今年の夏も、暑かったですし、台風も多かったですよね!
大雨や洪水というと、水がありすぎて困りますよね?
一方で、猛暑。 暑すぎて渇水という事で、水が少なすぎても困る。
水は、やはり、とても大きな問題だという事です。
ちなみに、1日に、1人が使う水の量は、どのくらいだと思いますか?
実は、1人、224リットルほど使うとされているのです。
日本というのは、やはり、世界でも6番目に多く、水を使う国なのだそうです。
ただ、この水、もちろん… 未来永劫にあるわけではない。
将来、足りなくなるともいわれています。 そこで、水はカネなり!
今回はビジネスも含めて、水に関するさまざまな動きをご紹介します!
アメリカ・西海岸最大の都市、カリフォルニア州のロサンゼルス。
そこで今、ある取り締まりが、盛んに行なわれているという。
黄色いベストを着ている、この男性が、その取り締まりをする隊員。
“あそこをチェックしてみよう” 隊員が、何かを発見したようだ。
“見つけたぞ! あれはダメだ!” 一体、何がダメだというのか?
当の隊員は、家の前に広がる芝生を、次々とカメラに収めはじめた。
よく見ると、撮っていたのは、芝生に水をまいているスプリンクラーの写真。
“今は、もう、10時を過ぎています”
“すでに太陽が出ているから、水をまいても、すぐに蒸発します”
“だからこの時間帯は、芝生に水をまいてはいけない規則に、ここロサン
ゼルスでは、なっているのです”
そう、謎の人物、隊員は、実は、ウォーターポリス!
水の不正使用を取り締まる、水道局の職員だったのだ。
この水まきの規則を破ると、住民は、ウォーターポリスによって違反切符を
切られる。 この取り締まりが始まったのは、2014年のこと。
アメリカでも干ばつの被害が広がり、水不足が深刻になった時期だ。
それが、具体的に、どんなものかというと… スプリンクラーの使用制限だ。
奇数と偶数の番地によって、水をまいて良い曜日が決められている。
更に、水をまく事ができる時間帯や、水をまく分数までも、細かく決められて
いるのだ。 (午前9時~午後4時までは禁止/使用時間は8分以内)
このお宅は水をまいてはいけない曜日、そして時間帯も守らずスプリンクラー
を使っていた。
初めての違反であれば警告で済むが、悪質な場合は、100ドル。
最高600ドルの罰金が科せられる。
水道局の隊員は、言う。
“カリフォルニアでは、厳しい干ばつが続いています”
“私たちが取り締まり、節水の意識を高める事が、とても重要なのです”
今年の夏の異常気象のすさまじさは、カリフォルニアで相次いで起きた山火事
を見ても分かる。
そもそも山火事は冬に多いのだが、異常な暑さが続く今年は、夏から多発
している。 これまでに数千棟の民家が焼失し、死亡する人も多数でている。
取材班が山に入ると、幹線道路のすぐ横も、黒焦げ。
山火事で被災した女性とともに、現場に向かった。
“今回の山火事は、これまでで1番ひどかったわ”
目的地は、この山の中腹。 “ここに私の家があったのよ”
“ごめんなさい… ここに来ると、つらい気持ちになるの…”
幸いにも、家族は全員無事だった。
だが、思い出の詰まった家は、跡形もなく消えていた。
かつては、こんな家が、ここにあった。 家族と過ごした幸せな時間。
その多くは、この家で生まれたものだった。
“これは、子供たちと一緒に作った、おもちゃよ。 全てなくなってしまったわ”
家のテラスから見えた、美しい景色。 それが今は…。
まばゆいばかりの緑が、黒とグレーに変わってしまった。
カリフォルニアを襲った未曾有の山火事は、なぜ、起きたのか?
地元の消防局が、取材に応じてくれた。
まずは、これを見てくれと言い、ある場所に。
“この枯れ松のように、乾燥して水分を含んでいない草木が山全体にあり、
燃え広がる原因となったのです”
今年の山火事の原因は、主に2つだと彼は言う。
1つ目の原因は、やはり気温。 最高気温が50度を超える日も、あったという。
そして、もう1つは…。
“例年の4分の1の降水量でこの3カ月はほとんど雨が降っていませんでした”
高温と記録的な日照りが、史上最悪の山火事を引き起こしていたのだ。
そんな異常事態は、あのラスベガスをも襲っていた。
ラスベガスを代表するホテル、ベラッジオの名物が、これ!
迫力満点の噴水ショー。
だが、この水不足の折に、こんなにも水を使って大丈夫なのだろうか?
ホテルの担当者は、言う。
“この噴水の水は、全て地下水を汲み上げて使っています”
しかし、3900もの客室を誇るホテルの中では、地下水ではなく水道水を使用。
だから、水不足は、やはり深刻な問題。
例えば、客室のエアコンや厨房の冷蔵庫を冷やすための冷却装置。
裏側は、こんな風になっいる。
そして、もう1つ、水を大量に使うのがレストランだ。
調理はもちろん、食器を洗う際にも、多くの水を使う。
そこで、最近になって、ホテル全体の水を監視できるシステムを導入した。
“このグラフは、キッチンで使う水の量です”
“レストランが終わると、急激に水の使用量が上がります”
巨大ホテルのキッチンは、最大1分間に、500リットル以上も水を使っている。
“このグラフを見れば、水を大量に消費した時間帯が、一目で分かります”
“その原因を割り出す事で、少しでも水の消費を抑える事ができると考えて
います”
そんなラスベガスの水源は、どうなっているのか?
取材班は、その現場へ向かった。
ここミード湖は、ラスベガスのあるネバダ州やカリフォルニア州、アリゾナ州に
水を供給している、アメリカ最大の人造湖だ。
この場所で、親子代々、貸しボート業を営む男性。
水不足の取材に来たと聞き、まず案内してくれたのは、湖ではなく…。
“2000年までは、この辺りまで水があったんだ”
“でも、水が干上がって、ボート乗り場が、あんなに遠くなってしまったんだ”
なんと、岸の場所が、こんなにも変わったというのだ。
そして、それは、湖の中でも…。
“2000年までは、あの白く見える場所は、水の中にあったんだ”
“たった18年で、こんなにも少なくなってしまったんだよ!”
ミード湖の貯水量は、現在、半分以下の38%。
当局は、これに、どう対処していくのか?
水利再生利用局の担当者は、言う。 “今のところ、解決策はありません”
“この水源を利用しているカリフォルニア・ネバダ・アリゾナの3州が、節水の
意識を高めて、水の使い方を考えて行かなくてはならないのです”
そして、この水不足。
ラスベガスで暮らすアメリカ人の生活に、意外な影響を与えていた。
住宅街の庭先を見てみると…。
アメリカ人の大好きな芝生が、どこの家にも、ない!
庭には、芝生の代わりに、小石が敷き詰められ…。
メキシコばりに、サボテンが植えられていた。(砂漠庭園)
住民は、言う。 “そもそも、このネバダ州は、砂漠の街なんだ”
“もちろん、芝生もいいけど、ここの気候には合わないよ”
これは、本音半分、強がり半分。
芝生からサボテンへの変更の理由は、やはり… そう、この水だ。
住民は、言う。
“サボテンの庭にしたから、今は1日に3回、5リットルの水しか使わないのよ”
実は、住民たちが大好きな芝生を諦めるのには、もう1つ理由があった。
“芝生をなくせば、30㎠につき、ネバダ州から3ドルの補助金が出るんだよ”
ネバダ州は水不足解消のために、芝生をなくす政策を推し進めているのだ。
そこで大忙しなのが、造園業者だ。
“水不足のおかげで、商売も上々だよ”
“俺の仕事は、水の節約にも一役買えるしね!”