FC2トラックバックテーマ 第2114回「絶対に外せない味噌汁の味噌、具材は?」脂肪味以外の味覚については、私たちの健康との深い関わりが分かってきて
います。 こちらの病院では、味覚の改善で病気を治療しています。
630歳の男性は、塩味の感度が落ちていると診断されました。
塩味の付いた、ろ紙を濃度の低いものから順に舌に当て、どの濃度で正確な
反応をするかを見たところ…。
正常な人なら2段階目(塩分濃度0.6)までに反応しますが、男性は6段階目の
(塩分濃度1.4)で、やっと塩味が分かりました。 (味覚障害の1歩手前です)
慢性腎不全の男性。塩味が鈍っている事で、塩分の強いものを好んで食べて
しまい、余分な水分を摂取していました。
そのため腎臓に負担がかかり、体の老廃物を、うまく排出できませんでした。
“症状でいうと、2日酔いの朝みたいな…”
“あぁ、体がダルイ… かったるい… 仕事に行くのも、おっくうな感じ…”
男性が受けたのは、9日間入院して、3食で塩分6グラムの減塩食をとる治療。
塩サバにも醤油をかけるほど、濃い味が好きだった男性。
当初は、味を感じなかったと言います。 しかし、退院前日には…。
“白菜自体の味が分かるし、今までだったら、これに、醤油という感じだった”
“だけど、今は、これで十分、食べられるようになった”
味覚の改善に伴って、腎臓の状態にも変化が見られました。
腎機能が低下すると、うまく排せつできない、尿素窒素の値が下がり、改善
していたのです。
同様に、塩味感度の低下による症状の悪化が見られたのは、高血圧患者や
急性心筋梗塞患者。
これらの病気の治療にも、塩味感度の改善を取り入れています。
更に塩味以外の味覚、うま味や甘味など、他の味覚についても検査する事で
早期の治療や予防につなげようとしています。
病院の医師は、言う。
“甘味に鈍い人というのは、あまり野菜を食べていないという事が分かって
来ました”
“更に、うま味に鈍い人は、甘党で甘い物が好きなうえ、肥満の傾向がある
という事が分かって来ました”
“1つずつ、日常診療のヒントになるのではないかと思って、更に追究している
ところです”
注目される、味覚と健康の関係。 この後、更に詳しくお伝えします!
味と病気の治療って、こんなにも密接に関わっているのですね!
医食同源という言葉がある様に、いち早く病気を治すにはやはり食事治療が
1番最初なのです。 (医食同源→医療も食事も本質は同じという考え方)
では、どういう風にするかというと、まず、素材選びです。
やはり野菜でも、ちゃんとした土壌で作ったものは、それだけで美味しいし、
後は昆布とカツオで調理すると、お塩は、ほとんど不要です。
素材の味を感じる事が大事! ダシや味付けに化学調味料を入れない。
なぜ、味覚改善が、体全体の健康につながるのか?
そもそも味覚というのは、どんな食べ物が体に入って来たか?
最初に感じる、センサーの役目をしているのです。
甘味は、エネルギー源の元となる糖。 塩味はミネラル。 酸味は腐敗物。
苦味は毒。 うま味はタンパク質。
その情報が脳に伝わると、消化器官の準備が促されます。
だから、味覚が正常になると、連動して消化器官が、良い影響が出るという
事なのです。
ただ、甘味に関しては、味覚で甘味を感じただけで、脳で脳相分泌という現象
が起きます。 (脳相→消化酵素などの分泌を促すこと)
それで感じただけで、インスリンが、すい臓から出てる。
(インスリン→糖の吸収を促すホルモン)
すると、腸で吸収された糖分が、速やかにインスリンによって細胞に取り込ま
れるので、食後の血糖値の急上昇がない、という事なのです。
脂肪味でいうと、どうなのか?
脂肪は、やはり脳相分泌で、すい臓でリパーゼ作られてますが、それが準備
されるという事です。 (リパーゼ→脂肪酸の消化を促す酵素)
つまり、しっかり味わって食べるというのは、味覚によって、体に食べ物や
飲み物を受け入れる準備をさせるという事なのですね!
正常な味覚を保つためには、日々の食生活が重要だと、専門家は指摘して
います。
“味覚というのは、日常の食生活の中で変わるのです”
“朝食を食べなかったり、あるいは急いで食事をするなど”
“味に関しては、非常に辛いものとか、刺激的な味の濃いもの”
“そういうような、いわゆるジャンクフード・外食・弁当・総菜・レトルト・冷凍・
カップ・缶詰・インスタント類などを、日常、食べている”
“本人が気付かないままに、だんだん味覚障害が進行して重篤になって行く”
幼い頃から、味覚を育てようという取り組みがあります。
幼稚園や小学校を対象に、歯科医師などが行う味覚教室。
味付けをしていない野菜を食べてもらい素材が持つ繊細な味覚を感じ取れる
ようにするのが狙いです。
この日は、キャベツと白菜の味の違いを体験!
味覚だけに集中できるように、目隠しをしてもらいます。
“両方を食べ比べてみて、どこが違うかな? どんな味がした?”
‘白菜は、ちょっと苦かった’
“じゃあ、お口の中で、よ~く噛んでみると、どんな味になった?”
‘甘い! 甘くなって来た’
味覚教室を行っている歯科医師会の会長は、言う。
“味覚をしっかり知る事によって、美味しさを広げて行く”
“好き嫌い無くというのが、小さい頃からやらないと、大人になってから変える
のは大変なのです”
味覚教室に参加していた男の子の家を訪ねました。
2歳上の姉も、2年前に味覚教室に参加。
苦手なニンジンも、食べられるようになったといいます。
母親: どう? どんな味? “甘いのと苦いのが混ざって、美味しい”
母親は、言う。
“まずいと思っていた中に、1個でも美味しいところを気付ければいいのかな”
皆さん、日々の食事の中で、味覚を意識していますか?
毎日、味を大切にして生きるためには、何が必要なのでしょうか?
まずは、よく噛んで食べる事です。 よく噛むと、唾液がたくさん出るのです。
たくさん出た唾液の中には、消化酵素が入っています。
そこで分解されて、栄養素が初めて味覚になるわけです。
なので、しっかり噛んでもらいたいです。