第2117回「あなたの一番古い記憶はなんですか?」こちらのIT企業、20年以上使って来たオフィスを、今月いっぱいで閉鎖して、
完全テレワークに移行する事を決断しました。
ウィズ・コロナ時代。 私たちの働き方が、大きく変わり始めています。
IT企業の社長は、言う。
“1番、大きく変わるのは、やはり会社に来なくなる。 通わなくなる”
“社員の交通費など、全て込みなのですが、約300万円のコスト削減”
“今後、オフィスにこだわる必要がないのではないかと…”
こちらのソフトウェア開発会社。
テレワークの導入とともに、なんと中間管理職を廃止。
ソフトウェア開発会社の社長は、言う。
“役職がついている人は、1人もいないですね”
“課長とか、部長とか、誰もいません…”
上司が部会に対し、業務を割り振る事も、人事評価をする事もありません。
“無駄な事 = 管理の仕事に時間を使わず、成果に直結する仕事に時間を
費やせて、そして成長をずっとして行ける場所を作る”
会社革命の波は、日本を代表する巨大企業にも。
大手企業のシニアマネージャーは、言う。
“会社として週休3日を実現しようと動いていて、我々も、それに沿って、どう
運用して行こうかと検討している”
ものづくりの現場で、週休3日制の導入を検討するなど、ゼロベースで業務の
見直しを始めています。
大手企業の社長は、言う。
“変化に対して、いかに適応する能力があるか”
“世の中は確実に変わるので、それが大きな進歩に繋がる事は間違いない”
ウィズ・コロナ時代の会社革命。
あなたの仕事は、どこまで変わるのでしょうか?
新型コロナの感染拡大をキッカケにテレワークを導入し、業績を大幅に伸ばし
ている、社員およそ50人の企業です。
CEOは、言う。 “過去最大の月間の契約件数になりましたし、売り上げも、
過去でもトップのところまで来ています”
業績を伸ばす事が出来た鍵は、業務の徹底的な見直しです。
この会社は、顧客企業の新規開拓を支援するビジネスを展開しています。
これまで、外回りを担当していた男性です。 今では、商談は全てオンライン。
名刺は、パソコンの背景画像に。 契約に必要なハンコも…。
“ここに、会社名を入れるだけで、印鑑が押されたという形になります”
1日の時間の使い方も、大きく変わりました。
以前は、通勤や移動時間などに、平均4時間以上費やしていました。
その時間を、商談先に提示する資料の作成や、これまで担当していなかった
企業のアポ取りなどに、あてられるようになりました。
アポ取りから商談まで一貫して対応できるようになった事も功を奏し、男性の
成約率は、7%から32%に上昇。
ひと月の契約件数は、過去最高の7件に伸びました。
“1つの商談に対する準備の時間や、向き合う時間が増えたので、クオリティ
の高いものを提案できる”
“やっぱり働き方というか、自分が今までどれくらい無駄な時間を過ごしていた
のか見直せたので、そういう意味では、いい転機というか、良かったのかなと
思いますね”
一方、従来のやり方を根本から変えた事で管理職の負担が増すという課題も
浮かび上がって来ています。
15人のチームをまとめる、マネージャーの男性です。
テレワークで業務の割り振りや進捗状況の確認を、どう行うべきか、頭を悩ま
せていました。
“1つ仕事を、お願いしますと言った時に、理解度が人によって違うのだなと
いうのを、改めて感じる事が多くなりました”
“ワン・トゥ・ワンでコミュニケーションを取らないと、遅れが出てしまう社員が
いたり、なかなか足並みが揃わないので、そこはかなり難しいところかなと”
男性は、1つ1つの業務を見える化するために、毎日1時間半かけて作業の
工程表を作成。 部下へのメールや、ミーティングの頻度も増やしました。
以前に比べ、男性の業務量は大幅に増えているといいます。
“裏側の努力は離れていると分からないですし、悶々とするようなタイミングは
もちろん、なくはないですよね…”
テレワークでの仕事ぶりを、どう評価すればいいのか?
この会社では、目に見えにくい部分をすくい上げるために、ある工夫を凝らし
ました。 月に1度、社員全員が画面上に集まるミーティングが始まりました。
ここで、1カ月間の評価も決まります。
社員の仕事ぶりを互いに評価し合う、毎月の会議。
その過程で新たに導入したのが、この 自慢シート です。
左側には、営業の成約数など、数字で示す事ができる成果。
右側には、数字で表しにくい工夫や努力などを書き込みます。
この自慢シートは、オンラインで全社員に共有されます。
会議では自慢シートをもとに、その月の表彰者を、社員たちが投票して決める
のです。
“2020年5月度のCS(カスタマーサクセス)賞は、マネージャーです!”
部下とのコミュニケーションに奔走したマネージャーも、表彰者の1人に選ばれ
ました。 社員の管理や評価に手間が掛かるテレワーク。
どう改善させて行くか、模索を続けています。
CEOは、言う。
“完璧な評価制度は絶対なくて、どの会社でも誰かが不満だったり、そういう
ところを抱えていて、僕たちの会社も全く同じところで、この期間で会社が
どんどん改善して行ったように、評価制度そのものも、これからも改善して、
会社としても成長して行きたいなと思っています”