第2118回「FC2ブログを始めてどれくらい経ちますか?」関東地方のとある街。部屋中に大量の段ボールが積まれた住宅があります。
Q: 段ボールは、どこから届くのですか? “アマゾンですね…”
“返品された商品に新しいラベルを貼って、またアマゾンの倉庫に入れます”
返品された商品を一時保存する、物流拠点だといいます。
“全部、中国製だと思いますね…”
新型コロナウイルスによる自粛生活で一気に売り上げを伸ばしているインター
ネット通販。 取り引きの急増に比例して、商品を巡るトラブルも増えています。
‘マスクのひもが、ポロッと、とれてしまう…’
‘非接触式の体温計が、いつも同じ温度しか示さない…’
消毒液用スプレーボトルを購入した医師は…。
“消毒液を入れて、噴霧してみたのですが、全く噴霧されず、うんともすんとも
言わないのです… 結局、もう、泣き寝入りという事ですよね…”
国民生活センターに寄せられた相談は、およそ6万件と、去年の同じ時期の
2倍近くに増えています。 ネット通販の背後に広がる、深い闇。
なぜ、怪しい商品が後を絶たないのか? その裏側に迫ります。
ネット通販の出品者を審査する立場にあるサイト側、どう対応しているのか?
アマゾンのアメリカ本社に取材しました。
アマゾンの不正対策統括の担当者は、言う。
“アマゾンでは、多くの商品で、出品者に仕入れ先や安全検査資料の提出を
求めています”
“その結果、去年は悪質な出品者250万と、疑わしい商品60億個を販売前に
差し止めました。 しかし、まだ完全でないと認識しています”
“今後も技術を開発し、信頼されるサイトを目指します”
楽天やヤフーでも不正な出品がないかパトロールを行っていて不正があれば
販売停止にするなどの対策を行っているという事です。
それにしても、60億個も販売差し止めしているなんて、すごい数なのですが、
頑張っているのか、もっと何とかできないのか?どう受け止めたらいいのか?
これはネット通販だけに限った話しではないのですが、今までは多くの企業は
データを使って、いかに利益を上げるかという事に主眼を置いて来ました。
例えばSNSで言えば、フェイクニュースが多少吹き荒れててもコミュニティーの
やり取りが活発になれば、それで広告が回るのです。
あるいは通販で言えば、玉石混交だったとしても、多くの商品が出品されて、
マーケットが活発になった方が、売り上げが取れる。
こういう事が、多少なりともあったと思うのですが、これが市場における彼らの
占有率が上がり、そしてコロナ渦で生活の基盤そのものを支えて行くという
中で、やはり社会的な役割が、これまで以上に高まっているのです。
そうした中では、やはりプラットフォーマーと呼ばれる彼らは、自社の利益だけ
ではなくて、持続可能な社会への貢献の中で、ビジネスを成立させなければ
いけない。
先ほど、アマゾンの担当者がお話しされていましたが、60億個というのは、
世界の人口に匹敵する数字ですし、非常に重要な1歩だと思います。
一方で、業者とのイタチごっこというのは続いていて、まだまだ対策は、
これから行う必要があるというところですね。
ただ、販売差し止めの対策にも、そこに抜け道もある事が分かって来ました。
そもそもアマゾンで、どうやって商品が売られているかというと、日本で商品を
売りたい出品者の多くが、一旦、日本国内のアマゾン倉庫に商品を預けます。
そして注文が入ると、この倉庫から商品が消費者の元に届けられるのですが
ここで、不良品であったり、出品者に不正が見つかった場合には、倉庫にある
関係する商品、全てを出品者に差し戻すという事をしています。
ところが取材をしてみると、この対策をくぐり抜ける手口が見えて来ました。
ネット通販の物流拠点?
ネット通販の謎の物流拠点があるとの情報を得て向かったのは、関東郊外の
住宅街。 住人の許可を得て中に入ると…。
住宅の中には、所狭しと段ボールが積み上げられていました。
Q: この荷物は、どこから届くのですか? “アマゾンですね…”
“(倉庫からの)返品で来ているみたいなのです…”
“ほぼ、たぶん、全部、中国製だと思いますね…”
受け取る商品は、家電やブランド品など、多い日で、900個近く。
実は、仕事は、それだけではありません。
Q: これ、どうされるのですか?
“上から新しいラベルが来るので、それを貼ります”
Q: これから、この上に、ペタッと? “そうです。 そうです”
“このまま新しいラベルを貼って、またアマゾン倉庫に入れます”
中国人の知り合いから頼まれ、ラベルを貼り替えていますが、詳しい事情は
分からないといいます。
指示が送られて来るのは、中国のSNSで WeChat 経由。
詳細を聞くため、中国に連絡をしてもらいました。
しかし、送られて来た返信は…。
“私には関係ない事だ。 君も関わるな。 金がもらえないなら時間の無駄だ”
ラベル貼り替えの目的は、何なのか? その事情を知る人物がいました。
海外を拠点に、年商11億円を売り上げるベテラン日本人出品者。
出品者同士のコミュニティではラベル貼り替えは、よく聞く手法だといいます。
“1つ考えられるのは、アマゾンの規約違反みたいな事をすると、アマゾンの
出品停止を食らってしまう”
“アマゾンで出品停止されてしまったら、もう、その商品は再出品できないので
別の出品者の別の商品として出すために、アマゾンのラベルを貼り替えている
という感じだと思います”