第2117回「あなたの一番古い記憶はなんですか?」今、その姿を大きく変えようとしている、大都会・東京。
その訳は… 建設ラッシュ!
東京オリンピック・パラリンピックに向け、巨大な建築物が、次々に登場!
世界に誇る日本の技術力を探る、驚き日本の底力!今回は建築を大特集!
渋谷駅の真下で行われていたのは、100年に1度といわれる再開発工事!
なんと! 地下25メートルで、謎の巨大施設が建設中だった!
56年ぶりに大改修が行なわれた、日本武道館!
最大の難関は… 屋根の総張り替えだった!
重要な役割を担ったのが、屋根板をつなぐ不思議な構造の部材!
風や雨に負けない、驚きの発明とは?
頭上で車が走る中、ひそかに、ある工事が行なわれていた。
実は、大地震から首都高を守る秘密の装置が、据え付けられようとしていた
のだ!
建築に秘められた、ニッポンの底力を探るべく、今回、東京建築バスツアーを
敢行! 建築王国物語。 今回も、日本人の底力を発見します!
さて次は、湾岸エリアを抜けて、都心に入って行きます。
レインボーブリッジを渡っております。 そして、港区に入って来ました。
次は、かつて日本の景色を、ガラリと大きく変えた、あの建物です!
1958年に完成した、東京タワー。 高さ333メートル。
鉄塔として、当時、世界一の高さを誇りました!
その高さを作り上げるためには、日本の職人たちの驚きの技が欠かせません
でした。 突然、空中から飛んで来た、ある鉄の部品をキャッチした職人。
実はこれ、リベットと呼ばれるもので、高温の状態のまま打ち込んで鉄と鉄を
つなぐのです。
現場で熱したリベットは、冷めないうちに、すぐ職人に放り投げます。
高さ、数百メートルで行う… 正確な鉄のキャッチボール!
そして更に、高所の作業で役立ったのが、職人が履いている地下足袋。
今は安全靴が多くなりましたが、この地下足袋には優れた特徴がありました。
それは、足の裏のゴム底!
薄くて、やわらかい為、まるで素足のような感覚が得られ、現場に落ちている
危険なものに、すぐ気が付く事ができたといいます。
こうした昔ながらの職人たちの知恵と技が世界一のタワー建設に一役買った
のです。
という事で、今度は、千代田区に入って来ました。 次は、日本武道館です。
こちらは、日本武道館の工事の責任者の方です。
今回、どのような工事をされているのですか?
“今回、初めて、大改修をやっているところでございます”
前回の、東京オリンピックの時に建てられて以来という事ですね。
それから、初の、大きな改修という事になるのですよね? “はい”
今回、この改修で、1番大変だったところというのは、どこですか?
“強いて言えば… 上ですかね…” え? 上? 上ですか?
“では、現場で最も詳しい人を紹介します”
1番、大変だった、ある現場を担当されました、副部長です。
“作業現場に、ご案内しますので、この作業用エレベーターに乗ってください”
着いた場所は、屋上も屋上、1番上の屋根のところです。
今回、この武道館の改修工事で、この屋根が、1番、大変だったのですか?
“はい。 今回、改修で、この金属屋根を… 全て、張り替えました”
続いては、日本武道館の屋根張り替えを成功させた、ある特別な技術の開発
物語です。 建築王国物語、ニッポンの底力、ポイントは、このVの形です!
日本武道館の建設が始まったのは、東京オリンピックを翌年に控えた、
1963年10月。
屋根には、やわらかく施工がしやすい、銅板が使われていました。
建設から56年が経過する事になり、建物は老朽化。
中でも屋根は、全面改修を余儀なくされたのです。
日本武道館の常任理事は、言う。
“大屋根の美しさ。 もうこれは、見事な日本の伝統の美だと思います”
“それを生かしました”
“特に、大屋根については、安全性ですね。 それから軽量化”
“これを徹底しようという事で… ステンレス化を図りました”
屋根の改修工事が始まったのは、2019年9月。
屋根の材料をステンレスに変える事で、187トンあった重量は、139トンに。
48トンもの軽量化が図られます。 銅板を剥がすと、現れたのは木材。
更に、木枠を剥がしてみると… 中には、石のようなものが。
屋根の現場を担当された副部長は、言う。
“こちらの石に見えるものは、防腐剤で使われていました”
“手で潰れるぐらいの硬さですね”
“新築当時に、この角材の上に入れて、木が腐らないように…”
大量の防腐剤でも、木材の腐食は防げませんでした。
それは、至る所に、銅板同士のつなぎ目が、あったからでした。