FC2 トラックバックテーマ:「おうち時間中、手に入れた、上達したスキルは?」高速道路の足元で、こんな工事が行なわれているとは、知らなかった!
しかし、この足場というのは、下から組んでいるものではないので、みなさん
重いものは床に置かないのだそうです。 床に置いたら、抜けてしまうという。
大きい空中ブランコなので、人間も、3人くらいかたまっていると、バラけて
くださいみたいな…。
では、最新の秘密兵器とは、どうやって地震から道路を守ると思いますか?
足場の床に穴を開け、クレーンで下の道路から秘密兵器を持ち上げる。
Q: 鉄の塊かと思いきや、何か、結構、複雑な作りになっていますね。
これは、一体、何なのですか?
“これは、摩擦ダンパーというものになります”
“これを橋脚と橋げたに取り付ける事で耐震性能が大きく改善されるのです”
Q: これ1つで、そんなに違うものなのですか? “はい!”
首都高の耐震性能を、飛躍的に高める、摩擦ダンパー。
重さが620キログラムもあるため、レールのついたクレーンで吊って、移動
させる。 まず、この摩擦ダンパーを、橋げたに固定する。
橋脚にも固定して、取り付けが完了!
かかった期間は、準備の工事も含め、18日。
Q: これ、どのくらい、地震の揺れを軽減できるのですか?
“最大で、60%まで地震のエネルギーを吸収する機能を持っています”
高架橋が大地震に襲われたと設定。
その揺れの大きさを、摩擦ダンパーが、ない時と、ある時とで比較。
すると、ある方が、揺れを60%ほど抑えられる事が分かった。
高い耐震性能を持つ、摩擦ダンパー。 実は、元となるものがある。
最近、よく見かける、鉄筋コンクリートのビルに取り付けられた、V字型の棒。
棒の付け根の部分にあるのが、建築用の摩擦ダンパーだ。
大きな揺れの時にだけ伸び縮みし、地震の揺れを、およそ50%抑える事が
できる。 それによって、建物の倒壊を防ぐのだ。
摩擦ダンパーを開発したのは、つくば市にある、こちらの研究所。
訪れた際は、出荷する前の性能検査を行っていた。
この摩擦ダンパーの開発が始まったのには、キッカケがあった。
1995年1月の阪神・淡路大震災。
震度7の激震に襲われた神戸では、多くのビルが倒壊した。
鉄筋コンクリートは、小さな地震では、ふんばれる。
だが、大きな地震では、地震のエネルギーを吸収できず、倒壊してしまう。
何とかビルの倒壊を防ぎたい!
その難題に挑んだのが、当時、研究所員だった教授。
“小さな地震の時には変形せずに、大きな地震が来て、鉄筋コンクリートの
建物が壊れる前に、地震のエネルギーを吸収するような装置が必要だと考え
ました”
教授が目を付けたのが、ある身近な力だという。
“摩擦というのが、1番、滑るまでは非常に硬いのですが、あるところで、グッ
と滑ってエネルギーを吸収する”
例えば、シャンパンなどのコルク栓。
なかなか抜けないが、力を加え続けると、ポンッ!と抜ける。
瓶と、押し込まれた太い栓の間には、摩擦力がある。
だから、なかなか抜けない。
だが、摩擦力を上回る大きな力を加えると、スポッ!と抜けるのだ。
これは摩擦ダンパーの心臓部。 そのメカニズムも、シャンパンの栓と同じだ。
金属の芯棒に、内径が0.1ミリだけ細いリングを、無理矢理、押し込む。
芯棒は、リングに締めつけられて、摩擦力が生まれる。
“普段は、これ、一切、動きません”
“大きな地震が発生して、大きな力が加わると、ここがグッと滑るという仕組み
です”
“最初に小さな力で叩いても、リングの位置は、全然、変わらない状態です”
“今度は、大きな力で叩いてみます”
“そうすると、最初の位置から、リングが滑っているのが分かるかと思います”
“これが地震の時は、繰り返し滑る事で、地震のエネルギーを吸収するという
仕組みになっています”
教授たちは、このアイデアをもとに、世界初のリング式摩擦ダンパーの開発に
挑んだ。
芯棒が曲がったり折れたりと、失敗の連続だったが、3年後、ついに実用化に
成功!
そして今、この会社では、マンションや学校などに、摩擦ダンパー4000基を
設置。 建物の耐震性能を高めるのに、大きく貢献している。
一方、首都直下型地震が心配されている、首都高。
耐震性能を高めたいと、この摩擦ダンパーに白羽の矢を立てた。
しかし高速道路では、建築用の摩擦ダンパーより、大きな地震エネルギーの
吸収が必要となる。 最終的に、これほど違う大きさになった。
建築用のものは、重さ120キログラム。
それに対し、高速道路用は、680キログラムだ。
摩擦ダンパーを開発した研究所の所長は、言う。
“非常に大きくて、重くて、開発するのに時間がかかったという事が、ご理解
頂ければなという風に思います”
開発にかかった期間は、実に3年半!
橋を模したもので、大地震時の揺れを再現。
およそ60%もの揺れを、抑えられる事が確認できた。
“想定される、首都直下型地震が起きても、橋梁が倒壊する事は、まずない”
阪神・淡路大震災では、635メートルにわたって、阪神高速道路が倒壊。
救助活動や復旧に、大きな支障が出てしまった。
今後、首都高では、摩擦ダンパーを取り付ける等、更に耐震化工事を進めて
行く予定だ。
大地震に襲われても、損傷を抑え、車両の通行が続けられる事を目指す。
今回の工事の技術開発を主導した責任者は、言う。
“災害の復旧が早まったり、助けを求める人達に、早く災害復旧の車が届く”
Q: では、これから取り付けの方、頑張って下さい! “はい、承知しました”