FC2 トラックバックテーマ:「プレゼントで貰った少し変わったものを教えてください」午前0時20分。 最終の回送バスが、ターミナルを出発。
実は、試掘を行うポイントは、大通りの、ここなのだ!
せきを切ったように動き出す、工事関係者。 車の流れが途切れると…。
一瞬にして規制線を張り、工事スペースを確保する。 とにかく、急ぐ!
これも、渋谷が工事の難所と呼ばれる理由の1つ。
巨大ターミナル駅の機能を止める事はできないため、始発バスが走り出す
朝の6時までに、工事を終わらせなければ、ならないのだ!
まずは、地下への扉を開く。
工事箇所の仮蓋、覆工板という、500キログラムはあろう鋼鉄の板を外す。
覆工板の下は、土留め板と、それを支える突っ張り棒があって狭い。
職人たちは、自由に動く事もままならない、この中で、試掘を行なわなければ
ならない。 幹線道路の交差点付近は、ライフラインの密集地帯!
この一帯には、電気とガスの埋設管、そして駅の排煙管が折り重なるように
埋まっている。 特に入り組んでいるのが、この部分!
ここに、取水管の設置工事に必要な杭を打ち込むに支障がないか? 試掘で
調べるのだ! 作業は、全て手掘り!
万が一にも、重要なライフラインを傷つけてはならない為、重機は使えない。
気の遠くなる作業だ! まずは、1つ目の杭の位置を試掘。
地上から1.6メートル、掘り進むと… やおら職人が、手で掘り始めた!
ガス管が現れた! 現場に緊張が走る!
“このガス管というのが、ちょっと、こっちに寄っている…”
“そうすると、ここが(杭を)打てるがどうか、非常に微妙な位置なので…”
実際のガス管の位置が、杭を打ち込む場所に食い込んでいるのだ!
杭の位置をずらせないものか? 慎重に周りを掘ってみるが…。
“コンクリートある? コンクリート? そっち側…”
“これ、巻きコンでしょ。排煙管の! 排煙管の防護コンクリート。ダメだな…”
どちらにも、コンクリートの壁があって、ずらす事ができない!
という事は、もう1カ所の杭の位置も、マズイのではないか?
“排煙管って、どれぐらいの深さ?”
‘こっちの方が深いです。 2メートルぐらいはあると思います’
かなり深いが、今の土留めで安全に掘れるところまで一気に掘り進めて行く。
すると、やおら 金属の棒らしきものが、職人に手渡された。 これは…?
“探針棒… 探す棒…”
土に刺した時、手に伝わる感触で、下に硬いものがあるかどうかを探り当てる
のだ。
ベテランの職人が深さ2メートルの穴に下り、探針棒で、目に見えない地下の
様子を探る。 あっ!何かに突き当たったようだ。 先端の付着物をチェック。
全神経を手に集中し、周囲も調べる!
“排煙管がある? コンクリート! じゃ、ダメだ…”
この日の試掘では、予想外の障害物が明らかになり、取水管工事の計画を
一部、練り直す事となった。
午前3時過ぎ、いまだ交通量の衰えない道路脇で作業が終わろうとしていた。
周囲の動きを止める事なく、粛々と作業を進めるのが、彼らの流儀。
その流儀は、地下深くで行われた、貯留槽本体の工事においても発揮されて
いた。 壁1枚隔てた向こうを、地下鉄が走る中での工事。
しかも、2つの路線に挟まれているのだ。
地下鉄の運行中は、震動や騒音を伴う作業が出来ない。
夜中、数時間のみの工事が続き、8年もの期間がかかった。
プロジェクトマネージャーは、言う。
“もし、駅の機能を止めて、工事をやる想定なら、仮に、そういう想定だった
場合には、3~4年もあれば、貯留槽の完成は出来たのではないかなという
風には思います”
例え、時間がかかろうとも、駅の機能は決して止めない。
その心意気こそが、時間的・空間的に制約だらけの難工事を乗り越え、
巨大な地下貯留槽を作り上げる原動力となった。
渋谷を、水害に負けない街に!
職人たちは、己の技と誇りをかけて、今宵も土と闘う!
次は、地下25メートルから、地上229メートルの世界にやって来ました!
(渋谷スクランブルスクエア)
ここからは、渋谷の街が一望できます。 とてもキレイです!
今回は、東京の姿を変えて行く、すごい建物を、さまざま見て来ましたが、
みなさん、いかがでしたでしょうか?
今回、ふれた建物が、全て、すごかったのに、ひょっとしたら、もっとすごい
建物があるのではないかと思いました。
後は、やっぱり、高速道路ですかね。
あんな縁の下の力持ち事情を知ってしまったら、高速道路を走る時は感謝の
気持ちで走りたいなと思いました。
そして職人たちは、皆、見た目は怖かったけど、真っ直、ものづくりに向かって
いるという、いいものを造りたいというパワーをもらいました。
展望台から見える美しい景色は、全て、ニッポンの底力が成し遂げた景色!
この無数のニッポンの底力が、あってこそだという事を、今日は知りました。