FC2 トラックバックテーマ:「去年の今頃は何をしていましたか?」赤々とした太陽が、ジリジリと肌を焼く、悠久の砂漠。
静かに佇む、巨大な姿があります。 世界遺産の三大ピラミッド。
かつて、3000年に及ぶ栄華を極めた、古代エジプト。
その黄金時代を象徴するピラミッドは、時を超えて世界中の人々の心を奪って
来ました。 中でも、見る者を圧倒する巨大な、クフ王の大ピラミッド。
はるか古に生み出された、驚異の文明の力。
いまだ多くの謎に包まれています。
観光客たちは、言う。
“あんな巨大な石を、どうやって積み上げたのか? 全く、想像できません”
“本当に大きくて、感動しました。 自分が小さく感じます”
“地球以外の生き物が、建てたんじゃないですか?”
今、最新の発掘調査で、大ピラミッドの全貌を解き明かす新発見が、相次いで
います。 その中でも、世界中を驚かせた、世紀の大発見!
それは、地中に残された、1000を超える、紙の断片。
エジプト最古のパピルス(文書)が、見つかったのです。
考古学者は言う。“大量のパピルスです。想像もしていなかった発見です!”
そこに記されていたのは、何千年もの間、神秘のベールに包まれていた、
大ピラミッド建造の記録!
大きな謎だった、建造方法や、建造期間の手掛かりが、ついに明らかに!
古代の採石場から見えて来た、世界最大の巨石建造物を生み出す、驚異の
テクノロジーとは?
今回、大ピラミッド建造の謎を解き明かすため、エジプトを訪れた日本人の
エジプト考古学者。
“この石とか、めちゃくちゃデカイですよね…”
最前線で活躍する世界中の研究者と、数々の発掘調査を行って来ました。
番組では、日本人のエジプト考古学者と共に、大ピラミッドにまつわる七つの
謎を完全解剖!
一体、なぜ?どの様にして?誰の手によって?大ピラミッドは誕生したのか?
今回、最新の研究成果をもとに、大ピラミッド建造の謎を解き明かす旅が
始まります!
大ピラミッド建造の時代。
それは、初めて、国という形が生まれつつあった時でした。
古代エジプトでは、周辺地域を巻き込む戦いが、次々に起きていました。
その原因となった1つが、ピラミッドの建造に関わるもの。
どのような戦いだったのでしょうか?
再び、最古のパピルスが見つかった、ワディ・エル=ジャラフです。
ピラミッドから、およそ200キロメートル。 紅海沿岸に位置する遺跡です。
なぜ、ピラミッド建造を記録したパピルスが、この地で見つかったのか?
パピルスを書き記した監督メレルは、この辺境の地で何をしていたのでしょうか?
古代エジプトの港町だった、ワディ・エル=ジャラフ。
10年以上にわたり発掘調査を行うエジプト考古学者と訪ねたのは、海沿いで
砂に埋もれて残されていた遺跡です。
“ここですよ。 建物が見事に保存されているのです”
そこにあったのは、砂の中から顔をのぞかせている、巨大な建物の跡。
辺り一面は、白い砂が広がる、荒涼とした世界。
長い歴史の中で、取り残されたように、ポツンと佇んでいます。
‘どうやって発見したのですか?’
“衛星写真の地図で、見つけたのです” この建物の正体とは…。
“この建物がピラミッドのふもとの町にあった建物と、同じ様なものである事は
明らかです。 メレルや労働者が、営舎として使っていたのだと思います”
海沿いに建つこの建物は、寝泊まりするための施設、いわば駐屯基地だった
と考えられています。
メレルたちが、海沿いの、この場所に、拠点を構えた理由。
近年、その答えが、明らかになって来ました。
“ピラミッドを建造するには、大量の銅が必要だったのだと思われます”
ピラミッドに必要だったという、銅。
海を渡ったシナイ半島の銅鉱山から入手していました。
“ここは、海を40キロメートルほど渡れば、すぐに鉱山に到達できる”
“とても便利な立地でした”
この時代、鉄は、まだ、広く使用されていませんでした。
最強の金属として、君臨していたのが、銅でした。
ピラミッドの巨大な石を切り出すため、銅器具は、欠かす事のできない重要な
役割を担っていました。
これは、当時、どのようにして銅の精錬を行っていたのかを調べる再現実験
です。 銅の鉱石を窯に入れて、熱を加えて行きます。
そこに、燃料として入れるのは、なんと、ロバのフン!
こうする事で、ゆっくりと温度を上げて、純度の高い銅を精錬。
さまざまな器具を作る事ができたと、考えられます。
しかし、実際に銅のノミを使い、石を切り出してみると…。
やわらかい金属である銅は、あっという間に擦り切れて使えなくなってしまい
ました。
石を切り出すためには、消耗の激しい銅を、大量に手に入れる必要があった
のです。
“このような港は、シナイ半島の鉱物を採掘するために、とても重要でした”
“ここに作業員のチームを、数カ月間、配置する事で、大量の銅を採掘し、
十分な量を確保したのです”
この当時、シナイ半島で採掘された銅は、1つの鉱山で10万トンを超える量
だったといわれます。
ピラミッド建造に欠かせない、膨大な量の銅を調達する事。
それこそメレルたちが、この海辺に拠点を置いた理由だったのです。
しかし辺境の地で銅を集める事は、決して簡単なものではありませんでした。
周辺地域との戦いに直面する危険なものだった事が、最新の調査から見えて
来ました。
その鍵となるのは、最古のパピルスの発掘現場で、新たに発見された無数の
横穴です。
人の手で掘られた横穴の入り口には、よく見ると、石灰岩を切り出した大きな
岩が置かれています。 一体、どういう事なのか?
‘ピラミッドに使うような、巨大な岩が、たくさんありますね’
‘このブロックは、何ですか?’
“これこそ、この遺跡で、最も興味深い特徴です”