第2121回「去年の今頃は何をしていましたか?」ウワサにすぎなかった山下財宝が、本当に見つかったというのだ!
黄金に輝く仏像、ゴールデン・ブッダ!
モノクロ写真なのが残念だが、純金製だという。
更にゴールデン・ブッダは、首の部分が外れる構造になっており、その中には
宝石がぎっしり詰まっていたという。
発見したのは、地元の26歳の青年。
ある日、青年を訪ねて来た元日本軍兵士が、地図を見せながら、こう告げた
という。
バギオの町から人里離れた洞窟に、山下財宝の一部が隠されている。
その言葉通り、青年が洞窟を掘り進めると…。
黄金に輝くゴールデン・ブッダを発見!
更に、金の延べ棒を1トン以上も、掘り当てたというのだ!
報道によると、財宝の価値は、10兆円以上!
こうして注目を浴びたゴールデン・ブッダの存在が山下財宝の実在を証明する
決め手になったと言われている。
その後、フィリピンでは、宝の地図と称するものが、続々と現れる。
いずれも、日本軍の基地を示しているのだろうか?
日の丸らしき絵に加え意味不明の日本語やイラストが描かれ、宝の在りかを
示すヒントだと信じられている。
その結果、現在、山下財宝のウワサはルソン島だけでなく、フィリピン各地に
170カ所以上!
総額… 数十億円から、600兆円とまで噂が膨らむ状況になっている。
数多くのトレジャーハンター達が、一攫千金を夢見て人生をかける山下財宝。
果たして… 山下財宝は、実在するのだろうか?
私は山下財宝なんて知らなかったのですが現地フィリピンでの現実感のある
信じられ方に、ビックリしました!
でも… 戦争の時代から始まって、今まで70年以上。
色んなウワサが絡み合っているようで、ちょっと話しが複雑な感じがします。
その辺りを整理するために、専門家のみなさんに伺ってみましょう!
Q: 私も山下財宝なんて全く知らなかったのですが有名な話しなのですね?
はい、有名な話しですね。
私も、30年ちょっと前でしょうか、もう、色んな人から誘われて現地に。
トータルで、日本人が200人ぐらい行ってた時期があるように聞いています。
山下財宝を、ハントするために。
現地のタクシーの運転手さんが、日本人だと分かると、あなたもヤマシタ・トレ
ジャーかい?と、聞いて来たそうです。
私は20年・30年前に、農村調査等々を、よくやっていたのですが、しばしば、
地図を持って来て、現地の方が。
こういうものがあるのだけれど、一緒にやらないか?という事を言われたり。
ちょっと来てくれという事で原っぱの方に行きましたら、石がありまして、そこに
刻んだ印がありまして、これを解読してくれとか。
そういった話しは、よく聞きましたし、私のみならず、現地調査をしている人は
必ず、そういった経験はあると思います。
Q: 宝の地図。 あの辺り、専門家の方は、どう思いますか?
あれが、1番、怪しいところなのですよね!
普通は、日本の埋蔵金伝説の場合、暗号化していたり、複雑なのです。
そのものズバリは、書かないようにしてあるものです!
そうでもなさそうだし、かといって、分かりやすいかというと、そうでもない。
恐らく、日本人ではない。 少なくとも、後の人が作ったのだろうなという、
明らかに、そう思われるものが多くて、フィリピン人自身が、ある意味…。
それを、ひとつの笑いのネタというか、楽しみのネタにしているのか、あるいは
それが、もしかしたら売れるのかも知れない。
Q: 掘っている方が人生を変える。はい上がりたいという風に言っていました。
フィリピンは、割と格差が大きいのです。特に経済格差や所得格差が大きい。
それが構造的なものなので、日々の努力で解消されるとは限らない。
そうすると、何か非日常的な活動でチャンスをつかまないと、その格差から
抜け出られない。 そのため、宝を見つけるのは、1つの選択肢でもある。
Q: あと、ゴールデン・ブッダ像。 1970年に発掘された。
これで山下財宝が、一気に広まったわけですよね?
他に例はありませんが、私は、あの話しは、結構、信じている方なのです。
写真も残っていますし…。
フィリピンの歴史学者の先生方に聞いても、やはり、証拠がハッキリしてない
ので、ないとも言いませんし、あるとも断言できない。 そういう言い方ですね。
フィリピンの方の世界観は非常に面白いと思うのですが、ひと言で言いますと
見える世界、見えない世界。ある世界、ない世界という区別というのがそれ程
ハッキリしていない。
そうすると山下財宝も、あるかないか分からないですが、色んな話しが伝わっ
ている。
あるいは、あるというような証拠も、ポツポツと出て来ているという風になると、
当然、否定はできませんし…。
やはり、あるかないかという区別ではなく、あるのではないかという受け入れ
方になるのではないかと思うのです。