FC2 トラックバックテーマ:「プレゼントで貰った少し変わったものを教えてください」山下財宝は、実在するのか? 財宝伝説の原点。
それは1941年、太平洋戦争当初に生まれたウワサだ。
開戦直後、日本軍は瞬く間に、イギリス領のマレー半島・シンガポールそして
アメリカ支配のフィリピンを攻略。
1942年5月までに、東はニューギニア・ソロモン諸島。
南はインドネシア、西はビルマまで、広大な範囲を占領する。
日本軍はこうしたアジア各地で連合軍が残して行った軍資金や、占領地域の
財宝をかき集めていたと、人々はウワサする。 そして2年後の1944年10月。
山下大将は、第14方面軍司令官として、フィリピン・マニラに着任。
この時すでに、日本は各地で劣勢となっていたため、それぞれの地から
フィリピンに財宝を輸送。
1945年1月、山下大将は、アメリカ軍を迎え撃つため、自らのもとに集まった
財宝とともに、山岳地帯のバギオに移動したというのだ。
山下たちが、山岳地帯へと拠点を移す際に、何を運んだのか?
戦後の日本側の記録に残っている。
米ドル - 95万ドル。 ペソ銀貨 - 300万ペソ。 金銀塊 - 若干。
貴金属 - 若干。 砂金 - 30袋から40袋。
(著書 フクミツミノル 将軍山下奉文 より)
確かに通貨の軍資金は、現在およそ10億円以上に相当する莫大な額を輸送
しているが… 金銀や貴金属などは、若干。 砂金も、数が限られている。
このように、日本側の記録には、アジア各国でかき集められたという、莫大な
金銀財宝は出てこない。
一方で、山下たちが山間部に運んだ物資のリストには、金銀・貴金属類の
後に、聞き慣れないものが記載されている。
マル福金貨-7000枚から1万枚。 山下部隊に、金貨が存在したというのだ!
このマル福金貨とは、一体、何なのだろうか?
マル福金貨は、日本国内の古銭店でも、滅多に扱われない珍しい品だ!
古銭店の店主が言う。 “これがマル福金貨です…”
表に、福の文字が刻印されていて…直径は31ミリ、重さは、およそ31グラム。
裏面には、純金を示す、24金の品位表示されたコインである。
戦争中は通貨の価値が不安定になる為、価格が安定した金が重宝される。
(コロナ・ウイルスの時には、過去最高値を2度も更新している)
そこで日本軍が占領地での物資調達をする軍票として大量に鋳造したもの。
ノンフィクション作家は、山下財宝に注目し、1990年代に、1年にわたり、現地
フィリピンで、その正体を探った経験がある。
“山下財宝といわれるものが、金だった。 銀だったとか…”
“それから、ゴールデン・ブッダとか、そういう事は聞いていました”
“ですけど、僕は、それは、これも…”
“マルフクというのは、ヤマシタ・トレジャーの1つだろうと思ったのです”
確かに、第14方面軍の情報参謀として、山下の信頼を得ていた、掘栄三陸軍
少佐は、マル福金貨について、戦後、このように記している。
この金貨は昭和19年2月、マニラに輸送されたが、その量は金貨50枚ずつの
木箱入り10箱を単位に、頑丈な木枠で梱包、それが50梱包あったから、
2万5000枚の計算になる。 (著:掘 栄三/大本営参謀の情報戦記より)
日本からフィリピンに持ち込まれた時点で、25000枚。
現在の価値にして、およそ57億円のマル福金貨が、マニラには存在した。
また、山下部隊の経理部に所属していた、中口忠久さんは、ノンフィクション
作家の取材対して、マル福金貨を山岳地帯に運んだ時の事を証言している。
木箱はスギの木を使ったガッチリしたもので、内部も厚い仕切り板で三区画に
分かれており、そこにちょうど両替したばかりの硬貨の様に真綿でくるまれた
マルフクが整然と縦に並んでいた。ずいぶん重いものでした。
雑のう(リュック)の上に木箱を乗せ、ちょうど商人が荷を運ぶ時のように、布の
両端を肩に回し、胸の前で結んだ。 (山下財宝より)
しかし、山下たち第14方面軍が拠点に選んだ山岳地帯は、あまりに過酷な
現場だった。 奥へ進むほど広がる、険しい熱帯雨林のジャングル。
山道では、トラックなどは使用できず、物資は、兵士自らで運ぶしかない。
圧倒的な物量で攻めるアメリカ軍によって、物資調達の補給線も断たれる中
飢餓やマラリア・赤痢などで死者が続出。
輸送困難なマル福金貨の多くは山中に埋められ、その様子を現地の人達が
目撃。
これが財宝伝説の始まりではないかと、ノンフィクション作家は推測している。
“日本軍が撤退する直後から、日本軍が、ここにいたぞ!ここにいたぞ!と、
いうところを全部、掘り尽くしていたというから…”
“マル福金貨があるという事で、ヤマシタ・トレジャーに含まれるものだと思い
ます”
1945年9月1日。 山下大将は、バギオからおよそ160キロ離れた農村地帯
キアンガンで、僅か数人の側近とともに降伏。