FC2 トラックバックテーマ:「肌身離さず持っているもの」今回は、世界中の映画やゲームで大人気のゾンビ・カルチャーです!
ゾンビとか怖いの苦手!という皆さんの為に、グロテクスな表現は抜きにして
明るく、楽しく、元気が出るゾンビの話題にしたいと思います。
今、ゾンビが熱い! 映画やドラマ、アニメにゲームから、町おこしまで!
さまざまなコンテンツに、ゾンビが登場!
死体が動く… 地味なキャラクターが… なぜ、人気を呼んでいるのか?
世界が10年も夢中の、感動! ゾンビドラマ?
ゾンビがアイドル? ファン投票、1位のアニメ!
全ての原点、ゾンビの父が、生み出した魅力とは?
知られざる元祖ゾンビは、タダ働き? この男性が、実在のリアルゾンビ?
裁判所で議論した… ゾンビは、人間か? 否か?
人間の尊厳を巡る、ゾンビ論争とは?
日本が発信する、ゾンビ・カルチャーの魅力!
現代社会でゾンビが広げるエンターテイメント、その可能性に迫る!
ゾンビとはそもそも、自分の意思を奪われ、強制労働させられる哀れな奴隷。
例えば… ハウス! と、主人が命令すれば、犬が犬小屋に入る… といった
感じで、まだ、ゾンビ3原則が発明される前のゾンビなんて、ちょろいもの!
ゾンビを進化させた、3原則。 それは…。
1.人を襲って食べる。 2.食われた者もゾンビになる。
3.頭を破壊されるまで動き続ける。
1968年、映画監督ジョージ・A・ロメロの作品で初めて、ゾンビは私たちが
イメージする形へと進化した。 (ジョージ・A・ロメロ/1940-2017)
つまり、このゾンビ3原則さえ知らなければ、ゾンビは、いつまでも私の奴隷に
すぎない…。
ホワイト・ゾンビ以降、ゾンビは、いくつかの映画に登場するが、地味な悪役が
ほとんど。 ところが、1968年アメリカ。
ゾンビは、それまでの日陰者から脱し、突如、大ブレイクする!
映画、ナイト・オブ・ザ・リビングデッド。
世界で初めて、後に、ゾンビ3原則と呼ばれる定義による、ゾンビが登場した
作品だ!
監督のジョージ・A・ロメロは近代ゾンビの父と呼ばれ、ファンにとっては神様!
幼い頃から、映画やコミックでホラーに親しみ、映画監督への夢を持つように
なったロメロ。
14歳の時、叔父に買ってもらった8ミリカメラで、自主映画の撮影を開始!
その製作中… 火をつけた人形を、ビルから投げ落とした!
自分が求める映像のためには、遠慮なしのホラー愛。
28歳で仲間たちと手掛けた、ナイト・オブ・ザ・リビングデッドは、低予算の
白黒作品だが、ロメロの情熱がこもっていた。
映画の冒頭、街から遠い田舎に、親の墓参りに来た、きょうだい。
そこに… 出た! これが近代ゾンビ、歴史的な初登場!
遠くからでも、一目で分かる… 異様な歩き方!
ホワイト・ゾンビとは一線を画す、まさに… 歩く死体だ!
そして、誰に操られるでもなく、いきなり人を襲う!
当時、友人たちと小さな制作会社を経営していたロメロは、吸血鬼など従来の
モンスターにかわる新たなキャラクターを模索した。
‘死体を食べる宇宙生物なんていうのは?’
“宇宙生物の着ぐるみなんて作るお金がないよ!”
‘食われる死体は、顔を青く塗れば、何とでもなるだろうれど…’
“じゃあ、逆に… 死体が人を食べるのは、どうだい?”
低予算が生んだ、逆転の発想だ。
撮影当時を振り返って、ロメロは言う。
“私は、完全に新しいモンスターを作り上げたつもりだった”
“隣にいた人間が、急に人間を食べる化け物に変わる”
“私たちは、それらをグール(肉食鬼)と呼んでいた”
大勢のグールが、家に立て籠る人々を襲う、恐怖の一夜。
そこで怪物のキャラクターに、後に3原則と呼ばれる性格づけが行なわれた。
発明! ゾンビ3原則は、ここがすごい!
実はナイト・オブ・ザ・リビングデッドで方向づけられたゾンビ3原則は21世紀の
今でも、ゾンビものが娯楽としてウケる重大な秘密が隠されている。
ゾンビ3原則 その① → 食われた者もゾンビになる。
死体が動く根本的な理由は、最後までハッキリしない。
よって、なぜ襲われた者まで、生きる死体になるのか?
その仕組みも、全く不明!
目的も意味もなく、死体がよみがえり襲って来る理不尽さは…解決不可能な
絶望。
それまでの、悪者や怪物が意思を持って襲うホラーとは、一線を画す…新しい
恐怖感覚だった。
ゾンビ3原則 その② → 人間を襲って食べる。
それまでのモンスター映画にも、人を食べる怪物はいたが、ロメロは何か物足
りない。
そこで、精肉店で働く友人にお願いしたところ、余り物の鶏肉と豚の内臓が
手に入った! そうして撮影されたのが、この場面…。
鶏や豚の肉を、かじっているだけだが、これまでのホラーにない、おぞましい
シーンが誕生した!
日本在住の映画ライターの男性は、アメリカで公開当時、14歳で、この場面を
見て衝撃を受けたという。
“すごい映画だった… まぁ、怖かったけど、怖いだけじゃなく、リアルな映画
だった。 どんどん人間のパーツを取って食べて…”
“ちゃんと見たら、鶏とか豚の肉だったけれど、楽しかった”
“少し見ては、ダメなものを見ている感じもあった…”
そして、ゾンビ3原則 その③ → 頭を破壊されるまで動き続ける。
近代ゾンビは、どんなに体を撃っても、止められない。
動きはのろいが、手早く頭を破壊しないと、取り囲まれてしまう。
1体ずつは弱くても、ジワジワ迫る恐怖と、ちょっとした油断やミスが命取りと
なる緊張感は、それまでのモンスターには、なかったものだ!
ロメロのゾンビ3原則は、不条理で、残酷で、緊張感ある新しい恐怖を、しかも
低予算で生み出す事ができる… 大発明だったのだ!
ナイト・オブ・ザ・リビングデッドは、独立系の配給会社からドライブインシアター
などで公開されるや… 若者層を中心に大ヒット!!
続いて海外でも公開され、製作費11万ドル余りの映画が、3000万ドルもの
興行収入を記録! ロメロの近代ゾンビは、世界に羽ばたいたのだ!