第2121回「去年の今頃は何をしていましたか?」今回は、世界中の映画やゲームで大人気のゾンビ・カルチャーです!
ゾンビとか怖いの苦手!という皆さんの為に、グロテクスな表現は抜きにして
明るく、楽しく、元気が出るゾンビの話題にしたいと思います。
今、ゾンビが熱い! 映画やドラマ、アニメにゲームから、町おこしまで!
さまざまなコンテンツに、ゾンビが登場!
死体が動く… 地味なキャラクターが… なぜ、人気を呼んでいるのか?
世界が10年も夢中の、感動! ゾンビドラマ?
ゾンビがアイドル? ファン投票、1位のアニメ!
全ての原点、ゾンビの父が、生み出した魅力とは?
知られざる元祖ゾンビは、タダ働き? この男性が、実在のリアルゾンビ?
裁判所で議論した… ゾンビは、人間か? 否か?
人間の尊厳を巡る、ゾンビ論争とは?
日本が発信する、ゾンビ・カルチャーの魅力!
現代社会でゾンビが広げるエンターテイメント、その可能性に迫る!
更にロメロは、1978年、近代ゾンビの地位を確立する作品を発表する。
ゾンビ映画の金字塔ゾンビ。 原題は、DAWN OF THE DEAD (死者の夜明け)
死者がよみがえり… 人を襲い始めてから3週間後の世界。
警察の狙撃隊員やヘリコプターパイロット・テレビ局員ら主人公4人は、都会を
脱出。 郊外のショッピングモールに到着する。
徘徊するゾンビたちに対し、バリケードを作って立て籠もり、物が満ち足りた
空間で、生き残りを図る、サバイバル・ホラーという新機軸。
そこを、生き残った人間たちの武装グループが襲撃。
人間対ゾンビだけでなく、物資を巡る人間対人間という、凄惨(せいさん)な
戦いが展開される。
前作から10年、パワーアップした今回は、残虐描写もより過激になっている。
は~い、ここからは怖いシーンなので、怖いのが苦手な人のために、かわいく
紹介します!
今回の作品は制作スタッフの特殊メーク技術が上がった事で、ゾンビの体が
大変な事に! ショットガンで撃たれて、頭が… パーン!
刃物で頭を… バッサー! ヘリコプターの羽根で頭の上半分… スポーン!
こんな、どっきり~なシーンが話題になって、映画は大ヒットしたんだよ!
またロメロは、ゾンビに食われた者もゾンビになるという設定を生かし、人間
ドラマの魅力を深める事にも成功している。
“俺が死んだら、頭を撃ってくれ”
“でも、ダメだと確信するまでは、撃たないでくれ”
“俺も、出来る限り頑張るよ…” しかし…。 (銃声)
ゾンビによって、新たなエンターテインメントの可能性を切り開いたこの作品は
全世界で興行収入5500万ドル、およそ100億円をたたき出した!
その後、1980年代のゾンビ映画の数は、70年代の倍!
マイケル・ジャクソンのスリラーにも登場するなど、ロメロは、まさに、ゾンビに
夜明けをもたらしたのだ。
Q: ここで登場して来たのが、ジョージ・ロメロさんですが、待ってましたという
感じですか? はい、そうですね。
Q: 1作目ですよね。ナイト・オブ・ザ・リビングデッドは、今でイメージする、
襲って食べて増えて行くという現在のゾンビのイメージが登場して来ますが、
当時の新しさというのは、どこにあったのでしょうか?
それは、とうとう、うちの庭に、ゾンビが湧いちゃった…。
しかも、ボーッと立っているだけでなく、歩けば、こっちに迫ってくるし、勝手に
増えていってしまう…。
何か、訳が分からない状況で世界が滅びてしまうかも知れない、本当の怖さ
があったという事だと思います。
やはり、不条理さとか、意味不明さみたいなものというのが、すごく大きかった
のではないかと思います。
本当に、何の説明もなく、とにかく、何か、そういうのが出て来る。
人間とは、何かよく分からない事が起こらないために文明を発達させて来た
のだと思うのです。
突然、肉食獣に襲われるとか、そういう事がないように、文明を発達させて、
家を造ってという風にして来たわけじゃないですか。
だから、基本的に、僕らは安全に生きられるのだが、そこで、訳の分からない
事が起こって来るというのは、すごく恐怖だと思うのです。
リアルな社会でも、例えば、理由が分からないのに、突然、人から殴られたり
したら、ものすごい怖さがあると思うのです。
そういう恐怖も、ちょっと投影している感じがあります。
Q: 2作目のゾンビという作品を、その後、出すわけですが、作品のパッケージ
として、形を確立した感じがするのです。
ホラーとサバイバルとアクションと、そういうのが、ごっちゃになっている…。
これが、また、新しい感じの娯楽作だったという…。
人間同士の争い、みたいなものにしたりとか、ゾンビという世界に囲まれたら
人間は、どうなるのか?
そういう、非常ににシミュレーション的な描き方というのがなされたというのも、
その後のクリエイターも、相当、影響を受けた事だと思います。
Q: ゾンビが破壊されるシーンも、いっぱいありますし、よりリアルになって
来ましたが、何か、開けてはいけないパンドラの箱を開けたような気もする
のですが、その辺りは、どうでしょうか?
本来は、ロメロの残酷描写を連打するというのは、残酷な事に慣れて行くと
いう事を、体験させるという意図があったと思うのです。
そこには、そういう事をしていいのか?という、反面教師の教えがあったと思う
のです。
だけど僕らは、その時は、新しい技術で、見た事もないようなショッキングな
シーンが見れるというので、それに飛びついてしまったのです。
やはり、そういうものを見せられると、人間とゾンビの境界というのは、非常に
曖昧になって行くというか、むしろ、人間の方が残酷なのではないか?
Q: では、その映画を見ながら最初は、逃げろ!逃げろ!みたいな気持ちで
見てるけど、撃て!とかいう風に思って、エスカレートして行くのは、もう、自分
たちの方が、もっと野蛮になっているという事なのですか?
そこを気付かせてくれるというか、そういうものを、人間は抱えていますよね?
という部分ですよね。
Q: じゃあ我々の内面には、本来そういう気持ちが少しあるという事ですか?
はい、それはあると思いますし、人間だから、あっていいじゃないかと…。