FC2 トラックバックテーマ:「今使っているスマートフォンケースについて教えて!」さまざまなコミュニケーション手段がある現代。
携帯電話1つで、世界中の人たちと、つながる事もできます。
通信に使われるのは、文章だけではありません。
絵文字を使う人は、世界で29億人に上り、絵文字のキーボードは、212カ国で
採用されています。
絵文字は、ある意味、世界で最も使われている言語だといえます。
キスや笑いだけでなく、悲しみや、相手への同意を伝える手段として使われて
います。
“絵文字は、デジタル時代のボディーランゲージです”
“単なる絵じゃない。 自分の存在を伝えたい人にとってはシンボルなのです”
一見、何気ない存在に見える絵文字の裏には、知られざる世界が広がって
います。
絵文字は、どこで生まれ、誰が、世界で共通して使えるように定めているので
しょうか?
今の絵文字は、デジタル時代の洞窟壁画ともいうべき、生まれたばかりの
コミュニケーション手段なのでしょうか?
新たな世界共通言語の舞台裏へ、ご案内しましょう!
Q: これから、どこへ? “エレベーターに乗って、会議室に移動します”
“ユニコード技術委員会の総会が開かれるのです”
“絵文字についても、話し合います”
Q: この建物は? “マイクロソフト・キャンパスのビルです”
“3カ月に1度、4~5日ほど集まります”
“会場はメンバー企業の持ち回りで、今回はマイクロソフト”
アメリカの非営利団体ユニコード・コンソーシアムは、世界中の絵文字を管理
しています。
携帯電話やコンピューターで使う事ができる絵文字は、全て、彼らが決めた
ものです。
委員長をはじめとする、およそ20人のメンバーが、どの絵文字を追加すべきか
話し合います。 いわば、絵文字委員会です。
“ここで会議が開かれています。 でも、非公開だから… ごめんね”
閉ざされた扉の向こうで、重要な議題が話し合われます。
絵文字キーボードに加える皮膚の色は、何種類にするか?
女性の生理のアイコンは、採用するのか?
クルド人自治区の旗を、追加すべきか?
ユニコード技術委員会の委員長は、言う。
“旗は、とても難しい分野です”
“どういう基準に基づいて絵文字に追加するのか?”
“いまだに答えが出ていません”
“人のアイデンティティーや政治的な考え方と、密接に結びついていますから”
“世界中のあらゆる政治運動や組織が、それぞれの旗を掲げているのです”
“だから旗の採用には、細心の注意を払って来ました”
“旗の絵文字があふれ返っては困るし、政治的にやっかいな問題になる事も
ありますからね”
“特定の立場に味方するような形になるのは、避けたいのです”
Q: 要望があった絵文字は、全て採用するのですか?
“いいえ。 絵文字にしても問題ないと判断されたものだけです”
“だって、申請されたアイコンを不快に思う人が大勢いる場合もありますから”
“そんなものを絵文字にする事は、できないでしょう?”
日本で生まれた絵文字。
絵文字委員会は、その管理を担うようになって以来、世界の文化や多様性を
反映させようと努めて来ました。
これまでに、いろいろな職業の女性や、さまざまな皮膚の色、ヒジャブやLGBT
のシンボル、レインボーフラッグの絵文字を採用しています。
この委員会が、世界中のデバイスで使える絵文字を決めているのです。
白人男性が大半を占める、たった20人ほどの委員会に、なぜ、これほどの
権限があるのでしょうか?
ユニコードの役員は、言う。
“ユニコード・コンソーシアムは、1990年代の初めに設立されました”
“コンピューターや携帯電話等、あらゆるデバイスで使われる文字のコードの
標準規格を定める業界団体です”
“世界中のさまざまな言語… 英語・オランダ語・ドイツ語・中国語・日本語
なども、団体が定める文字コード規格、ユニコードに従っています”
“OSと呼ばれる基本ソフトは、プログラミング言語で書かれています”
“そこで使われている文字は全てユニコードで体系的にまとめられています”
“つまりユニコードは、デジタル世界の基礎部分なのです”
“少し前まで、携帯でメールを受け取ると、空白のボックスが表示される事が
ありませんでしたか? 何これ?と思ったでしょう”
“あれは、コンピューターが認識できない文字コードが含まれていたからです”
“友人が顔文字を送って来ても、ちゃんと表示されない事があった”
“そこでユニコード・コンソーシアムが、絵文字の標準規格を定める仕事を引き
受けたのです。 でも、思ったより難しくて…”
“例えば、モンゴル語を文字コードに当てはめる場合、どうしますか?”
“現地へ行ってモンゴル語の文字や書式に詳しい専門家に協力を仰ぐでしょ?”
“専門家と相談しながら、既にあるモンゴル語の文字に、どのコードを割り振るか
決めればいいだけです。 でも、絵文字は、そうは行きません”
“辞書なんてないし、頼れる専門家もいません”
“別のプロセスを考える必要がありました”
“そこで私たちは、一般の人たちから、広く提案を募る事にしたのです”