FC2トラックバックテーマ 「今使っているスマートフォンケースについて教えて!」この地球に君臨する人類、ホモ・サピエンス。
サピエンスとはラテン語で、 賢い を意味する。 だが、しかし…。
人類を上回る 知能 を持った存在が現れた時、何が起きるのか?
2017年、人間を打ち負かした… 人工知能 ・ AI 。
コンピューターが、プロ棋士のトップ、名人を破った。
開発者は、言う。 “コンピューター将棋が、暴力的なまでに強くなっている”
プロ棋士は、言う。 “人間を超えて行く…”
今や機械は、自ら学習し、進化し始めている。
人が操作しなくても走る、自動運転。
専門の医師も見逃すようなガンを、コンピューターが見つけ出す。
こうした人工知能を、70年も前に予言した男がいた。
数学者のアラン・チューリング。
“我々が求めているのは、経験から学習する機械だ!”
(1947年ロンドン数学会での講演より)
現代の数学者は、言う。
“彼は、時代を先取りしていました。 知性とは何かを問い、科学の新境地を
切り開こうとしたのです”
しかし、チューリングの人生は、大きく狂わされる。
それは、第2次世界大戦での秘密作戦への参加だった。
ドイツの暗号、エニグマの解読。
不可能とされたこのミッションを、チューリングは、超高速な計算機を開発し、
成功するが… この功績は、戦後も、極秘中の極秘とされ、チューリングは
忘れられた科学者となる。
科学哲学者は、言う。
“機密を他言した場合には刑務所行きか射殺されると言われていたようです”
“そのために、チューリングの人生は、悲劇に見舞われるのです”
チューリングは、先駆的なコンピューター研究を続け、ただ1人、自らの理想を
追い求めた。 そして、41歳という若さで、謎の死を遂げた。
人工知能を予言した男、アラン・チューリング。 その知られざる悲劇の物語。
イギリス・ロンドン。この町の地下に、第2次世界大戦当時の戦時内閣執務室
が残されている。
時の首相、ウィンストン・チャーチルは、大きな危機に直面していた。
ナチス・ドイツによって、ロンドンの町は、猛烈な空爆にさらされた。
海では、神出鬼没の潜水艦、Uボートによって、イギリスの輸送船が、次々と
撃沈されていた。 ドイツは、高度な暗号を使って作戦を展開。
イギリスには、その攻撃を防ぐすべがなかった。
チャーチルが命じた最高機密の作戦。 暗号の解読。
ナチス・ドイツの暗号機の名は、エニグマ。 ドイツ語で、謎を意味する。
生み出される暗号のパターンは、1京の1万倍以上!
世界中の暗号解読者たちが、10年以上かけても、解読されなかった。
ナチス・ドイツは、解読は不可能だと、絶対の自信を持っていた。
その不可能を、 可能 にした男がいる。 アラン・チューリング。
後に、人工知能を予言する天才数学者だ。
1912年。 ロンドンに生まれたチューリングは、孤独な少年時代を送った。
両親は、当時、イギリスの統治下にあったインドに赴任。
知人の家に預けられた。
幼い頃から、チューリングは、数字に異様な興味を示した。
街灯につけられた番号を見ると、1つ1つ立ち止まって読み上げる、変わった
子供だった。 10歳の時、ある1冊の本と出会う。
チューリングの伝記を執筆した数学者は、言う。
“チューリングは、自然の不思議という本を読んで、脳の仕組みに夢中になり
ました。 その本は、人間の体は機械であると、定義しています”
“そして、脳も機械的に機能するものであり、その働きは科学的に説明できる
と書かれています。 チューリングにとっては、驚きでした”
13歳の時、全寮制の男子校に入学。
人付き合いが悪く、科学の話ししかしないチューリングは、変わり者として
扱われた。 友達は1人もいなかった。
床下に閉じ込められるなど、陰湿なイジメも受けた。
そんなチューリングに、ある時、1年上の先輩が手を差し伸べる。
クリストファー・モーコム。 学校1の秀才だった。
モーコムは、難解な科学の話しも真剣に聞いてくれた。
初めて自分を理解してくれる人間と出会い、チューリングの心は、次第に満た
されて行く。
2人は共に、科学の最高峰ケンブリッジ大学への進学を目指すようになった。
“これはチューリングにとって、恋愛感情の芽生えでもありました”
“彼はモーコムに、淡い恋心を抱いたのです”
“できるだけ一緒に、いたかったのです”