FC2トラックバックテーマ 「金縛りにあったことある?」半世紀前、初めて人々を、宇宙へ連れて行った映画がある。
SF映画の金字塔… 2001年宇宙の旅 (1968年) 。
物語は太古から始まり人類が宇宙に進出した未来の世界へと展開して行く。
人類の進化を、大胆に描いた超大作だ!
スタイリッシュな映像は、人々に衝撃を与えた。
というのも、映画がつくられたのは、まだ人類が月に行く前。
カラーで地球全体さえ、見た事もない時代だったのだ。
映画では、末来のテクノロジーを予見。
人工冬眠で宇宙を旅し、宇宙船は HAL9000 と呼ばれる人工知能によって、
コントロールされていた。
監督は… 鬼才 スタンリー・キューブリック (1928-1999) 。
彼は、この映画で、私たちの未来に、大いなる謎を投げかけた。
太古の人類の前に現れた、不気味な物体。 物語のカギを握る、モノリス。
なんと、地球外生命が生み出したものだという。 一体、どういう事なのか?
更に、人工知能HALが暴走? 人間の言う事を聞かなくなる。
そして、人類の未来に待っていたのは、衝撃的結末!
宇宙飛行士は、奇妙な体験の末、赤ん坊になってしまう。
謎に満ちたストーリーに、観客は混乱し、動揺した。
映画の主演俳優、キア・デュリア (ボーマン船長役) 。
なんと、関わった当人たちも、困惑していたという。
“セリフは非常に難解な技術用語ばかりでした。 ちんぷんかんぷんでしたよ”
演じる者だけではない。 現場の製作陣さえも…。
“どういう映画なのか分からずにデザインするのですから、そりゃ大変でした”
果たして、キューブリックは、人類の行く末に、何を見たのか?
(曲のタイトル) ツァラトゥストラはかく語りき。
この壮大な音楽が鳴り響く映画、 2001年宇宙の旅。
映画ファンならずとも、その名は聞いた事があるでしょう!
若い頃、私も見ましたが、正直、サッパリ分からなかったのを覚えています。
斬新な映像表現で、人類の進化と、地球外生命の関係を描いた、この作品は
20世紀の映画史に残る、金字塔とされています。
運命の分岐点は、1968年4月4日。 映画が公開された日です。
実は、この作品が、半世紀経った今も、色あせる事なく、人類の未来を予見
できたのは、ある傑出した男の存在がありました。
SF小説の巨匠、アーサー・C・クラーク (1917-2008) です。
実はこの映画、キューブリックとクラークが、共同でストーリーを生み出し、4年
もの長きにわたって製作された、かなり異色な作品なのです。
第1の視点は、末来を描く事に奮闘した、キューブリックとクラーク。
しかし、我が強い2人の巨匠。 当然、和やかに進むわけがありません。
大変な展開を迎える事になります。 天才同士の丁々発止。
巨匠2人がタッグを組んだ、挑戦と衝突のアナザーストーリー。
今年、ニューヨークで、2001年宇宙の旅を、回顧する展覧会が開かれた。
映画の美術品など、貴重な資料を展示。
50年経った今でも、人気は冷めやらない。
展覧会を見に来ていた人たちは、言う。
“私の人生の中で、ずっと、お気に入りの映画だ。 52年間もだよ”
“映画を観た時、本当に、奇妙だとか、クレイジー・難解・滑稽…”
“そんな言葉しか出なかった…”
難解な内容にもかかわらず、なぜ、人を惹きつけてやまないのか?
キューブリックとクラークが描こうとしたものとは、一体、何なのか?
2人の共同作業は、不思議な体験から始まっていた。
アパートで、映画の構想を練っていた時の事だ。
‘光る物体が、空高く移動し、突然、止まった’
‘明らかに1分以上動かず、浮かんでいた’
そう、未確認飛行物体を、目撃したというのだ。
当時、キューブリックは36歳。 クラークは47歳。
2人は子供のように興奮し、アメリカ空軍に報告までしていた。
2人の事を、よく知る人物がいる。 キューブリックの娘である。
当時、10代。 父から、よく、あの頃の事を聞いていた。
“本物のUFOを見たと、2人は信じたかったのでしょうね!”
“というのも父は、地球外生命を信じるか?と尋ねられ、こう答えていました”
“宇宙は無限に広がっているのに、人類が唯一、知性を持った生命だと考え
るのは、とても傲慢で寂しい事だとね…”
地球外生命への憧れ。 その強い思いから、映画の製作は始まっていた。
しかし当時、SF映画といえば、宇宙人が攻めてくる、子供だましのB級ばかり
だった。
そこで荒唐無稽なストーリーにならないよう、キューブリックが頼みにしたのは
SF作家の第1人者、クラークだったというわけだ。
クラークの作品は、ファンタジーではなく、科学者ばりの知識に裏付けされた
未来の物語。 うってつけだった!
(太陽系最後の日/1946年) (幼年期の終わり/1952年) (都市と星/1956年)
一方クラークは、キューブリックをどう思っていたかというと… 恐るべき子供。
当時、キューブリックは博士の異常な愛情(1964年)で核時代の到来を揶揄し
物議を醸していた。
キューブリックは… シリアスな目を持つ、やっかいな男。
しかし、クラークにも野心があり、乗り気だった。