FC2 トラックバックテーマ:「好きなお土産はなんですか?」新型コロナの影響も、どこ吹く風! 平均価格9000万円のタワーマンション!
今、高額な都心の不動産が、飛ぶように売れています!
不動産仲介業者の営業担当者は、言う。 “コロナの影響を引きずっている
感は、ほぼないですね。 元通りどころか、更に、上をいっちゃったような…”
ローンが払えず、住まいを失う人が増える中、新たな格差が生まれています。
地価が日本一高い銀座でも、予想外の動きが…。
ビルのオーナーは、言う。 “コロナが、ドッカーンと来ましてね… それから、
お客さんを案内した事が、全く、ないくらい困っている状態です”
商業用ビルでは、営業を取りやめるテナントが相次ぎ、空室が急増!
そうした中、金融緩和であふれた世界の投資マネーが東京に集まるという、
いびつな事態が起きています。
今年、上半期、東京への不動産投資額は、1兆6000億円! 世界の都市の
中で、最も多い額となりました。
投資ファンドのマネージャーは、言う。 “東京は、私たちの投資リストのトップ
です。 日本不動産は、非常に堅調だからです”
コロナ禍で激変する、首都・東京の不動産売買。 何が起きているのか?
最前線の現場を追いました。
今、都心に家を購入しようという動きが、過熱しています。 先月、東京・湾岸
エリアにある、駅直結のタワーマンションで行われた見学会です。 売りに出
された部屋は、都心が一望できる、築13年の2LDK。
分譲された時の価格は4500万円ほどですが、今回、8100万円という2倍近い
値段で売りに出されました。 にもかからわず…。 (インターホンが鳴る)
Q: どんどん来られますね。 マンションの仲介業者の担当者は、言う。
“すごいですね。 ちょっと追いつかないですね…”
この日は、不動産会社が想定していた倍以上の13組が、見学に訪れました。
見学に来た客は、言う。 ‘コロナで色んな考え方が変わった部分もあって、
これを機に家を探そうかと…’
マンションの仲介業者の担当者は、言う。 “本当に対応しきれないくらい、
購入相談が多いので、驚いている状況です。 お金が余っている方と、そう
ではない方の差が、すごい多いなと思います”
新型コロナの影響で、地方移住が進むという見方もある中、なぜ都心の家が
人気なのか?
7月、大手人材情報会社が、在宅勤務を経験した人に行ったアンケートには、
およそ60%の人が、都心に住みたいと回答。
(通勤・プライベート含めた利便性重視/約500人・20代・学情 調べ)
その理由は、通勤時間の短縮などの利便性を重視したものでした。 2人共、
フルタイムで働く30代の夫婦です。 7月に有明の新築マンションを5000万円
台後半で購入しました。 夫 “ここは、テレワークで使う部屋になります”
東京駅近くに通勤する夫は、感染が拡大し始めた2月以降、在宅勤務になり
ました。 その時、郊外への移住も考え、千葉県や埼玉県などの物件も、
一旦は、検討しました。
しかし、緊急事態宣言の解除で出勤を再開すると、在宅勤務に慣れた分、
通勤に費やす時間を負担に感じるようになったといいます。
夫は、大手コンサルティング会社に勤め、新型コロナによる収入への影響は
受けていません。 価格は高くても、自転車で通勤できる場所に思い切って
家を購入したのです。
夫 “やっぱり週に1・2回とはいえ、職場に行かないといけないので、やっぱり
郊外というよりは通勤に時間がかからない所がいい… コロナとの共存という
意味では、いい街なのかなと… 買い物もすごく便利で、遊びに出る機会も
増えて来たし、やっぱり都心に近いに越した事はないのかなと…”
都心の人気急騰を支えているのは、一定の収入がある人たちです。
新型コロナの収入への影響を調べた調査では、所得が低ければ低いほど、
収入が減少した人の割合が高くなっていました。
(年収1000万円以上 21%、年収400万円台 27%、年収100万円未満 37%)
収入が減った人の中には家賃やローンを払う事ができなくなり、住まいを失う
人たちも少なくありません。 こうした中、新型コロナの影響で手放された物件
を購入しようという動きも出て来ています。 不動産投資家の男性です。
契約を即決するために用意した現金で購入したのは、相場よりも割安だと
考えたマンションでした。
“世の中がパニックな時ほど、市場のボラティリティ(価格変動)は高い。市場の
ひずみを取れるので、非常に投資家にとってはチャンスだなと…”
男性が駆使するのは、自ら作ったAIシステム。 家主などが手放して、売りに
出されたマンションの情報を、自動的に集めて分析し、AIがはじき出した価格
より安くなっている物件を、探し出します。
“相場よりは、2割ほど安いといったような物件ですかね… 実際、こちらの
物件に電話をしてみます…”
男性は、コロナ禍に見舞われたこの半年で1億円以上を投じて都心の物件を
8件購入しました。 この日、AIが、1件のマンションを勧めて来ました。
新宿区にあり、駅から徒歩5分の好物件です。 迷う事なく購入を決めた男性。
早速、不動産会社を訪ねました。
値引き交渉の結果、即金で支払うと伝えて、700万円に値引きして購入。
AIが査定した、1100万円の相場価格より、4割ほど安く入手しました。
不動産仲介会社の担当者は、言う。 “もう、あり得ないくらい、いい場所。
最近は、問い合わせの電話が、じゃんじゃん鳴ってる。お客さん(不動産
投資家)の方が早かったし、買い付けが早い者勝ちなので”
ところが、これで終わりではありませんでした。男性は、すかさず、この物件を
売りに出しました。 (転売)
購入金額に300万円を上乗せして、1000万円で募集をかけたところ、即日、
別の投資家から購入したいと連絡が入ったといいます。
不動産投資家の男性は、言う。 “コロナの影響で、本来であれば非常に
割高な物件でも安く売らざるを得ない理由があると思うので、物件の買い
付けを、どんどん入れて行きたいと思う”
コロナ禍で進む、都心の不動産売買。 その背景を、更に考えます。
コロナ禍で、厳しい暮らしを余儀なくされて、家を失う人が増えている実態。
このサイトでも、再三、お伝えして来たのですが、一方で、そうした物件を買う
人もいれば、都心の高級物件の人気は衰えていない。
これ東京の不動産を巡る状況、どう捉えたらいいのでしょうか?今、ひと事で
言うと、非常に活況と言っていいでしょう。 一時は、緊急事態宣言中、4月、
5月辺りは取引が半分になってしまって、どうなるかという状況もありました。
しかし緊急事態が開けて以降6・7・8・9月くらいになると、その抑えられていた
需要が特に都心部を中心として噴き出すような形で、比較的パワーカップルと
言われる共働きの世帯や所得に余り影響を受けていない人たちを中心として
大活況を呈しているという風に言っていいでしょう。
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ただ、こういう動きというのは、このコロナの状況が、この程度だったからと
いう事もあって、特に緊急事態宣言中は、不動産の物件検索サイトの中では
鎌倉・さいたま・千葉のような郊外を探す人も多かったのですが、今は、また
元に戻ったという状況です。
テレワークなどが進んで、郊外に住みたいという人が増えていると思いきや、
実は、先ほどもお話したように、都心に住みたい人が、やはり6割ぐいらいて
郊外がいいという人は、25%近くというわけなのですね。
やはり、なかなか皆さんの意識は、そんなに変わっていない?これも、7月に
アンケートを取ると、こういう状況は、ほぼ元に戻ったという事でこのコロナの
影響が長引けば、この限りではなかったと思います。
東京の新築マンションというのは、好調な売れ行きが続いています。
こちらが、その平均価格です。 (5000万円以上)
今年1月は超高額のマンションが販売されたために平均価格が、ぐっとこの月
だけ押し上げられているのですが、感染が拡大した後も、7000~8000万円と
いう事で、以前と変わらず、高い価格を維持しているというわけなのです。
一方、コロナ禍で、収入の格差が広がっている事もうかがえるデータが
先ほどの話しでもありました。 3月から6月の間、新型コロナの影響で収入が
減ったと答えた人の割合です。
年収1000万円以上では21%なのですが、年収が低くなるほど、その割合が
高くなっています。 どの層でも、収入が減った人はいるわけなのですが、
年収が高いほど影響を受けた人は少ないという事なのです。
そして土地の価格も二極化して来ています。こちら住宅地のデータを見ていく
と去年はピンクやオレンジ・黄色で示した地域で、価格が上昇していました。
一方、おととい発表されたばかりの今年のデータです。青く示された価格が下
がった地域が全体では確かに増えているのですが都心部に注目して下さい。
上昇幅が縮小しているとはいえ黄色やオレンジの地価は上がり続けています。
東京で、地価が、このように二極化している。 あるいは、収入の格差が
広がっているのではないか?
そういうような状況が見えて来ているわけですが、何となく、これ東京の
不動産の状況は、いびつなのではないかという気もするのですが、どうご覧に
なっていますか?
まだコロナのこういった状況になって影響が出ている中なので、まだちょっと
結論を出すのは、時期尚早かなという風に思っています。
先ほどの話しを聞いて、実需ですね。 要するに、家を実際に住むという事で
購入する場合と、投資をというものは、ちょっと話しを分けて考えるべきかなと
いう風に思っています。
ただ、ちょっと投資が世界中からマネーが集まって来ているという中で投資が
過熱化する事によって、本来、住みたかった人が東京に住めない。
家賃が上がったり、あるいは、物件価格がどんどん上がって行くというような
事に対しては、きちんと対応して行かないといけない。
特にコロナ禍で、家を追われてしまったような方に対して、きちんと手当をする
という事が、非常に大事かなという風に思っています。
ここまで居住用の不動産の動きを見て来たのですが、商業用ビルを巡っても
意外な事が起きていました。
商業用ビルが立ち並ぶ都心の1等地にも異変が! 不動産仲介業者によると
銀座で今、空室が急増しているといいます。
Q: え? ここ? このテナントですか? 1階ですよ!
“コロナになってから、まだ次のテナントが決まらない事が増えて来ています。
リーマンショックの時より、1階の店舗の空き、解約が多いですね”
しかし、本当の空室ラッシュが起きるのは、これからだといいます。
“こちらも、お店は営業中ですけど、来月(10月)中旬には閉店する予定です”
テナントが退去する場合、銀座では、オーナーに3カ月から半年前に予告する
契約が一般的です。
このため今は営業していても実は退去が決まっている隠れた空室が増えて
いるのです。 銀座で11年、営業をして来た、この飲食店。 月額100万円
余りの家賃が重くのしかかり、出て行く事を決めました。
飲食店の経営者は、言う。 “賃料が1番、重いですね… 銀座は、いい時は
すごくいいんです。 でも、悪い時は、非常に怖いぐらいになってしまう… その
怖さを、半年以上、経験しているという感じですかね…”
不動産仲介業者の調査によると、こうした隠れた空室は分かっているだけで
214室。 すでに空いている部屋と、ほぼ同数に上ります。
不動産仲介業者は、言う。 “コロナの状況にもよりますが、これから10月・
11月・12月、年内、更に解約が増える事は予想できます”
空室の増加にビルのオーナーたちは、危機感を強めています。去年15億円を
かけ、ビルを建てたオーナーの男性です。 感染拡大の影響でテナントが
退去し、9フロアのうち3フロアが空いています。
“コロナがドッカーンと来ましてね、それからお客さんを案内した事が、全くない
くらいに困っている状態なんです”
ビル建設のため、多額の借金を抱えているオーナー。 最悪の場合には、
ビルの一部を売却する事も考えているといいます。
“しょうがなかったら、1フロアずつ処分して行くと… 入居率が今の状態が
続けば何とかなると思いますけど、あと2つか3つ、退去されると考えなければ
いけませんよね…”
銀座で空室が相次ぐ一方、都心の一部の大規模物件には巨額の投資マネー
が流れ込んでいる事が分かりました。
海外の投資ファンドを専門に、不動産取引の仲介をしている男性です。
アメリカやシンガポール等の投資家の依頼で、これまでに1兆円の取り引きを
手掛けて来たといいます。
“これは6年ぐらい前に、約180億円ぐらいで買いました。 僕からしてみれば、
この道は宝の山です”
数十兆円規模の資金を運用する顧客のターゲットは、100億円以上の物件。
1棟丸ごと購入し、テナントからの賃料収入で、利益を生み出します。
感染拡大後、仲介をしている男性のもとには、中東の投資ファンドやアジアの
プライベートバンクなど、およそ20社から問い合わせがあったといいます。
この日も、男性はドイツの大手ファンドの責任者と、会議に臨みました。
日本 “ドイツ本国から運用を任されている資産は、どれぐらいですか?”
ドイツ ‘不動産へ、約5兆円以上…’
感染拡大後、東京は海外の投資家たちにとって、より魅力的な市場になった
といいます。
ドイツ ‘東京の不動産市場は、よく持ちこたえています。今、世界の投資家は
リスクをとらなくなっています。 だからリスクが低いところ、東京に強い需要が
あるのです’ なぜ、東京が、今、買いなのか?
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背景には、コロナによる世界の不動産市場の激変がありました! 世界の
市場を分析している、大手不動産サービス会社です。
アメリカやヨーロッパがロックダウンし、経済が大きな打撃を受ける中、東京の
投資対象としての魅力が高まったといいます。
“経済への影響が、ニューヨークやロンドンと比べて、東京は比較的、軽微で
あったと考えられますので、世界からの注目も集まっている状況です”
注目されている指標の1つがオフィスビルの空室率です。世界の主要都市は
テナント離れが進み、軒並み上昇。
一方、東京は、投資対象となる大規模物件については、空室率が、もともと
低いうえ、感染拡大後も、ほとんど変化はありません。
安定した賃料収入が見込めるといいます。 その結果、世界的な金融緩和で
行き場を失った巨額の投資家マネーが、東京に流れ込んだというのです。
今年、上半期の不動産投資額は、1兆6000億円。 ロンドンやニューヨークを
抜き、世界一に躍り出ました。 大手不動産サービス会社は、言う。
“多くの投資資金が、より安定的な投資先を求めている中で、やはり東京と
いうのはホットスポット的な… マーケットサイクルの中で見ても、いち早く
世界的にも今回の危機を抜け出す先頭集団にいるという風に考えています”
海外の投資ファンドを顧客に持つ男性です。 依頼を受けて物件のリサーチを
続けています。“僕らが1番、狙うのは港区かな。ここら辺も入っていると思う”
この日、売り先を探しているとの情報が入った港区のオフィスビルを見に行き
ました。“これなんかは僕らにとって非常に、かぶりつきやすい案件ですよね”
一等地にある、150億円規模のビル。 男性は、契約がまとまれば、顧客の
希望通りの安定した収益が見込めると考えています。
“日本は、もうダメだと言っている海外の投資家は、いないですね。 これは、
チャンスであり、すごく、し烈な戦い。 両方だと思います”
投資マネーが押し寄せる東京、今後、どうなって行くのでしょうか? 上半期に
商業用ビルの投資額が世界一になった日本。 一方で銀座のビルは空室が
目立っている。 こういった状況を、どう捉えたらいいのでしょうか?
このコロナの影響で、金融システムを破綻させないために、日米の同時的な
金融緩和。 一転、おさまったのです。
終わってみれば、手元に現金、マネーが大量に残ったと。 これは、どこかに
投資しないといけないのですが、世界を見渡すとコロナの影響が比較的軽微
だった、相対的によかった日本に注目が集まったのです。
その中でも、空室率の低い日本の不動産という事なのですが、このマネーと
いうのは、小規模に投資はできないので、先ほどのお話しに出て来たような
数百億円単位というロットになるので、そうすると、やはり東京・大阪・福岡
などの大都市が中心になるのです。
つまり、地価が高くても、銀座の小さな物件ではなく、大きなオフィスビルに
集まって来るという事なのですね。
では、海外の都市は、どうなっているのでしょうか?
東京と、よく比べられるニューヨークなのですが、ニューヨークでも多くの人が
郊外に流出してしまって、空洞化が進んでいるという風に捉えられています。
例えばスマートフォンのデータを元にした調査で言うと、2020年3月から5月、
市の人口の約5%、42万人もの人が郊外に引っ越したという数字もあって、
それを受けて郊外の方の成約件数が伸びていたりというような事で、東京は
コロナの影響が少なかったと、今の段階では、そうなのですが、東京は都心。
ニューヨークやロンドン・パリなどでは、郊外の方に人が流出しているという
状況にあると見ています。 投資熱は高まっているのですが、よく見てみると、
この都心の商業用ビルの空室率が上昇しているのも気になります。
オフィスが集中している都心の5つの区の去年と今年の値を比較してみると、
先ほどもご紹介した、これから空室になるところも含めて、銀座があります。
中央区、ここが去年は2.12%だったのが、今年は3.63%。 渋谷区は去年は
1.75%だったのが、今年は5.52%という事で3倍以上に上昇しているのです。
この都心のオフィスの動きは、今後、どうなって行くのでしょうか?
この中でも、とりわけ渋谷区の空室率、これが予定のものも含めて大きく
上がってしまったのは、比較的、小さいオフィス。 とりわけIT企業が借りて
いるものが多かったのです。
なので、割と機動的に動けましたし、在宅勤務みたいな事もやりやすい状態
でもあったのです。
一方で、他の一般的な大企業、大きいオフィスを借りているところは、在宅
勤務という事も、今、実験的な取り組みという事もありますし、後、賃貸契約が
3年や5年といった長期契約をしているので、すぐに動く事ができないのです。
なので、もう少し時間が経つと、数年をかけて空室率が上がって行くという
可能性はあると思います。
居住用のマンションや戸建てというのは、今後は、どういうトレンドにあるので
しょうか?
居住用については、もともと人口減少世帯数が減少の局面の中で、着工戸数
発売戸数は、ずっと減らしているという状況だったのです。
この時には、より駅前に、より駅近に、より都心部にという事で利便性の高い
ものの割合が、ずっと高まって来たという事もあって、この傾向は、今後も
恐らく変わらないと思うので、価格は、恐らく落ちないというか、結果的に
高止まりのように見えるような状況が、低金利である限りは続くと思います。
オリンピックがあってもですか?
オリンピックと不動産の関係というのは、先進国においては、ほとんど見られ
ませんから、そこは余り関係無いと思います。
では、コロナ禍であっても東京の不動産に多額のマネーが集まって来ている
というう実態が見えて来たわけですが、ただ、本当に効率的に住みやすい
東京にするには、色んな課題があると思うのですが、何が求めらているので
しょうか?
やはり、東京がコロナで余り影響が無くて、元に戻って良かったねという事で
終わってはいけないかなという風に思っています。
東京が、これまで積み残して来た都市の問題、例えば、災害の問題。
あるいは、過密な都市環境や、交通問題や、通勤環境。 そういったような
ものを、きちんと対応して行く事が大事なのです。
そのためのキーワードとしては、やはり、ゆとりと分散という事が、非常に、
それは空間としても時間としても、ゆとりと分散というのが大事だと思います。
そういう中で忘れてはいけないのは、地方や郊外に対して、地方回帰、郊外
回帰というものを、どういう風に流れを作って行くかという風に思っています。
その中で、やはり、これからは地方や郊外がチャンスという事なので、その
チャンスを生かして行くという事が、非常に大事なので、問われているのは、
地方や郊外の、やる気という事かなという風に見ています。
都心に住みたいという人が6割という状況なわけですが、皆が色んなところに
住みたいと思えるような社会の仕組み…。
都心や東京がというよりも、地方や郊外側が、これからいかに頑張って行くか
という事が問われているのではないかなという風に思っています。
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超富裕層はマネーを、どう運用しているのか? 総資産1000億円ともいわれる
一族の女性です。 新型コロナが拡大する中でも、専属の資産運用会社
ファミリーオフィスを活用し、巨額の金融資産は更に増加しています。
“世界全体が厳しい大変な時期ですが、私たち一族は幸いにも資産を増やす
事が出来ました” こちらは、一般の個人投資家の男性。 株価の上昇を追い
風に、1000万円の資金は10倍以上に膨らんでいます。
“めちゃくちゃ勝ちやすかった。今まで感じた事のない資金が来たなとは思い
ましたね” 新型コロナ対策として、アメリカ・欧州・日本の中央銀行は、大規
模な金融緩和を実施。 総資産は、およそ2600兆円に。
史上空前のカネ余りが起きているのです。 しかし今、金融市場では、異変も
起き始めています。 今年4月、ある超富裕層のファミリーオフィスがハイリスク
な投資に失敗し、事実上破綻。
その損失は、大手投資銀行にも次々と飛び火し、総額は1兆円に及ぶと見ら
れています。 “金融緩和によって投資家や銀行が、ハイリスクな投資に駆り
立てられているのです”
コロナ禍で苦境に直面する人がいる一方で、投資の盛り上がり。 一見、この
矛盾するような動き、実は密接に関わっています。
経営に苦しむ企業や商店。 そして厳しい暮らしを強いられる人々を金融面で
支えようと、日本・アメリカ・ヨーロッパの中央銀行が行ったのが、大規模な
金融緩和でした。
市場に大量の資金を供給するため、国債などの資産を大量に購入。その結果
資産規模は、合わせて2600兆円に達し、史上空前の規模に膨れ上がってい
るのです。
日経平均株価は、2021年2月には、30年6カ月ぶりに、3万円を上回るなど、
資産価格は上昇を続けて来ました。
ただ、実体経済がコロナ克服に苦しむ中で、この金融緩和、金融システムの
安定には一定の効果があった一方で、金融市場だけが活況を呈するという
いびつな構造を生み出しているのです。
マネーの最前線。 まずは、ベールに包まれた富裕層の資産形成の現場に
カメラが入りました。
コロナ禍で資産を増やしている、世界の超富裕層。 そのために活用している
のが、ファミリーオフィスです。 アフリカ屈指の大富豪、ダンジュマ一族が、
その実態を正しく知ってほしいと、拠点を置くロンドンで取材に応じてくれました。
“こちらは、私たちが数年前に買ったホテルです。隣には、宮殿や素晴らしい
庭園があり、たくさんのイベントが開催されます”
40歳でナイジェリア陸軍を退役し、海運会社や石油探査会社で莫大な財産を
築いたダンジュマ氏。その総資産は、1000億円を超えるともいわれています。
ダンジュマ氏が、ファミリーオフィスを設立したのは、2009年。 会計士として
名をはせていたフォスター氏を起用し、意見を聞きながら資産の運用を行って
います。
このファミリーオフィスでは、一族の資産を増やすため、株式投資だけでなく、
不動産や未上場企業への投資、更に相続や税金の対策も手掛けています。
コロナ禍で観光客が減り、ホテル事業の収益こそ目標に届かなかったものの
株式投資を中心に成績は上々。 この1年も順調に資産を増やす事ができた
といいます。
“コロナ禍でも私たちは、いい成績を出す事ができました。投資先を分散し、
迅速に軌道修正しながら、意思決定する事ができました。従来型の金融機関
では、こうした仕組みを作る事は困難だと思います。私たちは、コロナの嵐を
うまく乗り切りました。ファミリーオフィスの強さを証明できたと思います”
一族が、ファミリーオフィスという形態を選んだ理由の1つが、投資先や、その
金額を自分たちの意思だけで、自由に決められる事です。
投資銀行やヘッジファンドなどの金融機関には、どの投資先に、どの程度の
資金を投じているかを、明確に開示する事が義務づけられています。
しかし、ファミリーオフィスは自分たちの資産のみを扱うため、その規制の対象
から外されています。
“世界全体が厳しい大変な時期ですが、私たちのファミリーオフィスは、幸い
にも、ビジネスを維持する事が出来ました。複数の専門家に頼むよりファミリー
オフィスに集約する方が、自分たちにとっては良い方法です。他の形よりも、
優れた仕組みである事は明確です”
今、世界では、およそ1万のファミリーオフィスが存在するとされ、その資産
運用総額は、600兆円を超えるといわれています。
世界のファミリーオフィスに対して、助言などを行っている男性です。
金融緩和を背景とした株高が続く中、一部にリスクを冒し高いリターンを求める
ファミリーオフィスが登場していると指摘します。
“数百年前から続く、ファミリーオフィスの資産運用は、かなり保守的です。
一方、一部の若くて積極的な富裕層は、僅かなリターンでは満足せず、より
大胆に運営しようとしています。ファミリーオフィスは、独特な市場です。
素晴らしい事も、愚かな事も、出来てしまうのです”
ベールに包まれて来た、ファミリーオフィス。 3月末、その実態を知らしめる
出来事が起きました。 アルケゴスショックです。
ウォール街で財を成した、ビル・ファン氏が運営するファミリーオフィス・アルケ
ゴスが、保有する株式の大幅な下落を受け事実上破綻に追い込まれました。
アルケゴス・ショックは、なぜ起きたのか? ビル・ファン氏と30年来の友人
関係にある男性から、証言を得る事ができました。
“今回のアルケゴスショックは、ファミリーオフィスだったからこそ起きました。
ファミリーオフィスは、一族の資産のみを扱っていて、規制当局の監視の目を
逃れて運営できるからです”
大手ファンドで資産の拡大に成功し、頭角を現したファン氏。 2012年、インサ
イダー容疑で処分を受け、市場から退場しました。 しかし翌2013年、処分の
対象外であるファミリーオフィスという形態で、ウォール街に復帰。
僅か数年で、1兆円を超える資産を運用するまでに成長しました。 特定の
銘柄に大量の資金を投じるファン氏の強気なスタイルが、今回は裏目に出た
のではないかと、男性は見ています。
“彼は強い信念を持って投資をしています。自分が投資したい会社を見つけ
たら、あえて危険を冒すのです。自分が選んだ株は5年間、目を閉じていても
勝ち組になると信じています。買った株を翌週に売るような事は、決してしな
いのです”
今回、アルケゴスの事実上の破綻によって、もう1つ、それまで知られて来な
かった事が明らかになりました。 世界の投資銀行がアルケゴスと取り引きを
行っており、巨額損失を出す事になったのです。
(モルガン・スタンレー1000億円/クレディ・スイス5100億円/野村HD3100億円)
一体なぜ、投資銀行はハイリスクな投資を貫くアルケゴスと取り引きしていた
のか? 金融工学者は、近年の金融緩和の影響で、膨大な資金の投資先を
巡り、投資銀行間の競争が激化。 高い手数料収益が見込めるアルケゴスに
投資が集中したのだと分析しています。
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“この量的緩和によって投資銀行は、伝統的な手法から離れたくなる衝動に
駆られました。いくつかの銀行はアルケゴスの取引を仲介し、攻撃的な投資に
手を染めたのです”
ビル・ファン氏の友人 “これが、ウォールストリートです。投資銀行にとって
アルケゴスは、大きな利息や手数料を生み出す最高の顧客だったに違いあり
ません。このような事態になるまでは、まさにケダモノの本質です”
今回、3100億円余りの損失を被ったとされる野村ホールディングスの関係者
が語ったメモ。 そこからは、手数料を追い求めていた内情がうかがえます。
‘純粋に高い手数料が頂ける。ポジションの全容を把握せずにフィー(手数料)
だけを魅力に付き合っていたのがミスだった’
投資銀行はアルケゴスに対して巨額の資金を融通。 これによりアルケゴスは
自己資金をはるかに上回る規模の取り引きを行っていたとされています。
しかし、こうした構造自体、ファミリーオフィスには開示義務がないため、誰も
気付く事が出来なかったのです。
野村HD ‘アルケゴスの大量保有株の実態を知らずに付き合っていた事が
根本的な問題で、それを反省するしかないというのは、社内ではコンセンサス
になっている。でも実態を知らないという部分については、知る事ができない
という方が正しいという認識に立っている’
金融工学者 “ファミリーオフィスの取引は慣行として多くを秘密にして進める
事が許されていました。例えばファミリーオフィスと取引を行うヘッジファンドの
マネージャーは、どのくらいの資産を保有しているのか尋ねる事ができません。
そんな事は、聞いてはいけないルールなのです。第2のアルケゴスショックは
必ず起きます。いつかは分かりませんが、今回が最後になるという事はあり
えません”
規制の網の目をかいくぐる形で起きた、アルケゴスショック。 経済政策に
詳しい男性は、長年、放置されて来た規制を、今こそ見直すべき時だと指摘
しています。
“アルケゴスショックの教訓は、全てが順調で市場に流動性がある時でも、
株価が急落する可能性を見逃してはならないという事です。順調なタイミング
でこそ、厳格なチェックを行う必要があります。市場が熱狂の時期になる傾向
があるからです。規制当局が厳格に行動し、投資家自身も誠実な行動を取っ
ているか?数字上で確認し、目を凝らす必要があるのです”
現在の大規模な金融緩和ですけれども、焦点は、これがいつまで続くかという
ところなのです。 注目するのは、アメリカの動きになります。
今日の未明まで開かれていた、金融政策を決める会合では、FRBのパウエル
議長が、量的緩和の規模を縮小する対応について、今後の会合で具体的な
議論に入る方針を明らかにしました。
こうなって来ると、マネーの流れが、どう変わるのか? 投資家たちは今後の
見通しについて、揺れています。
都内に住む24歳の会社員の男性。 今年3月、人生で初めて投資に乗り出し
ました。 貯金を取り崩して60万円を投じたのは、ビットコインなどの暗号資産
です。
“今、私が持っているコイン(暗号資産)の日本円換算の価値といった形で…”
新型コロナでも仕事の給料が減らず、自宅にいる時間が増えた事が、投資を
始めたキッカケでした。
“コロナで経済が回らないとか、不況になっている時ほど、挑戦というか、何か
他のものに手を出したりとか。今は、そういう時なのかなと感じる”
世界的なカネ余りを背景に、ビットコインの価格は急騰。 今年4月には、1年
前の7倍ほどの高値を付けました。 しかし、先月からは価格が急落。
乱高下が続いています。
男性は現在、20万円ほどの含み損を抱えていますが、長期的には、価格は
上昇して行くと期待しています。
“ポジティブに。実際、まだ始めて3カ月といったところなので、投資する事は
リスクがつきものだと思って、ある程度、覚悟は持って始めたので、あまり
動揺していないのと、長期的に見たい”
一方、株式市場の投資家の中には、先行きを懸念する声も出始めています。
日本株を中心に投資を行っている男性です。 この1年余りで、1000万円の
資金を、10倍以上に増やしました。
“今まで感じた事のない資金が来たなとは思いましたね。めちゃくちゃ勝ち
やすかったと思います。パンッて上がったものを買えば、割と続いて上がる
事が多かったので…”
ところが、今年(2021年)に入り、世界中でワクチンの接種が進み、コロナ収束
への明るい見通しが出始めると、状況が一変。
金融緩和縮小への警戒などから、保有する新興企業の株価が下落し始めて
いるのです。 投資家仲間に相談に行くと、今後は、慎重さが必要だという
意見でした。
“今年は全然、勝てないというか、大きな流れが去年に比べてなくなったので
ダメな時は、すっと引くというのは、今の流れなのかなとは思うのです”
“コロナ後みたいな感じで好調に上がって行く相場ではなくなるのではないか
なと…かなり難しい相場になって行くと思います”
金融市場は、一体どこに向かうのか? エコノミストが注目しているのが、
アメリカの金融当局の動きです。 中央銀行に当たるFRBが市場の悪い反応
を恐れず、金融緩和を縮小できるかが、中長期的には重要だと指摘します。
エコノミスト “FRBアメリカ中央銀行の金融緩和は相当、突出していたと思い
ます。金融市場が若干、調整する事があっても、必要な正常化策を進めて
行けるかどうか。ここが重要になって来る。それが、うまく行くのではあれば、
小さな調整で終わるかも知れません。でも、それをしなければ、どこかで、
やっぱり、積み上がったものが崩れてしまうという形での大きな金融危機に
つながる可能性というのは、あるのだと思います”
今回のカネ余り。 実は、私たちの年金運用などにも恩恵があったという事
なのです。 公的年金(GPIF)は、2019年度末から運用益が28兆円増加。
そして企業年金はプラス13.3%の運用利回りでした。一般の私たちにとっても
無縁ではないという事なのです。
株価上昇というのは、いつまでも続くわけではない。 先ほど規制のお話しを
しましたけど、これは相当、防波堤にはなっていると思いますが、そうは言って
も制度疲労も起きるかも知れません。
また金融緩和というのは、どう着地させるかというのが、かなり難しいのでは
ないかと思います。 となりますと、やはり禁制・緩和。 両方の調整という
ところの手腕が、これからの当局というのは問われるのではないでしょうか。
では私たちは、この動きに対して、どういった心構えで見て行けばいいので
しょうか? 心構えというところでは、米国政府が提唱している事があります。
これは金融の健全な状態を維持するということ。 実は私たちの健康管理と
金融の健康管理は同じではないでしょうか。 ポイントとしては、2つあると
思っています。 1つは、コントロールできる事と、できない事。
これを切り分けてコントロールできる事は、なるべく、しっかりコントロールして
行く事。 コントロールできる事が増えれば、それだけ安心も増えて行くという
事につながると思います。
ただ、その一方で、やはりショックは来るかも知れないという風に心構えをして
おく事が重要だと思います。
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‘最終列車、発車します!’ 電車に乗り遅れまいと、駅に駆け込む人たち。
首都圏や関西圏で、2021年の春から、繰り上げられた終電の時刻。
利用客 “めちゃくちゃショックです。夜12時半を、すごく使ってますから…”
利用客 “仕事を切り上げないと、いけない…”
朝の通勤ラッシュも… テレワークの普及で一変。 駅務係 “以前は、係員が
乗降のお手伝いのためについていたが、今は全く、そういう事はない”
利用客が大幅に減った鉄道各社では、JRで1兆円以上、大手私鉄16社で、
4800億円以上の赤字を計上。 大きな変革を迫られています。
JR西日本の社長 ‘10年後の未来が、1年で来た状況です…’
昨年度、過去最大の赤字となったJR西日本は、今月、異例の秋ダイヤ改正を
実施。 1日当たり127本という、大幅な減便に踏み切りました。
定期利用者が3割以上減った首都圏の大手私鉄は、26年、据え置いてきた
運賃の値上げを検討し始めています。
大手私鉄の課長 “非常に厳しい状況です。以前のように輸送人員、利用
状況が戻らないものと認識しています”
これまでとは比べ物にならない危機を迎えている公共交通機関。生活路線の
維持が難しくなった地域では、住民が自ら交通サービスの運営に乗り出して
います。 あなたの町も…。 ふるさとも…。
暮らしに欠かせない公共交通を、どうすれは守って行けるのでしょうか?
コロナ禍で大きな影響を受けた路線バスのひとつ、長電バス。 長野駅前の
ターミナルでは、長時間バスを待つ人の姿が増えました。
その理由を尋ねてみると…。 “前はね、1時間に1本あったの。今もう、7時と
9時と10時。昼間、全然ないの。全くね、不便で困っちゃう…”
市内に住む73歳の女性です。 去年12月に免許を返納したため、買い物や
友人に会う時にバスを利用しています。 しかし、今年7月のダイヤ改定で、
平日(上り・下り)23本あったバスは、9本へと大幅に減少。
これまでは、日中時間帯でも長野駅から自宅まで、1本のバスで行くことが
出来ていましたが… 今は、2本のバスを乗り継いで大幅に迂回するルートを
使わなくてはなりません。 (乗り継ぎ1時間以上かかる)
“これに乗れなかったら、次のが40分くらいない…” 運賃も、移動時間も、
今までの2倍かかってしまうようになりました。
“以前は、9時のバスで来て、ちょっと用事済ませれば、10時か11時で帰れた
のですよ。今はもう、まるまる半日かかっちゃう…交通難民だよね…”
Q: これ以上、今後、バスが少なくなったら? “もう孤立だよね”
バスの減便は、若い世代も直撃しています。 市の中心部にある高校では、
全校生徒およそ870人のうち、100人以上がバスで通学しています。
高校2年の女子生徒です。 部活動があるため、土日も学校へ通っています。
しかし、通学に利用している路線は、31本あった休日ダイヤが、僅か3本に
減ってしまいました。
そのため今は、両親に車で送り迎えを、してもらわなくてはいけません。
“班活(部活)のあと、どのくらい残って練習するか、日によって違う。その都度
親に連絡してというのは申し訳ないです。平日も短縮授業だったり、夏休み
中は、ちょうどいいバスがないので、選択肢が限られちゃっているのが不便
ですね…”
長野市のバス会社では今年に入って2度も中心部の減便に踏み切りました。
長電バス “これが今回、減便をした路線の時刻表ですが、半分以上が黒い
網掛けになっていて、これだけいっぺんに減便しました”
大幅な減便は、4路線で5割以上に及び、一部の路線では土日の運行を廃止
しました。 “もう、これぐらいやらないと効果が出ない。苦渋の選択という事で
今回、減便をやらせて頂きました”
バス会社が、ここまで大規模な減便に踏み切った背景には、長引く観光の
自粛があります。
“こちらは、貸し切りバスの駐車スペースになります。普段は稼働していれば
ここは1台もないのですが、全部が今、車庫の中に止まっている状況です”
これまで路線バスの赤字分は観光バスや高速バスの収入で補ってきました。
しかし、コロナ禍で利用者が激減し、昨年(2020年)度は、過去最大、3億円の
赤字を計上しました。
国や自治体から、およそ1億円の助成金が交付されましたが、補てんしきれず
路線バスを減らさざるを得ませんでした。
長電バス “事業を維持する事は、事業者の責任でもあるが、事業者だけに
維持しろという風に言われても対応できませんので、コロナが仮に回復したと
しても立ち行かなくなって来る。普段の生活路線がなくなってしまうという事を
分かって頂きたいと思います”
国土交通省によると、今年4月時点での乗客数は、おととし(2019年)に比べ、
路線バスで24%。 高速バスなどで59%減少。 鉄道では、JR・私鉄各社とも
27%ほど減少しました。
鉄道やバスをカバーするタクシーでも、利用者が大幅に落ち込み、全国で
300社以上が休業・廃業に追い込まれました。
愛知県新城市では、市街地で、ただ1つ営業していたタクシー会社が、今年
3月に廃業。 近隣のタクシー会社が事業を引き継いだものの、市内を走る
台数は、僅か7台です。 山間部で1人暮らしをしている、88歳の女性です。
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“ここ、いつも車を入れていた場所だね” 去年10月、高齢のため、免許の
更新をやめて、マイカーを手放しました。 “事故をしてからでは遅いからね。
やっぱり気を付けて乗っていても高齢者は、いつ、どうなるか分からないし…”
しかし、頼りにしていたタクシーは台数が少なく、使いたい時に、つかまらない
事も。 運よく予約できても市街地までは往復1万円以上。 買い物は、まとめ
買いを、するようになったといいます。
“やっぱり、賞味期限が長いものとか、すぐ使わなくてもいいようなものは、
ちょっと多めに買っといて利用している。直通の車が欲しいけど、交通機関の
関係もあったりして、それが出来ないようですから…それは不便です”
やはり、たくさんの難しさがあるわけですが、そういう中で、どういう風に公共
交通機関を守って行けるのか? 待ったなしの改革です。 住民主体が、
ここから鍵になりそうです。
地域のタクシー会社が廃業してしまった、愛知県新城市の88歳の女性です。
新たな交通手段を使って、再び、遠出が出来るようになっていました。
今年4月、住民たちが自ら始めた送迎サービス、ふれあい交通です。 実は、
運転手も同じ地区の住民が、有償ボランティアで務めています。
この送迎サービスは、第2種免許がなくても、自家用車で客を運ぶ事ができる
国の制度を活用しました。 運転手は13人。 全て地区の住民が担当してい
ます。 行き先は、既存の交通機関に配慮し、駅や病院などに限定しました。
保険や燃料などの費用は、新城市からの補助金を活用。更にタクシー会社と
連携し、車両整備や運転手の安全管理を任せています。
運転手には、検温やアルコールチェックを義務付け、タクシー会社の担当者が
確認します。 料金は、目的地に応じた定額制になっています。
88歳の女性 “本当に便利です。私にとって本当に、本当に助かります”
開始から半年で、利用件数は、340件。 今後も、新たな運転手の確保などを
目指したいとしています。
住民ドライバー “私も、この先、お世話になる状況になって行くのではないか
というような事で、この活動を大事にして、後々の代まで残して行きたい”
住民の意見を反映させて、公共交通の利便性を高めている地域があります。
三重県菰野町です。こちらのコミュニティバスは、これまで町の全域に路線が
敷かれていました。
その代わりに、1路線当たりのバス本数が少ない、という弱点がありました。
例えば、高校に向かう、この路線… 登校の時間帯に乗れるバスがなかった
ため、利用したくても出来ない状況でした。
こちらの生徒たちは、自転車で40分以上かけて、通学していたといいます。
“バスの場合は、本当に朝めっちゃ早く行くか、遅刻するかの、どっちかだった
ので、自転車で行くしかなったです”
“夏だと、暑くて汗かいちゃう。冬だと、スカートなので寒い。なので、季節で
結構、しんどかったです”
菰野町では、こうした声をバスのダイヤに反映させようと、町が地域公共交通
会議を開催。 住民たちが交通各社と話し合い、路線やダイヤの見直しを実現
させて来ました。
会議での話し合いの結果、全部で9つの路線があったコミュニティバスは、
利用者が多い7つに集約。 それによって、高校に向かう路線の増便が実現
しました。
朝7時台にバスが運行するようになり、通学で利用できるようになりました。
生徒 “座れて、友達とも話す時間が増えたので、楽しんで登校できるように
なりました” 一方、コミュニティバスが廃止された地域では…。
菰野町からの委託を受け、タクシー会社が新たなサービスを始めました。
バスの停留所のように、決まった場所の間を割安な料金で送迎するデマンド
タクシーです。 バスとは違い、客が事前に予約した時に運行します。
予約は専用ホームページから。 菰野町が大手通信企業と共に開発しました。
高齢者でも使いやすくするために、スマホ教室を開いて普及に努めています。
利用者 “こういう形で簡単に、そんなに手間暇かからずに。僕も80超えてて
高齢者なのですが、一応、出来るという事で…”
町の会議での議論をキッカケに始まったデマンドタクシー。 月に、平均で
660人が利用するようになり、タクシー会社の収益改善にもつながりました。
タクシー会社 “去年から、普通だったらスゴイ落ち込みで会社は大変なの
ですが、一般のお客さんが減った分を乗合(デマンド)タクシーでカバーできる
という、いい部分が今、出ています”
菰野町総務課 “町全体で公共交通の利用を増やす事と、どうすれば町民の
皆さんが満足できるような交通体系になるか議論して、現在のような見直しを
少しずつ図っています”
Q: 公共交通の新しい価値を、どのようにして行くとよいのでしょうか?
公共交通の今までの価値というのは、定時に移動が出来るという事でしたが
新しい価値という視点でサービスを見つめ直して利用する方が、お金を払って
も使いたいなという風にして行くという事が、事業者としては大切なのだと
思っています。
Q: それは、具体的には、どういう事なのでしょうか?
例えば、より快適な空間が提供されるという事だったり、というのが1つだと
思います。 確かに以前よりも列車の中の密度が減ったので、距離が保てる
という事が新たな価値になったりと、いろんな価値が考えられます。