FC2 トラックバックテーマ:「目の前に白ご飯があります。お供を1つだけ選ぶとしたら?」日本でも、近いうちに、ゲノム編集食品の販売が解禁されます。
こちらは、日本で最初に、ゲノム編集食品を販売するとみられる企業です。
開発しているのは、血圧を下げるとされる成分GABAを多く含んだトマトです。
国が決めた販売ルールでは、アメリカと同じようにゲノム編集食品である事を
表示する義務はありません。 どう対応しようとしているのか?聞きました。
最高技術責任者で筑波大学の教授は、言う。
“必要な情報を提供するという意味では、ゲノム編集食品です”
“ゲノム編集トマトです。 みたいな表示とうのは、ありかなと…”
“情報を知りたいという皆さんがいるのであれば、それは情報として、ちゃんと
提供して行くべきだろうと思います”
いよいよ始まる、ゲノム編集食品の販売。
私たちのもとには、どのように届けられるのでしょうか?
アメリカの現状を取材したリポーターには、どんな事が見えて来ましたか?
まずゲノム編集食品の生産というのが、取材に入る前に想像していた以上に
大規模に行われている、進んでいるなという風に感じました。
このままだと、今後、日本にも入って来るだろうなと感じたというのが、率直な
感想です。
2点目には、アメリカでもゲノム編集食品が表示されないという事についての
懸念が一定程度、大きいなと感じました。
先ほどの話しでもあったように、民間の消費者団体が、表示を独自で行うと
いう仕組み。
国の制度に頼らないという点で、注目される動きだなとも思いました。
ゲノム編集食品が、これから日本で流通して行く時に、やはり、表示が曖昧
だと、それを不安に感じる消費者の方も、出て来るだろうなとも思います。
表示するかどうか?という事なのですが、企業によって対応が変わって来て
いるようですね。
企業は表示するメリット、それとデメリットについて、考えていると思います。
メリットというのは、ゲノム編集による付加価値を、アピールする事ができる。
一方、デメリットは、不安を感じている消費者が、離れてしまうという事です。
メリット、デメリットの2つを天秤にかけて、表示する企業、表示しない企業とに
分かれると思います。
また収量がアップするというような、消費者に付加価値を、なかなかアピール
しにくい食品に関しては、表示をためらう企業も出て来る可能性があります。
遺伝子組み換え食品というものが出て来た時に、安全性審査や食品表示の
ルール作りが遅れました。
これによって消費者には不信感というものが残っているという風に思います。
ゲノム編集食品の開発企業は、ゲノム編集食品が、遺伝子組み換え食品と
同じだと消費者に思われる事を懸念しています。
なので、今は消費者の受け止めを慎重に見極めている段階だと思います。
教授、なぜ、日本でも表示義務がないという事にしたのでしょうか?
それは、ゲノム編集の場合は、他の生物由来の遺伝子が含まれるわけでは
ないので科学的にゲノム編集か従来の品種改良か区別する事ができません。
分析しても、分からないものなのですか?
はい、どうしても分かりません。
なので、義務化しても、実効性が担保できない。
つまり違反したものの、証拠を握る事ができないので、摘発する事ができない
というのが、大きな理由になっています。
ただ、やはりこれは、表示義務はした方が良いという考えは、あるのですか?
はい、ゲノム編集というのは新しい技術なので、これを皆さんに理解して頂く
ためには、開発した方々が、自主的にゲノム編集であるという事を表示して、
メリットを説明していただくのが望ましいと考えています。
一方、日本消費者連盟は、消費者にとっては、どういう事が望ましい状況に
なると考えていますか?
最優先されるべきは、選ぶ権利を保障するという事だと思います。
つまり、食べたくなければ、食べなくて済むような、そういったためには、
表示は必ず必要です。
国は表示は義務化しないという事にしてしまいましたが、義務化にしてもらわ
なければ、私たち消費者は食べたくなくても避ける事ができない状況なのが
問題だと思っています。
ただ、なかなか科学的に区別できない現状があるわけですよね?
それについては、例えば社会的な検証という方法があり、これは流通・生産
段階をさかのぼって履歴を見る事によって、それがゲノム編集食品かどうか
分かるのです。
こういった、いわゆる社会的な検証ができるかどうかという事を、国の方でも
きちんと時間をかけて議論しいてないという事が非常に問題だと思ってます。
最後に、国や企業に望みたい事は、例えば、どんな事でしょうか?
ゲノム編集が、今、最先端の技術として、とても急ピッチで進んでいますが、
ゲノム編集という技術が内包するリスクというのが、日本では、ほとんど議論
されていないという事が、とても問題だと思います。
やはり、ゲノム、遺伝子をいじるという事は、非常に危険な事なので、きちんと
社会的な議論を作って行くという事が非常に重要ではないかと思っています。