第2141回「おすすめの旅行術は?」SNSでメッセージを送る女性。 ‘お誕生日おめでとう。41歳だね’
しかし、既読はつきません。 メッセージの送り先は、亡くなった友人なのです。
“もう、彼女に会えないって事は分かっているんですけど、携帯電話の中の
LINEの中には、友人は生き続けているから…”
家族や友人が、この世を去った後も、SNSでメッセージを送り続ける。
そんな人たちが、今、増えています。
‘亡くなった姉に、LINEを送ってしまいます…’
‘昨年亡くなった母にLINEで、孫が出来たよ、ありがとね!と送ってる…’
スマートフォンなどのデジタル機器を通じて、亡き人とつながる。
海外では、亡くなった人を、仮想空間によみがえらせ、再会する事まで可能に
なっています。
デジタル技術の進化は、亡くなった人との向き合い方を、どう変えようとしてい
るのでしょうか?
亡くなった妹に、SNSでメッセージを送り続ける、57歳の女性がいます。
妹さんを、2年前、ガンで亡くしました。
‘天国で見てますか? カープ バカ勝ち’
妹さんが大好きだった、広島カープの試合結果や、日常の何気ない出来事を
伝えています。
“何か、いい事があったら、すぐ送ったりしてますね”
“喜んでくれるかなと思って… カープ好きなんで、妹は…”
57歳の女性が、SNSでメッセージを送るようになったキッカケ。
それは、妹さんのお葬式。
悲しみのあまり、つい、ある言葉を、ぶつけてしまったのです。
“お棺に入ってる妹に向かって、ずるい!って言いました”
“泣きながら、ずるい、ずるいって…”
“何で、私より先に逝ったのかなっていう…”
5年にわたる闘病生活。 本当は、ねぎらいの言葉をかけたかった女性。
その思いを、伝える事にしました。
‘よく頑張ったね。お疲れ様。 天国から見守ってね。 いっぱい、ありがとう…’
“口で、ちゃんと、頑張ったねって言えなかったので、その代わりですかね…”
“本当は、こう思っているんだよ… みたいな感じですかね…”
妹と、もっと話しておけば良かった。
57歳の女性は、事あるごとに、メッセージを送るようになりました。
その数は、80件を超えています。
“心の片隅には、妹が読んでいると思ってますけどね… どこかでね”
なぜ、亡くなった家族や友人に、SNSでメッセージを送るのか?
番組がインターネットで呼びかけたところ、およそ100人から回答が寄せられ
ました。
“送る事によってモヤモヤが晴れたり、天国の母のために頑張ろうという
気持ちになれる” (20代の男性)
“仏壇に手を合わせるよりも、文字にして送った方が届く気がした”(50代女性)
SNSを使う事で、気持ちの整理が出来たという人が、数多くいました。
スマホの中では、まだ友人は生きている。
そう感じながら、メッセージを送り続ける人もいます。
岡山県で暮らす女性です。 3年前、親友を亡くしました。
職場で知り合った2人。 結婚をキッカケに、なかなか会えなくなり、メールや
SNSで、10年にわたって交流して来ました。
“お互い、子供の写真を、こんな成長しているよ!って送り合ってて”
“お互いの生活を大事にしながら、それでも必ず、お互いの誕生日は”
“思い出すし、元気にしてる?って、メッセージを送る。 送り合うっていう…”
そんなある日、親友が、突然、ガンで亡くなりました。
女性は葬儀に立ち会い、遺体に対面。 友人の死を、一旦は受け入れました。
しかし、友人の誕生日。 女性は、これまでのようにメッセージを送りました。
“LINEの中では生きている人なんですよね… やっぱり…”
“現実世界では、いないから、もう、友人の死を認めざるを得ないんですけど”
“携帯電話のLINEの中には、友人は生き続けているから…”
“LINEを開けば、彼女のアカウントはあるので、もうずっとそこに存在し続けて
くれてるんですよね…”
SNSのアカウントがある限り、女性は、メッセージを送り続けると言います。
“これからもずっと変わりなく、メッセージを送って行きますね…”
“ずっと一緒に。 一緒に年を取ります…”
亡き人へのSNSのメッセージ、あなたは送りますか?
亡くなった家族や友人へ、SNSでメッセージを送る。
こうした動きを受けまして、フェイスブックでは、亡くなった人のアカウントを
残すサービスを、すでに行っています。
またツイッターにも、亡くなった人のアカウントを残してほしいという多くの声が
寄せられているという事です。
ネットを巡る動きに詳しい、IT企業の経営者の方に聞いてみたいと思います。
そうですね、結構、共感しながら聞いていました。
というのも、祖父が、ちょうど3か月前に亡くなりまして、それがコロナウイルス
で大変な時だったので、葬儀にも行けなかったのです。