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アニメーション制作スタジオ・サンライズ。

テレビアニメ　　機動戦士ガンダム　　は、このスタジオで生まれました。

スティーブン・スピルバーグ監督の映画、レディ・プレイヤー1では、日本の
ポップカルチャーを象徴するアイコンとして、ガンダムが登場します。

その人気は国境を越え、プラモデル目当てのファンが海外から来日するなど、
名実ともに、日本を代表するコンテンツに成長しました。

機動戦士ガンダムは、宇宙に進出した人間同士の戦争を描いたSFアニメ。

宇宙への移民を実現したスペースコロニーの1つが、ジオン公国を名乗り、
独立戦争が始まります。　物語の主人公は、15歳の少年、アムロ・レイ。

地球連邦とジオン公国の戦いに巻き込まれたアムロは、偶然、乗った兵器、
モビルスーツ・ガンダムで、ジオン軍のシャア・アズナブルと戦う事になります。

戦艦ホワイトベースで出会った仲間と共に、戦争の時代を生き抜き、成長して
行く物語です。

放送当時は低視聴率で打ち切りとなるなど、その評価は低く、放送終了後に
プラモデルがヒットして再評価された作品として知られています。

制作現場の状況も、決して恵まれたものでは、ありませんでした。

原画・総監督の富野由悠季(当時37歳)は、言う。

“僕の原画のさ、カットがあるんだもん！　ひどい絵のが…”

アニメーションディレクターの安彦良和(当時31歳)は、言う。

“視聴率、取れるわけないんですよ…”

アニメーターの板野一郎(当時20歳)は、言う。

“失敗して、終わって行く作品だったのかな、当時はって…”

しかし、実は放送当時から、これまでにない新しいアニメとして、若者からは、
熱烈な支持を受けていたのです。

アムロ・レイ役の古谷徹(当時25歳)は、言う。

“すごい盛り上がってるんですよと、熱く語られてビックリしました…”

音楽ディレクターの藤田順二(当時29歳)は、言う。

“歌謡曲も売れない。　洋楽も売れない”

“何も売れない時代に、ガンダムだけは、バンバン売れてるんですよ！”

若いスタッフが奮闘し、作り手とファンが、アニメの新しい地平を目指した作品
機動戦士ガンダム。　その誕生の秘密を、関係者が語ります。

物語の主人公は、アムロ・レイ。　内向的な15歳の少年。

キャラクターデザインと作画監督を担当し、作画全体の責任を負っていた安彦
良和は、アムロの斬新な設定に驚きました。

“僕が覚えているのは富野さんにアムロは三白眼で髪の毛なんか縮れてて”

“ニンジンみたいな頭しているんだよね…　だよねって言ったんです”

“あー、いいねって言って…　そういうやり取りを覚えていますね…”

“主人公ってのは、大体カッコいいと”

“正義感にあふれてて、頭もいいか、もしくは悪いか”

“悪くて運動能力があって、ひたすら元気とかね…”

“みんなに愛されるっていう中心的な主人公…　当たり前ですけどね…”

“それに飽きてるんですよ…　そうじゃないのをやりたい”

“今、言うと、別に普通にとられるかも知れないけど、当時は画期的ですよ”

“根暗で、メカフェチで、あまり友達いなくて、そんなのいないですよ…”

アムロ・レイの声を担当したのは、古谷徹。(当時25歳)

子役として特撮ドラマ　ウルトラQ　や、マグマ大使　などに出演。

声優としても、巨人の星の、星飛雄馬　役で注目を集めていました。

“僕が、ガンダムのオーディション受けたのは、25歳の時だったんですけど”

“鋼鉄ジーグだとか、ガイスラッガーだとか、グロイザーXだとかっていう”

“アニメーションの熱血ヒーロー役を、やらせて頂いているうちに”

“どうしても、その…　燃えてきたぜ！とか、力を込めてセリフを言うと”

“あ…　何か、星飛雄馬になってると…”

“自分の体の中に、しみついてしまってるなっていうイメージがあって…”

“役が違うんだから、違う声で、違う芝居しなくちゃいけないのにって…”

“自分の中で、ジレンマがあったんですね…”

“そんな時に出会ったのが、ガンダムのアムロ・レイだったんですね”

“なので、最初にオーディションの時に”

“アムロというのは戦いたくない主人公なんですって、説明されたんですよ”

“え～？ロボットアニメのヒーローで戦いたくない主人公って何なんだろう？”

“と思って…　それで…”

“もしかして、このキャラクターは、肩の力を抜いて、しゃべっていいんだと”

“普通の日常会話のように、お芝居をすればいいのかなと思って…”

“あ～、このキャラクターが、ちゃんと自分で全うできれば”

“納得のできる演技ができれば、星飛雄馬から脱皮できると思ったんで…”

“そしたらアニメ声優1本で、やって行けるんじゃないかと自分の中で思って”

“じゃ、この作品にかけてみようと思ったんです”

アムロのライバル、シャア・アズナブルを演じた、池田秀一。(当時29歳)

実写作品に出演する一方で、洋画の吹き替えもしていました。

しかしアニメ声優は、ほとんどやった事がなかったのです。

この時、参加したのは、アムロのオーディションでした。

“まぁ、アニメやってみないかという話しになって…”

“まぁ、それはちょっと、色々あるんですけども…”

“アニメは、ちょっと大変そうなので、最初は逃げてたんですよね…”

“アムロは、坊やみたいなキャラクターじゃないですか”

“これは、とても、できないなっていうか…”

“これは、もう、俺には無理だなっていう感じはしましたね…”

“そこでシャアと、めぐり合うわけですけど”

“安彦さんがお描きになったキャラクターの絵を見て、受かる、受からない”

“とかっていう事じゃなくて、何となく魅力的な子だなと思って、シャアを見て”

“それで、オーディションをやらして下さいって、やったって感じですよね…”

“当時は、僕は新人でしたので、リハーサルって言っても、全員集まって”

“全員いっぺん、そのフィルムを、みんなで見るわけですよ”

“だから、最初は分かんないわけですよ…　どこやってんのか”

“洋画のアテレコの場合は、声が聞こえるから、外国語が聞こえるから”

“ああ、ここら辺、やってんだなって思うけれども”

“特にアニメって、早いじゃないですか、テンポが”

“テンポが早いから、すぐ何カット、何カットって…　隣の人を見ると”

“え？そんなとこ、やってんの？って、リハーサルの時にですよ”

“でも、こっちもハッタリかまさなきゃいけないから分かってるようなフリをして”

“本当は、全然、分かってないわけですよね…”

“ですから、当初はね。　音響監督に言って、夕方4時頃からでしたかね…”

“毎週、収録する時間は”

“で、1時間くらい前に行って、先ほど言ったフィルムですから”

“1回、皆さんが集まる前に、見せてもらってましたけどね…”

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