FC2トラックバックテーマ:「ついつい気になってしまう他人の行動は?」介護中の母親が、倒れたという連絡を受け、急いで引き継ぎをして、帰宅する
男性社員。 実は、この男性が母親を介護中というのは、架空の設定。
これは、ある企業が導入した、体験型研修の一場面です。
社員に意識改革を促し、女性をはじめ、多様な人材が活躍できる職場を作る
のが狙いです。
“変わりましたね。 すごく…”
“物理的に残業できないという事に対する理解というのは、非常に深まった”
労働力人口が減少する中で、待ったなしと言われて来た、女性活躍。
今、鍵を握ると注目されているのがアンコンシャス・バイアス無意識の偏見の
克服です。 あなたは、どこかで、まだ、仕事は男性。
家事・育児・地域&学校行事・介護は女性、と思い込んでいませんか?
古い価値観や、思い込みを乗り越えて、新しい職場作りを目指そうと模索する
現場に密着しました。
こうした中、上司の意識改革を促し、女性社員の育成につなげるための取り
組みが始まっています。
この会社は今年、全ての管理職を対象に、アンコンシャス・バイアス無意識の
偏見に着目する研修を始めました。
アンコンシャスバイアスとは、自分でも気付かない考え方や、ものの捉え方の
偏りの事。
例えば上司に、男性は仕事、女性は家庭という思い込みがある場合、女性
部下に割り振る仕事が限定され、成長の機会を奪ってしまう事があるといい
ます。 今回、研修を受ける、管理職の男性です。
“自分が、どういったバイアスを持っているのか?”
“正直、分からないというか、少し緊張もしています”
研修では、性別に対する無意識の偏見が、どれだけあるかを測定します。
テストは、こちら。 出題される単語が、左側の仕事と、右側の家庭のどちらに
属するのか? 瞬時に判断して分類して行きます。
そして、左側の仕事の分類には男性。 右側の家庭の分類には女性。
という言葉が加わります。
更に、途中で入れ代わり、
左側の仕事の分類には女性。 右側の家庭の分類には男性。 すると…。
男性と家庭という組み合わせに偏見があると、回答のスピードが遅れます。
回答者の反応速度を基に、アンコンシャス・バイアスを測定して行きます。
“はい。 私の結果が出ました… 0.871”
“男性と仕事、女性と家庭を強く結び付けて考えている傾向がありますと…”
結果は数値で表され、他の受講者の平均と比較する事ができます。
“あぁ… 0.871という数字は、結構、高めなのですね…”
“正直、もう少しフラットかなと思っていたのですが考え方が古いですかね…”
結果は研修ツールを開発した企業が詳細に分析し、改善策などのアドバイスを
行っています。 これまでに30社、1万7000人以上が受講。
管理職が、自分の思い込みに気付く事が、意識改革の第1歩だといいます。
“本当に何かを変えて行こう、変革をして行こうという時には、無意識バイアスを
絶対に乗り越えて行かなければいけないのですが、キッカケさえつかめて、
やっぱり、そうだと腹落ちできれば、次の日に行動を変える事ができるという
のは、見ていても分かって来たので、ある意味、希望かなという風には思う”
2年前に全ての管理職が研修を受講した、この企業では、その後、マネジメントに
変化が起きていました。
30人ほどの部下を束ねる男性は、研修を経て、性別や年齢のバイアスが
あった事に気付いたといいます。
“私の数値が、0.684なので、かなりバイアス的には高い…”
“このバイアスというものをかけないで、1から仕事の割り振りを考えてみる”
今年4月。 管理職の男性は、思い切った決断をしました。
“今年は、マネジメントの一端を担ったわけですが…”
これまで管理職が担当してきた顧客への電話対応の指導役を、入社4年目の
女性社員に任せたのです。
“実力をつけると、それで自分自身も積極的に活躍して行けるという事もある
と思うし…”
仕事を任された女性社員は、言う。
“自分は当初リーダーなんてできないと思っていましたが、自分にはできない
と思っている仕事も、挑戦はしてみて、どんどん挑戦を続けて行く事で、経験を
増やしながら、成長はして行きたいなという風には思っています”
誰もが活躍を望める会社。 実現できるのでしょうか?
アンコンシャス・バイアスについて、この研修ツールを開発した企業によると、
実は女性も男性は仕事、女性は家庭というバイアスにとらわれているケースが
多いそうです。
ただ、このバイアスがあるからいって、その人の考え方が、良いとか悪いとか
ではなく、そのバイアスに気付く事が大切だという事です。
女性活躍への取り組みが進まないという事の背景に、やはり、こういった
無意識の思い込みが根強くあるのではないかという事が、浮かび上がって
来たのですが、私も、胸に手を当てて、しっかりと考えなければいけないと
思いましたが、教授は、どう考えていますか?
今回このテーマについて、僕も男性としてお話する事に責任を感じています。
ただ、これが必要な事で、例えば女性が活躍するためには、家庭で男性の
協力が必要だと、こういう調査が出ているのです。
マイノリティーに対する差別において、マジョリティーが変わらなければいけ
ないのと同じように、これはやはり男性側の問題でもあるのです。