FC2 トラックバックテーマ:「2020年の個人的流行語大賞は?」介護中の母親が、倒れたという連絡を受け、急いで引き継ぎをして、帰宅する
男性社員。 実は、この男性が母親を介護中というのは、架空の設定。
これは、ある企業が導入した、体験型研修の一場面です。
社員に意識改革を促し、女性をはじめ、多様な人材が活躍できる職場を作る
のが狙いです。
“変わりましたね。 すごく…”
“物理的に残業できないという事に対する理解というのは、非常に深まった”
労働力人口が減少する中で、待ったなしと言われて来た、女性活躍。
今、鍵を握ると注目されているのがアンコンシャス・バイアス無意識の偏見の
克服です。 あなたは、どこかで、まだ、仕事は男性。
家事・育児・地域&学校行事・介護は女性、と思い込んでいませんか?
古い価値観や、思い込みを乗り越えて、新しい職場作りを目指そうと模索する
現場に密着しました。
例えば、男性の上司が、管理職が、女性がそもそも望んでないのではないか
という事も言ったりするのですが、そもそも、やはり、このキャリアを選択すると
いう事を、選択肢の中に入れられるかどうかという事が必要なのです。
では、その時にキャリアを選ばなかった女性の生き方を否定するのか?と
いったら、そうではなくて、人生の分岐点に立った時にフラットな選択肢として
提示できる社会であるのか?組織であるのか?
こういった事が重要な課題だと考えています。
各国の男女格差を図るジェンダーギャップ指数というものがあるのですが、
日本は、153カ国中、121位。 (2019年/世界経済フォーラム)
主要先進国で、最低のレベルにあります。
これはどうして、日本で、なかなか女性活躍が進まないのか?
やはり、無意識の大きな壁というものがあるのでしょうか?
キャリア形成の専門家に話しを聞いてみました。
管理職における女性という事で考えると、まず、女性が管理職になりたがら
ないという、先ほどもデータがありました。
ただ、それは入社後、だんだん下がって行くという事は、どこか職場の構造に
問題があるという事を考えなくてはいけないという風に思うのです。
そうすると、やはり職場の中に、このアンコンシャス・バイアスがある。
例えば上司が、女性に、この仕事を任せていいのだろうか?
この人は、いつか辞めるかも知れないと思っていると、そこで重要な仕事や
責任のある仕事が任せられなくなって行く。
日々の、ちょっとした仕事の積み重ねが、アンコンシャス・バイアスによって
任されないという事が、10年、20年経って行くと、ものすごく大きな経験の差に
なって行く。 ここが非常に重要な問題だと思います。
それが大きな構造的な格差になって行くという事ですね? そうですね。
女性の側にも、そういったバイアスがあるという事もありましたが、これはどう
とらえればいいのでしょうか?
女性も、自分は育児をしなければいけない。
夫が転勤したら、自分は仕事を辞めて、ついて行かなければいけない。
など、自分を主体に考えにくい状況の中で選択の中に、どうしてもバイアスが
かかってくるという事はあると思います。
企業の中のケースを見て来ましたが、実は、家庭の中にも、意識のの偏りが
ありそうなのです。 ある民間の会社が、女性に行ったアンケートです。
どうすれば、日本社会の男女格差を解消できると思うか?と複数回答で
聞きました。
その結果、保育環境の充実や法律の厳格化などの回答を抜いて、
1位は、男女の平等な家事分担 という事でした。
会社の中では、女性活躍と言っている男性が、家に帰ると、家事の大半を
妻に任せてしまっているという事は、ありそうな事なのですが、皆さん、この
意識と行動を変えるというのが、非常に重要だと思うのですが、どうですか?
その通りですね。 女性に対する問題が難しいのは、最も身近な問題である
のに関わらず、多くの人たちが、男女問わず無自覚だという事です。
例えば、アンコンシャス・バイアスを問う、1つの質問があります。
小さい子供を持つ女性には、なるべく出張のない業務を割り当ててあげると
いうものがあるのですが、正解は、ノーです。
これは、小さい子供を持っていたとしても、キャリアを選択して出張したいかも
知れないので、やはり、この質問をして、選択を一緒に行っていくということが
必要なのです。
やはり、これが難しいのは、時に善意の形を取って、こういったアンコンシャス
バイアス格差を広げとしまうかも知れないということ。
家庭や組織だけではなく、社会のあらゆるところに根づいているということが
この問題の難しさだと思います。
私たちが、良かれと思って言っている事の中にも、何かバイアスがかかって
いるのではないかという事ですが、そうすると、職場や家庭などで社会全体で
こういった無意識の壁を取り払って行かなければいけないという事ですよね。
無意識の壁がある事によって相当、人材の無駄遣いというのが起こっている
と思うのです。
非常に能力のある人に、でも、この人には、こういう仕事をやったら、何か少し
可愛そうではないのかな…という事によって、仕事を任せない事によって、
本当は100の仕事が出来る人に50の仕事しか任せないという事になります。
この職場の人材の無駄遣いというのは、社会全体として見てみても、やはり、
大きな人材が、本当に能力が発揮できていないという状況につながっている
という事を、重く見る必要があると思います。
誰も得する事ではないという事なのですね。