残業も転勤も当たり前という、これまでの正社員の姿から、多様な働き方が
できる正社員になって来ている。
以前は、時間や場所にとらわれず、元気にバリバリ働く、そういった労働者を
企業は採用しようとしていた。
ところが、時代が変わるにつれ、なかなか人が採用できなくなって来た。
時間や場所に制約があっても、働いてもらいたいという企業が増えている。
その結果、短時間勤務の人たちが増えて、シフトをどのように組むのか?
あるいは、転勤が出来ない人たちを、どう配置転換して行くのか?
そういった、労務コストは増えている。
それでも、多様な人材を雇って行かないと、人手を確保できないという企業が
増えて来ているため、多様な人材を活用しようとしている。
また、正社員化の動きは、どのくらい広がっているのか?
企業全体的に広がって来ているものの、動きは2つに分かれている。
銀行やマスコミなど、採用がしやすい業界は、動きが少ない。
逆に、人手不足が続いている業界、流通業やサービス業や小売業などは、
もともと離職率が高いので、正社員にして囲い込む動きが活発である。
業界によって、若干の温度差がある。
正社員になると、さまざまなメリットがある一方で、これまでには無い責任も
生じます。
新たに正社員になった人の中には、戸惑いを感じるケースもあるようです。
正社員の責任と不安とは?
クレジットカード会社に勤める、パートから正社員になった女性です。
これまでの担当は、顧客向けのダイレクトメールの校正。
キャンペーン情報などが記された文章を、チェックして来ました。
女性は、言う。
“足りない文章はないか? 説明文が足りなくないか?”
“PC会員のお客様に対するメールは、全て英数字の半角にして統一させて
配信するので、そこを直したりしています”
正社員になった今、メールの校正に加え、新たな業務も担当して欲しいと
上司から打診されています。
それは、ダイレクトメールが、どれだけの効果を生んだのか? という顧客の
反応を検証し、分析する仕事です。
上司は正社員になった事を機に、より難易度の高い仕事も任せたいと考えて
いました。
上司は、言う。
“これは、一からの勉強になるので、ちょっと大変だとは思うけど、やって
もらいたいと思います”
女性は、言う。
“家庭の事も大事にしたいと思っているので…”
2つの仕事を、きちんと、こなして行けるのか?
残業が増えるのではないか?
女性は、なかなか自信を持てずにいました。
“正社員に上がるからには、より高いレベルの事が求められる”
“業務の幅も広がって行くと、不安がある”
どうすれば、この女性のような人たちが抱える不安を、解消できるのか?
管理職などが集まり、話し合いが行なわれました。
“面談というか、日々、確認を、毎週でもやらないといけない”
“個々のライフステージで担える役割を、変化に多様性に企業側が対応する”
1人1人の事情に配慮しつつ、仕事のキャリアアップも支援する。
両立への模索は、始まったばかりです。
“活躍もして欲しいし、プラス、先にも行って欲しい”
“でも、それで押しつぶされない様にするというのが、現場で、ちゃんとやって
行かなければならない”
業務が変わったり責任が重くなる、正社員になるという事は、そういう事でも
ある。
もともと企業の期待として、アルバイトやパートは、短時間で軽作業という
傾向が強かった。
ところが正社員になると、仕事への成果や生産性が求められるので、それに
見合う働き方が当然の様に期待される。
では、正社員化にするにあたり、企業のサポートは?
企業は正社員化にするだけして、実質的には、何も変わらない事が多い。
そのため、社員に対する教育や、上司のマネジメントなどの必要性が求め
られる。
何とか、正社員として繋ぎ止めたい。
その背景には、こんな驚くべき事態もある。
人手不足倒産という言葉を聞いた事がありますか?
人手不足倒産とは、例えば業績が好調で店舗を増やしても、人手が確保
できないために、営業ができずに行き詰って倒産するようなケースをいう。
じつは、このようなケースは、年々、増えているのです。
人手不足倒産の件数は、2017年、特に増えています。
4年前の、およそ3倍になっています。
こうしたなか、企業が熱い視線を送っているのが、こんな人たちです。
採用の現場に、新たな風とは?
都内の雑居ビルで、ある若者たちを対象に、企業で働くための研修が行なわ
れていました。
集まっていたのは、いずれも地方出身の就職希望者。
中学や高校を卒業後、地元で働いたりフリーターをしたりしていたといいます。
半年間、泊まり込みで行う、この研修。 その名も、ヤンキーインターン。
中には、本当にヤンチャをしていた人も…。
“1年半前は、これだったのに、今は、これ! 暴走族でバイクに乗ってた”
山口県出身の22歳の男性は、定時制高校を卒業した後、建設会社に就職。
しかし、労働環境と賃金に不満があり、3年で退職したといいます。
“(地元では)手取りで12万円とか、1カ月休み無いとかも普通にありました”
“それが、自分が今までして来た事なので、しょうがないと思っている自分も
いたので、けど、それじゃあ納得がいかなかった”
“自分の人生を変えようと思った”
ヤンキーインターンの参加者には、意欲が高く、肝が据わった若者が多いと
いいます。
研修の主催者は、言う。
“彼らは、本当にポテンシャルを秘めていて、多くの企業の力を借りて、
(就職先を)広げて行きたいです”
このヤンキーインターンで、特に力を入れているのが、営業研修です。
多くの企業で、営業人材が不足しているからです。
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