FC2トラックバックテーマ:「ついつい気になってしまう他人の行動は?」資本主義にも、さまざまな形があるのならば、経済成長という夢の形も変わる
のか? チェコ総合銀行のチーフ・エコニストは言う。
“今の世界は資本主義か? それとも、成長資本主義か?”
“僕は、成長資本主義だと思っている”
“みんな成長できなかったら、もう終わりだって、思っている”
“おかしいよね。 常に成長するというのは、ナイーブな思い込みだ”
成長をめぐる問い。 パンデミックが社会に亀裂をもたらす中で、複雑に響く。
そして、形なき資本主義が、1つの産業文明の転換点だとしたら、向かうべき
先を決めるのは、今?
近年、注目を集める、トルコ出身の気鋭の理論経済学者は、言う。
“成長を止めろという過激な主張に反して、私は成長が大事だと考えます”
“アメリカで起きて来た事を考えて下さい”
“経済成長はあったが、低所得者に関しては小さかった”
“成長の鈍化が反発を招き、政治的2極化や、社会の崩壊を招いたのです”
“西欧ではもちろん、特に途上国では成長しない事の代償は、とても大きい”
“今も世界の10億人以上が、相対的に貧しい”
“人々を、どうすれば貧困から抜け出せるか?”
“経済成長は、その唯一の方法と言ってもいい。 台湾・日本・韓国・中国・
ガーナ・ボツワナなど、経済成長が大勢の人を貧困から救った”
“政府の再分配や、海外からの援助だけでは効果は乏しく、困窮する人々を
救えないのです”
イギリスの中央銀行で金融政策委員も務める経済学者は、言う。
“生産性や成長の流れは、1つの大きな波のように見えます”
“産業革命は、長い時間をかけて、生産性や生活水準を向上させて来ました”
“私たちは、今、1つの大きな波の中にいるという解釈も成り立ちます”
“この波は100年ほど続いており、多くの物が発明され、変化をもたらしました”
“衛生設備・空調設備・移動手段などです”
“この大波は、終わりを迎えたと言われる一方、それは悲観論にすぎず、
今後も新たな波は生まれ続け、生産性は大きく向上するとの意見もあります”
大蔵省出身の異端の経済学者は、言う。
“高度成長のメカニズムと全く違って、新しく時間を生み出している訳ではなく
時間を消費したり、より便利にする技術が発達してるだけだから、新しい事が
出来るわけではないと思うのです”
“利便性が増すだけなので、何か新しい事ができるわけではないという”
“だから、進歩にはつながらないと思いますし、社会がよくなるわけではないと
思いますね…”
“今あるもので、毎日、みんなが使ってる必需品を、少しずつ改良・改善して
行くという事は、みんなが自然に幸せになる事じゃないですか”
“お金には、ならないかも知れないけど”
“そういう時代は、むしろ良いわけで… 量的拡大の起きない”
“だから、循環型経済とか社会と言っているのは、言葉的には正しい方向へ
行っていて… 同じ事の繰り返し”
“その中で、みんなが必要と、明らかに必要だと思っているモノを、少しずつ
改善して行く事。 そういう社会に、方向は向かっていると思うので…”
証券会社のチーフ金利ストラテジストは、言う。
“例えばITの世界とは、要するにAI化みたいな話しがずっと、この10年近く
言われている中で、結局、1つのソフトウェアなり、技術を開発した人が全て、
その生み出した価値を報酬として受け取るべきなのか?どうか…”
“で、これは今までの、従来のモノ中心の社会とは違う”
“モノを作るためには、どんなにそれを、もともと発明した人がいるにしても、
作るために多くの人を巻き込んで行くので…”
“そこに雇用も生まれるし、賃金も生まれる”
“だから、強制的に配分しなくても、ある程度は、やはりそこに均一な状況が
生じうるのですが、今みたいにデジタル化の社会になって来ると、やはり、
発明した人だけが、全て、それをもらってしまうと、逆に、もらえない人という
のが、明らかに出て来るのだと思うのです”
“そこを、じゃあ、どうするのか?と言ったら、これが、まさに配分なのです”
“そこを、じゃあ、国としての、まさに価値観を、どう置くか?なのです”
政治・経済・文化・科学・芸術。
さまざまな分野の価値観が、せめぎ合うはずの社会で、デジタル主導の
経済の論理だけが、突出しているように見える、今。 突破口は?
フランスの歴史人口学者は、言う。
“これまでの経済の勝利とは、記号的なものの圧勝でした”
“物価や利益率・金融など、あらゆるものを数値化・非物質化した勝利でした”
“逆に、コロナがもたらしたのは、物質的なモノへの回帰です”
“労働者の質・病院で働く人々の質に回帰する事”
“物理的な現実・リアルな問題に立ち返る事です”
マイクロソフトに所属しながらテクノロジー研究者は、言う。
“AIは、個人主義的思考の究極の結果だと思います”
“競争に勝ってトップになりたい!そうした思考が、AIに投影されています”
“将来的に、正しい道ではないかも知れない”
“技術の方向性を変えるべきだと考えています”
“人間と競ったり、自律したりするAIではなく、人間を補完し、社会に強調を
もたらすように、デザインされるべきです”
“人に追いつき、追い越すような技術は、大きな無駄だと思います”
フランスの歴史人口学者は言う。 “しかし、もう手遅れなのかも知れません”
“全ての階級で細分化が進み、人々はバラバラの個人になってしまっている”
“これは集合的な信仰の問題なのです”
“どこかに帰属している意識が失われている。 共同体を意識して団結する
能力や、結束して行動する力が今、必要とされています”
“不思議に思われるかも知れませんが、私たちの問題は宗教に近いところに
あるのです”
あらゆるモノを商品化する事で、強大化して来た資本主義。
モノから心まで、物質から精神まで。
そこに生まれた自然の脅威は、人類の歴史の中で受け継がれて来た基層と
なる価値観を、呼び覚まそうとしているのか?
近年、注目を集める、トルコ出身の気鋭の理論経済学者は、言う。
“弊害を無視して経済成長に突き進むか? 成長の速度を落とすのか?”
“2者択一ならば、どちらが良いか分かりませんが、そんな選択をする必要は
ないと思います。 もっと別の選択肢があるはずです”
“経済成長を続けながらも、社会や環境への影響の仕方を改善して行く道が
あるはずです”
“10年前でしたら、私は、そのためには規制と制度が重要だと考えました”
“でも、それを支えるものとして、社会規範の大切さを上げたいと思います”
“市民社会の中で、人が人に行動変容を促す。 そうした社会の規範です”
“強欲や欲望を、法律や規制だけで抑える事はできません”
“人は、制度を不当に利用する方法や、抜け穴を見つけるものです”
“だから、社会規範が必要なのです”
“政府が化石燃料を使うなと強制するより、消費者がエコな車が欲しいとか”
“二酸化炭素を排出しない会社で働きたいとか”
“自分から望む事の方が、よほど大切です”
“法や制度だけでなく、社会規範が、ともにあるべきです”
“絶対に、完璧は、あり得ません!”
“間違った競争や強欲が、激しく表われる事は、あるでしょう”
“しかし社会に、これらの事柄に気を配り、圧力をかける仕組みがあり、
政府が社会とともにあれば、その方が、ずっとパワフルです”
時代の市場のルールからは、誰も逃れられない。
でも、時にルールから離れて、自分の社会の心の底を、のぞいてみる。
ゆっくりと、人々を再び、結び付ける社会を…。
加速して、やまない、市場の論理とは別の何かが、そこにあると信じて…。