自分ではじめる老後でも儲かる在宅仕事の成功術！

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人類は、地球についての知識や通信手段を求めて、何千もの人工衛星を
宇宙へと打ち上げて来ました。

“人工衛星は、今や、私たちの生活に不可欠です”

しかし、衛星が打ち上げられる度に、宇宙ゴミ・スペース・デブリが捨てられて
行きます。　宇宙探査が始まって以来、ゴミは増え続け、事態は制御不能に
なりつつあります。

飛び回る破片は、人工衛星や、未来のミッションへの脅威となります。

“増えるペースが、消えるペースを超えています”

“地球の周りはガラクタだらけになり、衛星を使えなくなるでしょう”

宇宙への夢を、悪夢へと変えないために、宇宙の掃除を始めなければ、なり
ません。　手遅れになる前に！

宇宙空間で、実験を行いたい研究者たちにとっては、理想的なツールです。

“宇宙ゴミ回収の構想は、ハープーンを含めて、1度限りしか使えないという
問題を抱えています。　メドゥーサの場合は、繰り返し使えますし、捕獲に失敗
しても、何度もトライ出来る利点があります”

メドゥーサの欠点は、小さなゴミしか回収できない事。

故障した人工衛星のような大きな物体には、別の方法が必要です。

そこには、資金的な問題が立ちはだかります。

フランス国立宇宙研究センターの博士は、言う。

“残念ながら、大型のデブリを取り除く事業は、めどが立っていません”

“資金を出すところが、ないからです”

現在、最も大きい宇宙ゴミは、地球観測衛星として使われていたエンビサット
です。　バスほどの大きさがあります。

これを、2002年に打ち上げたヨーロッパ宇宙機関は、巨額の投資に見合う
成果を、この衛星に求めました。

当時の担当者の判断を、現役の職員は批判しています。

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の博士は、言う。

“彼らは利益を優先するあまり、燃料を最後まで使い切らせました”

“軌道から外れるための、予備を残さなかったのです”

世界最大の観測衛星として造られたエンビサットは、5年間で地球を5万回、
周回し、その後、軌道から外される予定でした。

しかし、ミッションは延長されました。　　打ち上げから10年後の2012年4月、
エンビサットは突然、制御不能に陥ったのです。

今は、他の衛星の進路に侵入する、時限爆弾のような存在になっています。

深刻な脅威を前に、ヨーロッパ宇宙機関は、エンビサットを軌道から外す
プロジェクトに巨額の予算を投じています。

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の博士は、言う。

“私たちは、網、ネットで捕獲する案を検討しています”

“ネットをかぶせたら、そこにロープをつないで、引っ張って行くのです”

スペースネットの実験には、宇宙空間のような無重力状態をつくり出せる
航空機が使われています。

放物線を描くように急上昇して降下すると、機内は数秒間、重力から解放
されます。　その間に、小型のスペースネットの実験を行います。

実験によってネットの四隅に、おもりを付けると、物体を、より捕らえやすくなる
事が分かりました。

残る課題は重たいエンビサットをトラクターの様に引っ張る衛星の開発です。

“エンビサットの重さは8トンです。　衛星が、そのような、自分より重いものを
動かす場合、押すよりも引っ張る方が安定します”

宇宙の安全に欠かせないプロジェクトにもかかわらず今はまだ理論の段階に
とどまっています。　理由は単純です。

“プロジェクトを実行するには、5億ユーロも必要なのです”

技術面と経済面の両方で、宇宙ゴミを回収するロボットは、まだ実現していま
せん。　　　フランス国立宇宙研究センターの博士は、言う。

“宇宙ゴミの回収作戦は、安いコストで行う必要があります”

“他の宇宙開発事業に、相乗りや、タダ乗りできるようにする”

“例えば、スペースタグが有望でしょう”

スペースタグは多機能で、いわば、宇宙のスイスアーミーナイフです。

“ある日は衛星に補給を行い、次の日は別の衛星の修理をし、翌日には、
検査でもメンテナンスでも行います”

“1週間後に地球に戻る時は、宇宙ゴミを拾って、大気圏に送り込むのです”

しかし開発中のスペースタグには、いくつかの技術的な課題が残っています。

スペースタグ開発中の担当者は、言う。

“私たちの技術では、まだ、制御されていない物体と、ランデブーする
プログラムを組めません。　古い衛星やデブリも、その1つです”

ランデブーは、2つの機器を精密に制御しながら行います。

“ロボットの側が、自動的に最適の動きを選択する自己完結型のシステムが
必要です。　視覚センサーをもとにしたもので、周囲の状況を、ロボット自身が
分析し、ゴミの中から、回収価値の高いものを選び出します”

“あとは、それを捕まえて処理すれば良いのです”

スペースタグは、まだ研究段階ですが、資金を確保できたため、2025年に
宇宙でのゴミ掃除を開始できるかも知れません。

スペースタグを利用したいと考える事業者は、他にもいるかも知れません。

民間のベンチャー企業の中には、宇宙開発に乗り出すものも多く、多数の
通信衛星を打ち上げて、世界的なﾌﾞﾛｰﾄﾞﾊﾞﾝﾄﾞ網を作る計画も進んでいます。

メガコンステレーションと呼ばれる構想で、アメリカの企業が実現を目指して
います。

“ワンウェブ・プロジェクトでは、私たちが開発した衛星を、星座のように打ち
上げる予定です。　目的は、世界の情報格差をなくす事”

“インターネットにアクセス出来ていない世界の半数40億人に、ブロードバンド
通信を提供します。　まず、882の衛星を投入します”

この数は、現在、稼働している人工衛星の総数に匹敵します。

宇宙ゴミの専門家は、懸念しています。

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の博士は、言う。

“メガコンステレーション構想は複数あり、ワンウェブだけで数千の衛星が”

“他にも、ボーイングやスペースXといった民間企業が、打ち上げ計画を競い
合っています”

“結果として、いずれ、その全ては宇宙ゴミとなり、大問題となるでしょう”

宇宙ゴミの増加を止めるためには、国際的な規制が、直ちに必要です！

希望は、あります。　宇宙開発に関わる多くの人々が、その必要性を訴えて
いるからです。　　　ワンウェブの会長は、言う。

“私たちが心配しているのは、宇宙ゴミの問題を管理する世界規模の組織が
存在しない事です。今は多くの国の、多くの異なる組織が、バラバラに不確実
なアイデアを唱えるだけで、具体策がない状況です”

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の博士は、言う。

“この問題を解決するには、国連の力が必要です”

“全ての国が、スペースデブリの掃除に参加するように、義務付けるのです”

それぞれの国に対応を任せて来た結果、宇宙ゴミの脅威は高まり続けてい
ます。　何もしなければ、私たちの生活もコントロールを失った状態に陥るかも
知れません。