FC2 トラックバックテーマ:「歴史上の人物と話せるとしたら誰がいい?」私たちが、毎日、使う、トイレ。 その、お国事情は、さまざまです。
先進国では至る所にトイレがあり、大量の水が流されますが、その水は、
莫大な費用をかけて集め、浄化し、運搬したもの。
(発展途上国なら飲めるほどの)貴重な水資源を、浪費しているのです。
“水洗トイレを生み出したヨーロッパのトイレ事情は、ほとんど進歩がない”
“今こそ、見直さなければ、いけないのです!”
世界の人口の3分の1は、いまだに清潔なトイレとは無縁。
衛生環境の改善のため、私たちに、何が出来るでしょうか?
“これは人間の大便です。 2億超のロタウイルス。 2千万超の赤痢菌”
“トイレのない地域はウイルスや細菌にまみれ、子供たちは常に危険にさら
されています”
今こそタブーを破り、トイレと、正面から向き合おうではありませんか!
興行収入は、21億6000万ルピー、およそ30億円を超え、インド国民、特に、
彼女と同じ境遇の女性たちに、大きな影響を与えました。
“私たちの実体験。 この映画で、女性の苦しみを分かってもらえると思う…”
“実家に戻った時、近所では、変人扱いされました”
“でも、夫がトイレを作ってくれたので、家に戻ると女性たちの意識が変わった
のです。 私たちだって出来るはず!と”
‘私たちの娘は、トイレのある家に嫁がせます!’ ‘清潔を信条に!’
彼女の行動は、意識改革の切欠にはなりましたが、まだ高い壁があります。
インドには、カーストという階級制度があり、職業も、世襲で決まります。
トイレの掃除は、最下層の不可触民とされて来た人々の役目です。
‘首相は、おっしゃいました。 トイレは、寺院よりも大事な場所だ’
博士は、トイレのイメージを変えるため、そして、社会の最下層にいる人々の
尊厳のため、長年、活動して来ました。
“2030年まで、特定の人々が、排泄物の清掃をさせられて来ました”
“しかし今は自由になり、教育を受けられるようになりました”
人の手でしか、くみ取りができない旧式のトイレは、法律で禁止された後も、
依然として残っています。
不可触民は、寺院への立ち入りが許されず、更に、公衆浴場を使う事も禁じ
られています。 “この因習はイギリスの統治まで5000年間、続いて来ました”
“1870年には、コルカタに下水道が作られました”
“しかし、導入に高い費用がかかったので、不可触民にトイレを清掃させる
因習が残りました。 技術と社会、両面での解決策が必要でした”
数十年前、博士は、画期的なトイレを考案しました。
安くて、簡単で、下水道に、つながなくてよいトイレです。
“トイレは、2つの肥だめにつながっていて、1つが、いっぱいになったら、
もう片方に切り替えます” 肥だめの中身は堆肥化して、田畑に使います。
“この技術の特許は取っていません”
“ですから、貧しい人でも、自由に使う事ができます”
トイレの設置費用は、種類によって、20ドルから500ドル。
最新のタイプでは、排泄物を発酵させて、家庭用のバイオガスも作れます。
博士のNGOが管理する公衆トイレは、およそ1万カ所に、のぼります。
国や民間団体は、1億基のトイレの設置を目指し、すでに2000万基を実現。
同時に、新しい技術も、導入し始めています。
“最寄りのトイレを検索する、E トイレ・アプリです”
“トイレの維持管理も、遠隔で行う事が可能です。 E トイレは3種類”
“通常の下水道を使うものから、排泄物を嫌気性処理するものも、あります”
嫌気性処理とは、酸素を必要とせず、微生物の代謝によって、有機物を分解
する方法です。
“更に、ゲイツ財団の支援で試験的に導入しているのが、水をリサイクル
できるシステムです。 E トイレの8%に導入されます。 太陽エネルギーを使い
排泄物から水素を作り、将来的には電気も作る予定です”
シンガポールのトイレ革命を担うミスター・トイレは、言う。
“私たちはトイレを、ステータス・シンボルにしたいのです”
“ブランド・バッグのようにトイレの需要を高め、実際に使ってもらうのです”
下水道のいらないトイレが量産されれば、価格は下がり、最も貧しい人々にも
手が届くようになるでしょう。
その時、ガンジーが夢見た、衛生革命が実現するはずです。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団はインフラも水も乏しい地域のために、排泄物から
飲料水や電力を作る試みを支援しています。
アフリカやアジアの貧しい地区のトイレには、くみ取り式が多く、排泄物は、
定期的に回収されます。 くみ取ったものは、川に流す事も。
セネガルのダカールに導入された設備では、トイレ10万基分の排泄物が処理
され、再利用されています。 セネガル下水道公社の担当者は、言う。
“1日あたり、12トンの便を処理しています”
“肥料に使う灰や、発電用の蒸気を生成し、蒸留水も作っています”
ビル・ゲイツ氏は言う。 “電力や清潔な水を作る設備に感銘を受けました”
“この技術は利益を生むので、世界各地に広がるでしょう”
便は、1000度以上の高温で加熱処理されるため、病原菌は死滅します。
発生した蒸気が、タービンを回し、施設の動力源である電気を作ります。
タービンが排出される蒸留水は、飲む事が可能。
1日、およそ1万1000リットルもの飲料水を作る事ができます。
トイレ革命は、もう、始まっています。 タブーから解放され、最先端技術を
導入したトイレは、ビジネスとして重要視されつつあるのです。
自己完結型トイレを開発したイギリスのチームは、言う。
“私たちの技術を、最大限に生かせる企業を探しています”
“将来、ナノメンブレン・トイレが量産され、清潔なトイレを必要とする人々の
元に届くと信じています”
国連は、2030年までに、世界中の人が、トイレが使えるようになる事を目標と
しています。
シンガポールのトイレ革命を担うミスター・トイレは、言う。
“私は楽観的です。 2030年までに、インドでは外で排泄する人がいなくなり、
中国では、水洗トイレと高度な処理施設が普及し、アフリカではトイレの大切
さが見直され、ヨーロッパ諸国の資金が、変化を後押しするでしょう”
ミスター・トイレは資金を集め、革新的なプロジェクトを、更に支援しようとして
います。 有望な研究は、多岐にわたります。
ビル・ゲイツ氏は、言う。
“実は、トイレの悪臭の原因は、科学者にとっても謎なのです”
スタートアップ企業の社長は、言う。
“女性の協力が必要です。 子供のトイレ教育は、母親が担う事が多いから
です。 教育を通じて、タブーは、なくせるばずです”
トイレを手に入れるまでの奮闘が映画にまでなった女性は、モダンなトイレが
気に入っています。
今も昔ながらのシステムを支持する人たちは、言う。
“今は、意識改革と、新しいテクノロジーの時代”
“環境に優しいトイレを選んでほしいです”
社会の最下層にいる人々の尊厳のため、長年、活動して来た博士は、全ての
人にトイレを!のメッセージを、ボリウッド動画に込めました。