自分ではじめる老後でも儲かる在宅仕事の成功術！

FC2 トラックバックテーマ:「あなたが怒ったとき、何をしたら機嫌が良くなりますか？」
より速く、より高く、より強く。　オリンピックのモットーは、進歩を追い求める
人間の飽くなき欲求の象徴です。

身体的な潜在能力の99％を使っているとされる、現代のアスリートたち。

しかし観客やメディアは、更に上を求めています。　今、記録更新の切り札と
なるのは、競技に使う道具です。　アスリートは、常に道具の研究開発に支え
られて、数々の記録を塗り替えて来ました。

“近年、開催されたオリンピックを分析すると国別メダル獲得数と国の資金力
には、密接なつながりがある事が分かりました。　指標の1つがGDPです”

“世界記録への近道はテクノロジーです。 より洗練された道具を使えば、違い
を生み出せます”

エンジニア・物理学者・生体力学の専門家。　世界中の科学者が、より速く、
より高く、より強くを実現するための技術に取り組んでいます。

シューズや体を守るための装置の開発、そして空気力学の応用まで。

パフォーマンスの強化には、研究開発への投資が欠かせません。

“限界なんて、ありません。　誰もが技術革新と教育の恩恵を受ける事ができ
れば、日々、進歩する事ができるのです。　記録は更新され続けます”

2019年10月。　マラソン選手の彼が、歴史を塗り替えました。　42.195キロを
平均時速21キロ。　100メートル平均17秒で走り抜いたのです。

‘マラソンで2時間を切るランナーの誕生です！’

マラソンで2時間を切るのは、それまで不可能とされてきました。実験を兼ねた
非公式のレースで彼が履いていたのは、革新的なシューズ。

スポーツ用品メーカーのナイキと共同開発し、カーボンファイバープレートを
3枚入れた試作品です。

“あのシューズの開発プロジェクトには私も深く関わりました。 まず大切なのは
情報共有です。みんなで力を合わせ、心を1つにして取り組めば、目標を達成
する事ができます。　私たちはチーム一丸となって、スポーツの歴史を作って
いるのです”

彼の快挙の翌日、シカゴで別のマラソン選手が同じタイプの靴を履き、女子
マラソンの世界記録を16年ぶりに更新。　タイムを1分21秒、縮めました。

ある研究では、このシューズを履くと、4％近くパフォーマンスが向上するという
結果が出ています。

“カーボンファイバープレートを搭載した新しいシューズの登場で、ロードレース
やマラソンの世界は一変しました。トラック競技でも同じです。特殊なクッション
材とプレートによって、世界記録が突如、破られるようになったのです。　これ
からの世界記録は、いかに優れた道具を持っているかで決まるでしょう”

ﾌﾗﾝｽ国立研究機関で生体力学を使って競技用ｼｭｰｽﾞ選びに貢献する教授。

“生体力学は人体に応用できるエンジニアリングツールです。　私たちは車や
航空機の開発ではなく、人体の研究に生体力学を使います。　スポーツでは
パフォーマンスの向上とケガのリスク軽減が可能です”

トップアスリートたちが教授の専門知識を頼りにしています。フランス選手権で
優勝6回を誇るラグビークラブのラシン92も。　能力を最大限に引き出しつつ、
ケガを最小限に抑えるシューズを、選手に提供するのが目的です。

“安定感のないシューズを履いてプレーすると、足首やヒザの捻挫、筋肉の
損傷を起こす危険性が増します　。シューズが衝撃をうまく吸収できないと、
腱(ケン)や軟骨にも悪影響を及ぼします”

ラシン92の各選手にとって、どんなシューズや、スタッドが最適なのか？

教授はロボットを開発。　1人1人の足の形状やﾌﾟﾚｰスタイルに最適なシューズ
をテストします。

“自動車製造で使われる工業用のロボットアームを利用しました。　ラグビー
選手の動きを再現できるよう、プログラムを書き換えたのです”

選手特有の動きを再現するため、3Dバイオモデリングという技術を使います。

“まずは選手の分身となるアバターを作ります。 骨格モデルを作製し私たちが
共同開発したX線ｲﾒｰｼﾞﾝｸﾞシステムで選手の体を2方向からスキャンします。
このX線画像を骨格に重ね合わせたら選手の動きをモーションキャプチャーで
捉え、その測定値を使ってアバターを3Dで動かすのです”

デジタル化した動きをロボットに組み込むと、ロボットは選手の動きを極めて
正確に再現します。　角度、スピード、衝撃。　選手の動き、そのものです。

シューズのグリップ力、クッション性・柔軟性は、選手の体形やプレーによって
変化します。　ロボットで数値化する事によって、選手ごとに最適なモデルを
特定できるのです。

“どのスタッドが、どんな地面に合うのかなどをドクターに聞きます。実際、体に
害を与えかねないスタッドがあるのも事実です”

教授をチームに迎え入れてから、フィールド内でのケガは大幅に減りました。

“深刻なケガが、なくなりました。　選手のぶつかり合いを除けば、十字靭帯
(じんたい)断裂・骨折・重度の捻挫は1もつありません。 素早いサイドステップ
を踏んで膝を痛めて倒れる選手が、1人もいないのです”

ラシン92での実験は、アスリートの体を守り耐久性を高めるうえで、道具が
重要な役割を持つ事を証明しています。

“特に、多額の金銭が絡むようになったスポーツでは、選手の体は短期間に
消耗し、選手生命は、どんどん短くなっています”

アスリートの体格の変化と、迫力あるプレーを求める観客。 直接、体をぶつけ
合う競技では、選手のケガが増えています。

最も深刻なのに、解明が進まないものの1つが、脳震とうです。

“脳震とうは、脳に直接、または間接的に衝撃が伝わって起こります。タックル
を受ければ、もちろん脳を前後に激しく揺らす衝撃波が脳震とうの原因です。
脳震とうに伴う症状には、頭痛・けん怠感・記憶障害・パーソナリティー障害・
不眠症などがあります。　こうした症状の全てが現れるわけではありません。
2つか3つしか現れない事もあります。　問題は、症状がいつまで続くかです。
数分か、数日か、一生か？　脳震とうが起きた時に最も大切なのは、すぐに
競技から離れる事です。　そのまま再度、衝撃を受けるとセカンド・インパクト
症候群に見舞われる可能性があります。　滅多に起こりませんが、致死率は
50％、後遺症の確率は100％です”

フランス、エコール・ポリテクニーク。　物理学研究者の彼女は、脳震とうの
メカニズムを調べています。

“脳震とうは、起きたその場で診断するのが難しいのです。医療現場の画像を
見ても、脳に明確な損傷を見つけられるとは限りません。だから私は脳震とう
が起きる時の物理的なメカニズムに目を向けて、発生を予見できるよう取り
組んでいます”

“リングに上がる事に情熱をかけています。　リスクがあると分かっていても、
考えないようにしています”

“ノックアウトが見たくて、みんなボクシングを見るのです。　12ラウンド判定の
試合より興奮します。マイク・タイソンが2～3ラウンドで決めるKO勝ちななんて
すごすぎです”

“ボクシングには問題があります。 試合中、何度も脳震とうを起こし、それでも
戦い続けるからです”

“怖いですよ。　試合に出続ける以上、今日はリスクをクリアできたとしても、
明日は分かりません”

流体物理学を利用してボクサーを守るのが、物理学研究者の彼女の挑戦。
特殊なヘッドバンドで、脳震とうのリスクを察知しようというのです。

“脳震とうは、脳脊髄液に複数の気泡が生じて起こるという仮説があります。
脳と頭蓋骨の間にあるのが脳脊髄液です。頭蓋骨を液体で満たされたボーﾙ
だと思って下さい”

水を入れたガラスのボールに衝撃を与えて1秒2万コマで撮影すると、水圧の
変化でできた泡が、ガラスを突き破っているのが分かります。

この気泡が、脳震とうの原因に関係しているというのです。

“衝撃が加わる側では、液体の圧力が瞬間的に高まり、反対側では逆に下が
ります。その時、気泡が発生して、それが大きくなって、ぶつかり合い、ガラス
つまり、頭蓋骨や脳に損傷を与えるのです”

どんな衝撃が気泡を発生させているのか？　彼女は、アクリル樹脂のタンクを
使って、頭蓋骨の中で起きている現象をシミュレートしました。