自分ではじめる老後でも儲かる在宅仕事の成功術！

FC2 トラックバックテーマ:「あなたが怒ったとき、何をしたら機嫌が良くなりますか？」
より速く、より高く、より強く。　オリンピックのモットーは、進歩を追い求める
人間の飽くなき欲求の象徴です。

身体的な潜在能力の99％を使っているとされる、現代のアスリートたち。

しかし観客やメディアは、更に上を求めています。　今、記録更新の切り札と
なるのは、競技に使う道具です。　アスリートは、常に道具の研究開発に支え
られて、数々の記録を塗り替えて来ました。

“近年、開催されたオリンピックを分析すると国別メダル獲得数と国の資金力
には、密接なつながりがある事が分かりました。　指標の1つがGDPです”

“世界記録への近道はテクノロジーです。 より洗練された道具を使えば、違い
を生み出せます”

エンジニア・物理学者・生体力学の専門家。　世界中の科学者が、より速く、
より高く、より強くを実現するための技術に取り組んでいます。

シューズや体を守るための装置の開発、そして空気力学の応用まで。

パフォーマンスの強化には、研究開発への投資が欠かせません。

“100種類も200種類も、何百種類もあるマテリアルの種類、あるいはデザイン
の中から、もちろん、理論的に絞り込んだり、理論的に候補を挙げていくので
すけど、やはり、まずは候補となった素材のマテリアルを持って来て、それの、
どちらかというと摩擦抵抗、それを、まず、しっかり測って、それで摩擦抵抗…
やはり摩擦抵抗が大きいよりも小さい方がいいので、それの小さい素材を
計測して、選んで、特徴を見ながら、どこのパーツに使うか、あるいは、どう
いう形状に使うか、それが決まって来て、あるいは、それが検討されて来て、
それを基にデザインを決めて行くという事ですね。　今度は、そのスーツ全体
でのパフォーマンス、空気抵抗を測って、そこから絞り込んで行くという、そう
いう作業ですね”　　どの素材を、どのパーツに使えば有利なのか？

研究チームは、自転車を、こぐ動きを再現するマネキンを使って、空気抵抗を
正確に測定。　上半身から足まで最も抵抗が少ない素材を選び出し、最適な
場所に配置しました。

“色んな生地を比較して、いくつか、いいものを選んで、その中で表面形状を
変えるのです。　例えば、縫い目の位置を変えたり、あるいは表面の凸凹を
入れたり、あるいは線を入れたり、縦に横に。　そういう色んな作戦をやって
生地を選びます”

“普通、一般的に考えると滑らかな方が、いいような気がするのですけど、
あるいはパーツによっては、その方がいいのですけど場合によっては凹凸が
あった方が縫い目があった方が… そこで境界層が剥離するというのですけど
その流れを大きく変える、チェンジする、そういうキッカケになる場合があるの
です。　その方が最終的に空気抵抗を下げる場合があって、そういう位置に
よっては、逆に縫い目があった方がいいという時もあるので…”

全てのピースを完璧に組み合わせた、ジグソーパズルさながら。教授とチーム
による最新のスキンスーツの誕生です。

“特性面でいうと、以前、従来の素材に比べて約4～8％の空気抵抗が、減ら
したという事は分かりました”

“僅かな違いで勝負が決まる事もありますし、その差を積み上げていく事で、
選手をサポートするという事も出来ると思うので、また、そういうサポートが
選手の自信というか、そういうものにつながる可能性があるので、そういう
意味では直接的でないかも知れないですけど、選手のパフォーマﾝｽを上げる
事に貢献できるのではないかと考えています”

科学技術の発展とともに、進化し続ける道具。　パラリンピック選手にとっては
体そのものに、なりつつあるようです。

“パラリンピック選手のパフォーマンスは、近年、飛躍的に向上しています。
カーボンファイバー製の義肢を使うようになってからは特に、そうです。　技術
改良により、健常者のオリンピック記録に迫る競技さえあります”

アイスランドの義肢メーカー、オズール社に、世界で最も革新的な義足を作る
エンジニアがいます。

“スポーツ用の義足、ブレードが初めて使われたのは、1992年のバメセロナ
パラリンピックの時です。　以来、改善を加えた新しいブレードが次々と生まれ
ています。　その機能を最大限、高める為、さまざまな形が登場して来ました”

世界各国のパラリンピアンが、彼のブレードを着けて活躍しています。

エンジニアが何年も取り組んで来たのは、アスリートの体に合わせて作る、
安定感に優れ、より速く、より強い義足です。

“15歳の時、車に、はねられました。 あまりにも、ひどい傷だったため、医師は
3日後に片足の切断を決めました。　正直、ホッとしました。　痛みからは解放
されるし、足を残せば2度とｽﾎﾟｰﾂは出来ないだろうと言われていたからです。
もう1度、走りたい。　当時の夢は、それだけでした。　その後、パラリンピック
出場を目指すようになると運命の道が開け、事故から8年後のロンドン大会で
100メートル優勝を果たす事ができました”

ほとんどのアスリート同様、彼女は、これまで短距離走でも、走り幅跳びでも、
同じブレードを使っていました。しかし、走り幅跳び記録の限界を打ち破るため
エンジニアは、この競技に特化したブレードの開発に乗り出します。

“従来のブレードは、ジャンプに重きを置いて設計されていなかったため、必要
以上に硬く、スタートの段階でスピードをロスしていました”

エンジニアは、アスリートの協力も得て、テストを重ねます。　目指すのは、
加速力に優れ、反発力などの機能を最大限にまで高めたブレードです。

“実際に、3Dで動く骨格モデルを作りました。　一種のアバターです。　調整に
必要なデータが大量に得られるだけでなく、健常者アスリートの動きとも比較
できます。　先は長いですが、私たちは健常者と同じレベルを目指しているの
です。　開発では、2つの要素が重要です。　まずは走る時、いかに多くの力を
ブレードの先端部分に乗せられるかという事。　そして、蓄えたエネルギーを
前進する時に、どれだけ有効に使えるかという事です”

彼女は、義足を調整するスタッフや科学者のチームが見守る中、試作品を
テストします。　彼女と新しいブレードの相乗効果は、見られるのでしょうか？

“ブレードを着ければ、すぐに走れると思っている人がいますが、大きな誤解
です。　体に馴染ませて、ある意味、ブレードを手なずけないと、効果的には
使えません”

“この義足で走ると新しい能力を得たような感覚になります。 とてもスピードに
乗りやすいのです”

進歩を続けるスポーツ用の義肢。　しかしスポーツ界は、完全に受け入れて
いるわけでは、ないようです。　2014年、ドイツ陸上選手権。

8メートル24を跳んだ彼は、健常者と競って優勝した、初のパラリンピアンと
なりました。　しかしヨーロッパ選手権、リオデジャネイロ・オリンピックで、
健常者と戦う事は、許されませんでした。

“あの日、私が優勝するなんて誰も予想していなかったと思います。健常者の
大会に私が参加するのを、快く思っていない選手が多くいるのは知っていまし
た。　競技当日も、明らかに歓迎されていない雰囲気で、つらかったです”

“健常者と同じ大会で競う事に対する、世界陸連の考えは理解できます。
私たちが道具に助けられているのは否定できませんし、健常者が疑念を抱く
理由も分かります。　スポーツはフェアで、クリーンであるべきです。　成績を
上げるために、むやみにテクノロジーに頼るのには反対です。　でも、手足を
失った私たちに選択肢がないのも事実です”

“ランキングを別にすればいいと思います。　私は、オリンピックでメダルを取り
たいわけでは、必ずしもありません。　なぜなら私はパラリンピック選手だから
です。私がオリンピックに参加する事の意義は、障がい者アスリートに世界中
のスポットライトが当てられるという点にあるのです”

“皆が納得する答えを出すのが、難しい問題です。健常者のアスリートが不利
だと感じ、自分の体を、いじって義肢を着けようとする危険性さえあります。
それは、もはや、人間改造の領域です。　生まれ持った体では物足りず、科学
技術を使って強化し補おうとする考えです。人間は自分の体に限界を感じると
道具や装置に頼って、補おうとする生き物ですから…”

“競技能力を高めたいなら、どこまでが許容範囲か？より速く、高く、強くという
オリンピック・モットーを思うと、ジレンマに陥ります。　科学の進歩がスポーツ
の未来を担っているのは確かです。　それが良い方向に進むのか、悪い方向
に進むのかは、ともかく…”