あなたは、故郷のお墓、どうしていますか?
今、墓から先祖代々の遺骨を取り出し、もとの更地に戻す墓じまいが急増して
います。
墓じまいをした女性は、言う。
“高齢だし、身体が悪くて、なかなか参れないんですよ”
“やっぱり(墓を)閉めた方が、いいかなと思って…”
番組では、お墓に関するテーマを繰り返し取り上げ、大きな反響を呼んで来ま
した。
墓じまいに関しても、たくさんの意見が寄せられました。
“私は1人っ子で、配偶者も子供もいません。私の代で墓を閉じるしかありま
せん”
“故郷に親の墓がありますが、自宅から近い所に墓を移せないと、墓じまいも
考えなければなりません”
墓じまいのニーズが高まるなか、新たなサービスが続々と登場しています。
誰もが、いつかは迎える、この問題。
私たちの弔いの形は、どこへ向かうのでしょうか?
墓石の販売を行っている、大手石材店です。
今、墓じまいの相談が急増し、去年は、およそ100件にのぼりました。
前の年の1.5倍です。
背景には、故郷を離れて暮らす人が増えている事や、血縁関係が薄れている
事があります。
この日、相談に来ていた客は、言う。
“お姉ちゃん、墓じまいしてもええか?って言ったら、ええやん、今どき、
そうする人、たくさんいるから…”
“私も、孫が6人いますけど、せやけど、来た事ないもんな…”
“祖父の墓参りまで来ませんわ… いまの時代、さみしいけどね…”
大手石材店の社長は、言う。
“いずれ、墓じまいをしないといけないと考えている方は、本当にたくさん
いらっしゃる”
“お墓を建てて頂く方が良いとは思うが、必要とされていない方が非常に多く
なって来ています”
しかし、墓を更地にして、先祖代々の遺骨を処分する墓じまいには、手間も
お金もかかります。
そこで、この石材店では、墓じまいそのものの必要の無い、新たなサービスを
打ち出しました。
“こちらは、樹木葬のタイプになります”
桜の木の下に並んだ、こちらは、墓じまい要らずの墓です。
家族や知人など、最大で6人まで入る事ができ、最後の1人が亡くなった
13年後に、石材店が墓じまいをしてくれます。
最終的に遺骨は、この会社の納骨堂に移され、毎月の法要などで手厚く
弔われます。
この、墓じまい要らずの墓を購入した、ご夫婦です。
それぞれの先祖代々の墓を墓じまいし、ここに遺骨を移しました。
“こちら主人の方のお墓で、ちょうど横に並んで空いていまして、(私の)両親と
(夫の)父が入ってもらって、お隣同士で、どんな話しをしているのか”
“後は、これで、最後まで面倒見てもらえるから、良しとしないと…”
ご夫婦は、自分たちも、この墓じまい要らずの墓に入る事にしています。
ご夫婦には1人娘がいますが、現在は自立して、親と離れて暮らしています。
娘には、墓を受け継ぎ管理して行く大変さだけでなく、墓じまいそのものの
苦労もかけたくないと考えています。
父親は、言う。 “子供が娘だけで、結婚して行ったら見てもらえない”
“だったら、我々が元気なうちに、永代供養してもらえるところを探して、
(墓じまいを)やったというのが現状です”
遠い故郷に墓がある。 高齢で墓じまいも、ひと苦労…。
そんな人に向けたサービスも登場しました。
電話1本で墓じまいを代行してくれるサービスです。
おととし墓じまいに参入した、このベンチャー企業では、160人いる社員の半数
以上をコールセンターに配置し、相談を受け付けています。
利用者が、墓じまいしたい墓の場所を電話で伝えると、代行会社が利用者に
代わって墓を管理する寺や霊園との交渉を進めてくれます。
墓じまいに必要な書類を整え、行政の許可も取り次けてくれます。
さらに、墓石を撤去する解体業者なども、全て手配してくれるので、利用者は
最後に遺骨を引き取るだけです。
墓じまい代行を手がける会社の社長は、言う。
“まず、気軽に聞けて、そのままお願いしやすいという事は、お客様が求めて
いる事じゃないかなと思いますので、お電話1本で頼んで頂ければ良いと
思っています”
この会社に墓じまいを依頼した、66歳の女性です。
去年9月、長年連れ添った夫を、病気で亡くしました。
夫婦には子供がいなかった為、66歳の女性は、これを機に墓じまいをしたい
と思っていました。
しかし夫の死後、葬儀やさまざまな手続きに追われ余裕がありませんでした。
ラクに墓じまい出来る方法があると知って、申し込む事を決めました。
煩雑な手続きに振り回される事なく、夫や先祖の遺骨は、最終的に近所の
合同墓に移す事ができました。
66歳の女性は、言う。
“(会社との)やり取りも、すごく親切にしてもらって、安心して出来ました”
“もう、それは、スムーズに行ったので、有難かったです”
番組では、みなさんからの情報やご意見を参考に制作しています。
去年、実家が墓じまいをしたという、担当ディレクターの体験談です。
“これまで1度も、先祖の墓参りに行った事がありませんでしたが、去年、
墓じまいで、お墓がなくなったと父親から聞かされました”
“残念だと思った一方で、正直、どこか自分とは縁遠い事の様にも感じました”
こういった番組の投稿に対して、たくさんの声が寄せられました。
“多くが、自分も墓じまいを考えている” という声だったのです。
例えば、こちら。 墓じまい派の40代の女性です。
“2年前、お墓を撤去。 お墓参りの呪縛がなく自宅でお線香を捧げ、供養し
満足しています”
墓じまい派の50代の女性です。
“子供たちの負担を考えると、墓じまいに賛成です”
“形に残さなくても心に残って、時々、思い出してもらうだけで充分です”
逆に、墓を残す派の20代の女性です。
“家族揃ってのお墓参りは、年中行事のようなものです”
“今まであったお墓をしまう事には、どうしても疑問を感じてしまいます”
墓を残す派の60代の男性です。
“法事をする度に、あぁ、墓があって良かった”
“ご先祖様が残された兄弟・従兄弟たちの絆を作って下さっていると、しみじみ
思います”
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