墓じまいについて、たくさんのご意見があるのですが、実際、墓じまいは、
どのくらい広まっているのか?
生命保険経済研究所の首席研究員は、言う。
“ここ15年くらい、ずっと、年間7~8万件以上、お墓の引っ越しや墓じまいを
するという方が増えています”
なぜ、墓じまいをする人が増えているのか?
“お墓は、結局、残された方がいらっしゃらないと、お参りされなくなり、お墓が
荒れてしまいます”
“今の時代、核家族化が進んでいるほか、子供や守る人がいないケースも
あったり、お墓が遠くにあって行きづらい、などが増えています”
“また、核家族化で祖父母たちと一緒に住んでいないと、お墓に愛着が
わかないという事があります”
“40年ほど前までは、3世帯同居が当たり前でしたが、この40年ほどで家族の
形が大きく変わって来てしまいました”
“すると年に1度、会うか会わないかの祖父母のお墓参りに行けない、または
行かない人が増えています”
墓じまいをする時に、必要な手続きとは?
“お墓のある市区町村へ行って、改葬許可証をもらって来る必要があります”
“次に、お寺にお墓があれば、お寺のご住職、霊園なら霊園の許可も必要
です”
“その時に、お墓を移す離檀料という、お布施を請求される場合もありますが
この離檀料でトラブルになるケースも多いです”
“そのため、電話1本で代行してくれるサービスが人気を呼んでいるのです”
お墓を、そのままに放っておくと、どうなるのか?
“その場合は、無縁墓となって、お墓が荒れてしまいます”
“ただ、全国各地には、こういった無縁墓が、たくさんあるのも現実です”
では、無縁墓になってしまったお墓を放置しておくと、どうなるのか?
“最近では、税金を使って無縁墓を更地にするところも出て来ています”
“しかし、過疎地が進む自治体などでは、無縁墓は放置されたままのところが
多いです”
お墓を要らないという声もたくさんありましたが、では、要らないという方は、
どういう弔いの形を考えているのでしようか?
新しい弔いの形①散骨…川や海へ散骨する。
新しい弔いの形②樹木葬…夫婦やペットと共に一緒に土に埋葬する。
新しい弔いの形③手元供養…遺骨の一部をペンダントなどにする。
新しい弔いの形④バルーン葬…バルーンで宇宙へ飛ばす。
(注意:自分で勝手に遺骨を散骨や埋葬したりすると法律違反になるので、
必ずサービスを利用するようにしましょう)
いろいろな弔いの形を望む人が増えていますが、墓じまいでお墓がなくなって
ある意外なモノで、故人を偲ぼうというサービスも広がっています。
去年、墓じまいをした70代のご夫婦です。
故郷の富山県にあった明治から続く代々の墓を墓じまいし、遺骨は自宅近く
にある静岡県のお寺に移しました。
出て来た遺骨は、なんと33体で、合わせて50万円を支払い、この寺の納骨堂
に移しました。
お墓はなくなっても、先祖を弔う気持ちは大事にしたい。
このご夫婦は、あるサービスを申込みしました。
寺の敷地の一角に近づくとスマホの画面には、お墓があった故郷、富山県の
風景や、墓じまいをする前の墓の写真などが映し出されます。
使われているのは、人気ゲーム・ポケモンGOと同じ技術で、あらかじめ設定
した場所でスマホをかざすと、画面に墓の映像が現れる仕組みです。
ご夫婦は、言う。
“これでも、墓参りしているような、感じになりますよね”
“墓石も写真に出て来て、前よりも側にいてくれる感じはしますね”
亡くなった人を追悼するのに、もはや、お墓という形は必要ない。
そんな新たなサービスも生まれています。
生前にメッセージを動画に残してゆき、死後、家族や友人が、それを見る事が
できるというものです。
このサービスを申し込む事にした、57歳の女性。
3年前、ガンを患った事がキッカケでした。
57歳の女性は15年前に夫を亡くし、女手1つで息子を育てて来ました。
自分が亡くなった後、子供に負担をかけたくないため、終活を行う中で、去年
代々の墓じまいも行いました。
でも、お墓がなくなってしまえば、残された息子が、自分の事を偲ぶ機会や
場所を失ってしまうのではないか?
そんな時に、このサービスを知ったのです。
57歳の女性は、言う。
“自分は愛されていた。 幸せな時があったと思い出して欲しいという思いが
あったからです”
この日、57歳の女性は、息子と一緒に、撮影した動画の確認に来ました。
“私が亡くなって骨になったとしても、別に、お墓参りに来てもらわなくても、
私は良いと思っています”
“たまに、何かの拍子に、(この動画を)ちょっと見てくれれば良いです”
57歳の女性が、このメッセージ動画を再生する場所に選んだのは、現在、
自分が住んでいるマンションでした。
“たまにはママの誕生日にでも、覚えていたら見て下さいね”
墓じまいは、残された人だけでなく、残す人も考えている。
生命保険経済研究所の首席研究員は、言う。
“これまでは、子供や孫がお墓の面倒を見るのが当たり前でしたが、例えば、
高齢者向け住宅や老人ホームの最近の試みですと、終の棲家を同じくした人
同士で、亡くなった後も一緒(合同墓)に入る試みもあります”
“お墓の形が、どれだけ多様化しても、先祖を思う気持ちに変わりません”
“ですから、子子孫孫、お墓を継承して行ければ、それが1番良いように思え
ます”
“しかし、色々なライフスタイルの方がいるので、今までのお墓の形がライフ
スタイルの多様化に合わなくなって来たから、このような問題が起きて来て
いるのです”
“そこで、お墓の形は、たくさんあって良いと思います”
“大事なのは、残された人が、亡くなった人への気持ちの持ち方ではない
でしょうか?”
お墓を守る人、そして墓じまいをする人。
先立つ人や、残された人への真剣な思いがあっての選択。
それぞれが、それぞれに思っていれば、形にこだわらなくても良いのかも
知れません…。
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